前回からの変化
前回(2026-10-19)との比較である。前回は週明け早朝で、新しい終値を確認できなかった。本日は19日の東京・欧州・NY の各時間帯の動きが確認できる。
変わったこと(変化・新規)
- ドル円は16日終盤の158円05銭前後から、19日のNY終盤に158円55銭へ50銭上昇した(+0.3%)。当日のNY時間の値幅は158円15銭〜158円55銭で、159円には届いていない(ザイFX!、財経新聞)
- 前回は株先物の大幅安による円買いが焦点だったが、実際には東京時間の値幅は157円70銭〜158円13銭と小幅にとどまり、NY時間に米金利の上昇で円安方向へ押し上げられた(財経新聞)
- 前回「注目イベント」として挙げた中国の7〜9月期GDPは、前年比4.5%(予想4.4%、前回4.3%)、前期比1.2%(予想1.0%)と予想を上回った。9月の小売売上高も前年比1.1%(予想0.5%)だった(みんかぶ FX)
- 米10月のNAHB住宅市場指数は29で、予想31、前月32を下回った(ザイFX!)
- ユーロドルは前回の1.1233ドルから1.1202ドルへ下落した(-0.3%)。フランスの暴動によるユーロ売りが主因とされる
昨日と同じこと(継続)
- ドル円は158円台前半から半ばのもみ合いが続き、新たな為替介入の事実は確認されていない
- 中東情勢を背景とした原油高が続いている。WTI原油は前週末比2.25ドル(2.2%)高の103.66ドルで引けた(日本経済新聞)
- 米10年債利回りは5%台の高水準が続き、AP通信によると5.09%から5.14%へ上昇した(AP通信)
要因の連続性
- 継続要因: 中東情勢の悪化による原油高と、高止まりする日米金利差。いずれも前回に続き円安方向に働いた
- 新規要因: フランスの暴動の激化による同国国債の下落が米国債の売りにも波及し、米長期金利の上昇でドル買いが優勢になった。株価の下落による円買いの動きは、米株が反発したため限られた
- 解消した要因: 前回懸念された「AI関連の信用不安による急速なリスク回避」は、AI関連株の反発で一服した
為替サマリー
| 通貨ペア | 19日NY終盤 | NY時間の値幅 | 16日終盤 |
|---|---|---|---|
| ドル円 | 158円55銭 | 158円15銭〜158円55銭 | 158円05銭前後 |
| ユーロドル | 1.1202ドル | 1.1202〜1.1230ドル | 1.1233ドル |
| ユーロ円 | 177円78銭 | 177円51銭〜177円78銭 | 177円54銭 |
| ポンドドル | 1.3299ドル | 1.3299〜1.3333ドル | 1.331ドル前後 |
水準は日本時間20日午前4時台の報道による(ザイFX!: 10月19日のNY為替・原油概況)。ドル指数と人民元は信頼できる数値を確認できなかった。
ドル円の動き
東京時間は157円70銭〜158円13銭と小幅な動きで、午後は158円10銭付近の高値圏でもみ合った(財経新聞: 東京為替)。欧州時間の終わりには158円46銭まで上昇し、前日終値から37銭の円安になった(ザイFX!: 欧州マーケットダイジェスト)。
NY時間は、中東情勢の悪化による原油高と、フランスの暴動で同国の国債が売られた流れが米国債にも広がり、米長期金利が上昇した。これを受けてドル買いが優勢になり、158円55銭で引けた(同上、財経新聞)。金利が上がるとドルを持つ利回りが増すため、ドルが買われやすくなる。
円安・円高の影響は両面ある。円安は輸入物価の上昇を通じて家計の負担を増やす一方、輸出企業の業績や海外資産の円換算額を押し上げる。円高はその逆に働く(筆者の整理)。
その他の主要通貨
- ユーロ: ユーロドルは1.1230ドルから1.1202ドルへ下落した。フランスの政治不安が売り材料となった。一方、欧州時間には英独の金利上昇が重なり、ユーロの下げは限られた場面もあった。CFTCのデータでは、ユーロの投機筋の売り越しが13日時点で13万7,573枚に達し、2016年1月以来の大きさになった(ザイFX!)
- ポンド: ポンドドルは1.3333ドルから1.3299ドルへ小幅に下げた。ただし東京時間には、英中銀の来月の利上げ観測が急浮上し、21日発表の英CPIの加速が予想されるとして買いが続いた(財経新聞)。英10年債利回りは5.432%に上昇した(ザイFX!)
- ドルスイス: 0.8242〜0.8270フランで上昇した(財経新聞)
- アジア通貨・新興国通貨: 新しい信頼できる数値は確認できなかった
当局の姿勢と介入
19日に新たな為替介入の事実は確認されていない。発言は次のとおり(みんかぶ FX)。
- 植田日銀総裁: 基調物価が徐々に高まり、足元で2%にかなり近づいていると述べた。適切な金融政策が国債市場の安定した金利形成に資するとも強調した。追加利上げを意識させる内容として受け止められうるが、具体的な時期への言及は確認できなかった
- 高市首相: 「強い経済で円の信認を高めていく」と述べ、円安と高金利への指摘を否定した
- ブラウン米財務次官: 日本はもはやデフレ環境にないとし、日本の為替の安定が米国にとって非常に重要だと述べた
米財務省高官が円の安定に言及した点は、前回までに比べて当局側の発信が増えたものとして注目される。ただし、介入の有無や時期を示す発言ではない(筆者の整理)。
ポジションと相場観
IMM通貨先物の投機筋ポジション(CFTCが毎週公表する、大口投機家の持ち高)について、円の最新値は信頼できる数字を確認できなかった。ユーロは13日時点で投機筋の売り越しが13万7,573枚と、2016年1月以来の大きさだった(ザイFX!)。
円高派・円安派の新しい主張は、出典付きでは確認できなかった。前回紹介した予想レンジ(156円50銭〜159円00銭)は、19日の値動きがその範囲内にとどまった。
テクニカル分析(ドル円)
19日のNY終値の158円55銭は、前回挙げた先週の高値158円75銭の手前である。この158円75銭が上値の目安(レジスタンス)、先週の安値157円55銭と19日の東京時間の安値157円70銭が下値の支え(サポート)になる。移動平均線とRSIの最新値は確認できなかった。
今夜の注目イベント
- 20日(火): 英雇用統計と日本の国債入札(前回の予告)。米国では住宅着工件数・建築許可件数、中古住宅の販売契約指数が発表される予定(Yahoo Finance)
- 21日(水): 英9月CPI(予想は前年比3.4%)、メタとテスラの決算。ポンドとドルが動きやすい日とされる
- 27〜28日にFRB、29日にECB、30日に日銀が政策を決める

