前回からの変化
前回(2026-10-31、前日)との比較である。前回は米国の石油大手とアッヴィが中心で、日本企業の30日の結果は「確認できていない」としていた。今回は、その穴だった日本企業のうち、東京エレクトロンの結果を確認できた。土曜日と日曜日は主要な決算発表がなく、新しい米国企業の決算はない。
変わったこと(変化・新規)
- 前回は確認できなかった日本企業の30日の決算が確認できた。東京エレクトロンの4〜9月期(2027年3月期の第2四半期累計)は、売上高が前年同期比41.3%増の1兆6670億円、営業利益が67.2%増の5067億円、中間純利益が56.0%増の3769億円だった(Investing.com、BigGo ファイナンス)
- 前回「次の注目決算」に挙げたアップルとパランティアは、まだ発表されていない。予定は2日の米国時間で変わらない(財経新聞: 米国株式市場見通し)
- 前回は米国企業の「AI投資の負担」が売りの理由だったが、今回の東京エレクトロンは、AI向けの設備投資が装置の受注を押し上げる側の企業である。ただし株価は下げた
昨日と同じこと(継続)
- 好決算でも株価が素直に上がらない構図は続く。外為どっとコムは、AI関連企業の巨額の設備投資への懸念が強まっていると整理している(外為どっとコム: 来週の日経平均見通し)
- 30日の日経平均は1369円安の6万3290円で引けた。前回レポートで伝えたAI投資への警戒と同じ流れである
要因の連続性
- 継続要因: AI投資の持続性への警戒。半導体関連が売られやすい地合いは前回と同じ
- 新規要因: 半導体製造装置の需要がAIサーバーとデータセンター向けで加速している点が、東京エレクトロンの見通しで確認できた
- 解消した要因: 日本企業の30日の決算が確認できないという前回の不確実性の一部が後退した。ただし、リンデや、30日に予定されていた他の日経225構成企業の結果は引き続き確認できていない
本日のハイライト
| 企業名 | 会計期間 | 決算の主な数字 | 予想との差 | 株価反応 |
|---|---|---|---|---|
| 東京エレクトロン | 2027年3月期 第2四半期累計(2026年4〜9月) | 売上高1兆6670億円(41.3%増)、営業利益5067億円(67.2%増) | 売上高2.9%、営業利益10.6%上回ると報道 | 5.19%下落と報道 |
予想との差は、Investing.comが示す市場予想との比較で、集計元は記事から確認できていない。株価反応の時点(発表日の終値か、翌営業日か)は、記事から確認できなかった。
個別決算
東京エレクトロン — 2027年3月期の第2四半期累計(2026年4〜9月)
30日に発表された中間決算は、売上高が1兆6670億円で前年同期比41.3%増、営業利益が5067億円で67.2%増、経常利益が5144億円で67.6%増、親会社株主に帰属する中間純利益が3769億円で56.0%増だった(BigGo ファイナンス)。営業利益率は約30%と計算できる(筆者の計算)。
背景は、データセンター向けのAIサーバーの需要が広がり、先端ロジックや先端メモリの製造装置が伸びていることである。日本経済新聞は、10月上旬の時点で、川本弘CFOが「顧客の投資意欲は前回の決算発表からさらに強まっている」と述べたと伝えていた。価格の引き上げも利益を押し上げる要因として挙げられている(日本経済新聞)。
会社は、2027年3月期(2026年4月〜2027年3月)の通期見通しを初めて開示した。売上高は3兆7000億円、営業利益は1兆1690億円、純利益は8650億円である(BigGo ファイナンス)。営業利益の見通しは、中間実績の約2.3倍にあたるため、下期の計画に重心がある(筆者の計算)。
株主還元として、2026年11月1日から2027年3月31日までの間に、最大1500億円の自社株買いを行う(Investing.com)。
株価反応は、Investing.comによると5.19%の下落だった。好決算と大きな見通しでも売られた理由は、出典では確認できなかった。同日の日経平均が1369円下げ、AI関連株が売られた流れの中にあった(筆者の整理)。
経営陣が語ったこと
- 今回の決算発表での経営陣の発言は、確認できた出典にない。10月上旬の日本経済新聞の記事では、川本CFOが顧客の投資意欲の強まりに言及していた(日本経済新聞)
- アナリストとの質疑の詳細は確認できていない
業界トレンド
- 半導体の製造装置は、AIサーバー向けの先端ロジックと先端メモリで需要が加速している。東京エレクトロンの見通しは、その流れが2027年3月期も続くという会社の見方を示す
- AI投資への警戒と、装置メーカーの業績の強さが同時に存在している。外為どっとコムは、来週のAMDの決算が、半導体需要の裏づけとして注目されると伝えている(外為どっとコム: 来週の日経平均見通し)
- 日本企業では、30日に日経225構成銘柄の多くが決算を予定していた。村田製作所、三菱電機、パナソニックホールディングス、JR東日本、大和証券グループなどが予定に載っているが、結果は今回確認できていない(株トレ: 2026年10月30日の決算発表予定)
次の注目決算
日付は特記しない限り米国時間である。日付は報道ベースで、各社のIRでの確認が必要である(財経新聞: 米国株式市場見通し、財経新聞: 来週の相場で注目すべき3つのポイント)。
- 11月2日(月): アップル、パランティア、マリオット、エスティローダー、オン・セミコンダクター。アップルは、AI投資への警戒が強い中での見通しが焦点になる
- 11月3日(火): AMD、アムジェン、アリスタネットワークス、ファイザー。AMDは日本時間4日の早朝に発表される見込みで、半導体需要の確認材料になる(外為どっとコム)
- 11月4日(水): マクドナルド、クアルコム、ウーバー
- 日本(日本時間): 5日(木)にトヨタ自動車、任天堂、日本製鉄、花王。6日(金)に三菱重工業、三井不動産
