前回からの変化
変わったこと(変化・新規)
- ドル円は前回(10月2日付)の「今夜は米雇用統計が焦点」という見立て通り、統計が相場の主役となった。発表前は157円60銭台だったが、結果を受けて156円96銭まで下げ、その後ほぼ全戻しして157円台後半(日本時間3時40分ごろは157円80銭前後)で推移した(みんかぶFX、みんかぶFX)。10月1日のNY引けはザイFX!系の概況で158円09銭、前回レポートは158円25銭としており、配信元で数銭の差がある。
- 前回の「雇用統計が強ければ159円方向、弱ければ円買い戻し」の2シナリオのうち、結果は弱い側だった。非農業部門雇用者数は前月比2.9万人増(予想8.8万〜9.5万人増)、失業率は4.2%、平均時給は前月比0.1%増で、7月・8月分も計6.0万人下方修正された(OANDA)。
- 前回は158円台回復が焦点だったが、本日は東京時間午前に158円22銭まで上げた後、東京都区部CPI(生鮮食品除く総合)が前年比2.7%と予想の2.3%を上回ったことで157円79銭まで下落した(ザイFX!)。
- ユーロドルは前回の1.1215ドル近辺から、東京正午に1.1244ドル、NY午後に1.1250ドル近辺へ小幅に戻した(みんかぶFX)。
昨日と同じこと(継続)
- 米10年債利回りは5%台前半の高い水準が続いた。雇用統計後に5.15%まで低下したが、5.24%へ戻した(みんかぶFX)。
- 政府・日銀による円安是正介入への警戒感が、158円台半ばでの上値を抑える構図は継続した。確認済みの実弾介入が7月31日の日米協調介入のみという点も変わらない。
要因の連続性
- 継続要因: 米長期金利の高止まりが前回に続きドルを支えた。介入警戒による円の下値(ドル円の上値)の堅さも継続した。
- 新規要因: 米雇用統計の下振れによる10月利上げ観測の後退(ドル売り)と、東京都区部CPIの上振れ(円買い)が新たに加わった。OANDAによると10月利上げの織り込み確率は26.0%から14.9%へ低下した。
- 解消した要因: 前回の円売り材料だった日銀の連続利上げ観測の後退は、CPIの上振れで一部が押し戻された(憶測を含む見方)。ISM価格指数の急上昇によるドル買いの勢いも一服した。
為替サマリー
| 通貨ペア | 水準(2026年10月2日、日本時間) | 傾向 |
|---|---|---|
| ドル円 | 日中高値158円22銭、雇用統計後安値156円96銭、日本時間3時40分ごろ157円80銭前後 | 下げ幅を解消 |
| ユーロ円 | 東京正午177円62銭、東京午後は177円台半ば | 小動き |
| ユーロドル | 東京正午1.1244ドル、NY午後1.1250ドル近辺 | 小幅に戻す |
| ポンドドル | 東京午後1.3217ドル近辺 | 小動き |
| ドル指数・人民元 | 当日分の数値を確認できず | 前回レポート参照 |
NYの最終的な引け値は、本レポート作成時点で配信元から確認できていない。表の数値は取得時点の水準である(ザイFX!、みんかぶFX)。
ドル円の動き
東京時間: 前日NY引けの158円09銭付近から始まり、午前に158円22銭まで買われた。しかし9月の東京都区部CPI(生鮮食品除く総合)が前年比2.7%と予想の2.3%を上回ると157円79銭まで下落した。正午は157円96銭だった。午後は米雇用統計を前にドル売りが出て、157円54銭近辺まで弱含む場面があった(ザイFX!、みんかぶFX)。
欧州時間: 米雇用統計を控えて調整が主導し、157円台前半から後半のレンジで推移した。予想レンジは157円20銭〜159円00銭とされていた(外為どっとコム)。
NY時間: 21時30分の雇用統計が弱い結果となり、157円60銭台から156円96銭へ下落した。ただし米債利回りの低下は一時的で、10年債利回りが5.15%から5.24%へ反発し、関税に関する発言も伝わってドルが買い戻された。ドル円は下げ分をほぼ解消し、157円70銭台〜80銭前後で推移した(みんかぶFX)。関税発言の詳細は今回確認できていない。
その他の主要通貨
- ユーロ: ユーロドルは東京正午1.1244ドル、NY午後は1.1250ドル近辺だった。ユーロ円は東京正午に177円62銭だった(ザイFX!)。
- ポンド・豪ドル: 東京午後の水準はポンドドルが1.3217ドル近辺、豪ドルの対米ドルが0.6940ドル近辺、豪ドル円は109円台半ばだった(みんかぶFX)。
- ドル指数・人民元・ウォン: 当日分の信頼できる数値を確認できなかったため、水準は前回レポートを参照する。
- 株式・商品との関係: NY株は主要3指数がそろって上昇し、S&P500は0.7%高の7722.72ポイントだった。原油先物は1.9%安だった(みんかぶFX)。
当局の姿勢と介入
10月2日に新たな実弾介入の事実は確認されていない。確認済みの直近の介入は7月31日の日米協調円買い介入のみである。東京時間にドル円が158円台半ばへ近づく局面では、政府・日銀による介入警戒が上値を抑える要因とされた(ザイFX!)。これは市場の見方であり、当局が認めた事実ではない。
日銀の姿勢について、9月会合の「主な意見」は利上げの累積効果の点検を促す声を含み、前日までは利上げ観測の後退要因だった。本日の東京都区部CPIの上振れは、日銀が追加利上げに動きやすくなる材料との見方もある(市場参加者の見方)(みんかぶFX)。財務相・財務官から本日付の新たな踏み込んだ発言は確認できなかった。
ポジションと相場観
日米金利差(日米の金利水準の差。差が大きいほど円を売ってドルを持つ動機が強まる)を巡っては、米雇用統計の下振れで米国の利上げ観測が後退した。一方で米長期金利の反発により、ドル円は下値が限られた。OANDAは、ドル円の上値の目安を200日移動平均線付近の158円、下値の目安を156円30銭としている(OANDA)。
IMM通貨先物の投機筋ポジション(IMMポジション。シカゴ市場での投機筋の持ち高)は、9月29日時点の最新公表分を今回確認できていない。直近で確認できた9月22日時点の円の対ドルネット買い越し7万1982枚が最新の確認値である。
テクニカル分析(ドル円)
OANDAは、158円付近に200日移動平均線(過去200日の終値平均で、長期の方向を見る指標)があり、ここが上値の抵抗になっていると指摘した。下値の支えは156円30銭付近とされる(OANDA)。本日の値動きは、雇用統計後の安値156円96銭から157円80銭前後へ戻し、このレンジの中に収まった。
当日のRSI(買われすぎ・売られすぎを0〜100で測る指標。70超で買われすぎ)など最新の指標値は取得できなかったため、直近の確認値は前回レポートのRSI約50で中立圏とする。節目は158円と159円で、158円台半ばでは介入警戒が意識されやすい。
今夜の注目イベント
本日は土曜日で、為替市場は週末休場にあたる。次の取引は日本時間で週明け月曜朝からとなるが、具体的な指標スケジュールは今回確認できていない。週明けは、雇用統計後に低下した後に戻した米長期金利の水準、日銀の追加利上げを巡る発言、158円台半ばでの介入警戒が焦点になるとの見方がある。
なお、前回レポートで挙げた米9月雇用統計は、雇用者数2.9万人増と予想を大きく下回り、失業率は4.2%に上昇した。強い結果ならドル円159円方向、弱い結果なら円買い戻しという前回の想定のうち、弱い結果の側となったが、円買いは長続きしなかった。

