前回からの変化
変わったこと(変化・新規)
- 前回(10月2日号)が「香港が単独で織り込む最初の日」とした2日の香港市場は、大幅安で再開した。ハンセン指数は前回記載の24,613.27(9月30日終値)から23,972.29へ、640.98ポイント(2.6%)下げた(BigGo Finance)
- 前回は人民銀行のPSL利下げなどを支援の材料として伝えたが、市場は「小規模な支援策」と受け止めて失望した(みんかぶ)
- 前回確認できなかった中国ADRの動きが確認できた。ナスダック中国金龍指数は2日に1.03%下落した(ChainCatcher。検索結果の要約で確認した値で、元記事の本文までは読めていない)
昨日と同じこと(継続)
- 本土市場は10月7日まで休場で、取引再開は8日という日程は前回どおり。ストックコネクトも停止が続き、南向き資金(香港株に流れる本土の資金)は入っていない
- 米長期金利の高止まりが香港株の重しとなる構図は前回から続いている
要因の連続性
- 継続要因: 米長期金利の上昇が、前回に続き香港株の上値を抑える要因として働いた。米10年債利回りは2002年以来の高さに達したと報じられている(BigGo Finance)
- 新規要因: 中国の支援策への失望、原油高によるインフレ懸念、米国とイランの対立長期化による消費心理の悪化が加わった。マカオの9月のカジノ収入が前年比1.2%減と、市場予想の2.2%増に届かなかったことも売り材料になった
- 解消した要因: 前回の「休場明けの香港がどう反応するか分からない」という不確実性は、大幅安という形で決着した
市況サマリー
本土(上海・深セン)は10月1日から7日まで国慶節で休場が続いており、2日に新しい終値は付いていない。香港は2日に再開し、取引開始直後にはハンセン指数が2.09%安となる場面があった(みんかぶFX/為替)。
| 指数 | 終値 | 騰落率 |
|---|---|---|
| 上海総合指数 | 休場(最終取引日の9月30日は3,842.20) | ― |
| CSI300(滬深300) | 休場 | ― |
| ハンセン指数 | 23,972.29(香港ドル建て) | 2.6%安 |
| ハンセンテック指数 | 4,157.94 | 2.26%安 |
ハンセン中国企業指数(H株指数)も2.31%安の8,030.54だった(BigGo Finance)。上海総合指数の3,842.20は前回レポートの記載値で、今回の調査で再確認はしていない。
指数別動向
本土(上海・CSI300)
休場のため取引はない。アジア株の概況でも、中国は7日までの大型連休中で、上海総合指数は8日に再開すると伝えられている(みんかぶ)。連休明けは、休場中に出た海外の材料や、本日の香港の下落をまとめて織り込む日になる。
香港(ハンセン・ハンセンテック)
ハンセン指数の下落率は3月23日以来で最大となり、2カ月半ぶりに2万4000の大台を割り込んだ。ハンセンテック指数は2.26%下げた。
本土と香港の方向の割れ: 本土が休場のため、今回は比較できる値動きがない。本土が開いていないために南向き資金が止まり、押し目を買う需要が欠けたことが、下げを大きくした要因とされる(BigGo Finance)。
セクター別では、金融が最も売られた。カジノ・旅行・飲食・衣料に加え、自動車・不動産・医薬・ハイテク・エネルギーも軒並み下落した(みんかぶ)。
当局・政策の動き
2日に新たに発表された政策は、今回の調査では確認できなかった。市場の反応として、中国が9月29日に公表した支援策(PSL金利の引き下げ、再貸出枠の増額、住宅ローン補助)を「小規模」と見て失望する声が出た(みんかぶ)。この受け止めは市場の見方であり、当局の公表内容そのものではない。国家隊(国有系ファンドによる株の買い支え)の動きの公表や観測も、今回は確認できなかった。
経済指標
2日に発表された中国の主要統計は確認できなかった。関連する材料として、マカオの9月のカジノ収入が前年比1.2%減となり、市場予想の2.2%増を下回った(BigGo Finance)。
米中関係と注目銘柄
米中間の新たな規制の動きは、今回の調査では確認できなかった。注目された銘柄は次のとおり。
HSBCホールディングスは5.38%安だった。英国で銀行への課税が強化されるとの懸念と、世界的な長期金利の上昇が重なった。ハイテクのテンセント、美団、アリババ(いずれも香港上場のH株)はそれぞれ2%を超えて下げ、快手は4.4%安、小米は3.96%安だった(BigGo Finance)。
新興の「フィジカルAI」関連では、ライダー(レーザーによる距離測定装置)を手がける環創科技が、上場初日の265.68%高から2日目に47.49%安と急落した。短期の投機的な熱が激しく動いている例である。
米国上場の中国企業(ADR)では、ナスダック中国金龍指数が1.03%安となり、拼多多(ピンドゥオドゥオ)が1.85%安、アリババのADRが0.08%安だった(ChainCatcher。検索結果の要約で確認した値)。
強気派 vs 弱気派
強気・選別的な見方: 中国銀河証券は、米連邦準備制度理事会(FRB)がタカ派的な中で、テクノロジー、新薬、値動きの小さい高配当株に注目するよう勧めている(BigGo Finance)。全面的な強気ではなく、銘柄を絞る立場である。明確な強気派の主張は、今回の調査では見つからなかった。
弱気・慎重な見方: 華泰証券は、短期の投機的な機会はリスクに見合う収益が小さいと警告している(同上)。BBN Timesの休場前の記事も、香港の上昇が続くには米長期金利の安定と、国内消費を立て直せる規模の刺激策の確認が必要との見方を紹介していた(BBN Times)。
バリュエーション(割安さ)に関する主張は、今回の調査では確認できなかった。上の論点は主に政策と金利、需給のリスクに関するものである。
テクニカル分析(上海総合・ハンセン指数)
移動平均線(50日・200日)とRSIの新しい数値は、今回の出典から確認できなかった。水準の目安としては、ハンセン指数が2万4000の大台を割り込んだ点が心理的な節目として意識される。前回レポートが挙げた24,400近辺の下値の目安も下回った。あくまで参考であり、売買の推奨ではない。南向き資金は停止しており、AH株プレミアム指数の最新値も取得できなかった。
本日の注目点
本日3日は土曜で、本土・香港とも取引はない。次の取引は、香港が通常どおりなら5日(月)、本土が8日(木)である。香港は本土資金なしの状態が7日まで続くため、週明けは2日の急落後の値動きと、米長期金利の動向が焦点になる。本土の再開日は、連休中の消費・住宅販売の動きと海外材料がまとめて反映される日となる(みんかぶ)。

