前回からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • ドル円は前回(10/1)NY引けの157円38銭近辺から上昇し、10月1日NY引けは158円25銭(前日比およそ87銭の円安・ドル高)。東京時間正午には158円11銭、一時158円22銭をつけ、前回の「156円台への調整」から一転して9月25日以来の高値圏へ戻した(ザイFX!)。
  • 新規: 前回「日銀の10月追加利上げ観測」が円高派の根拠だったが、日銀の9月会合「主な意見」で政府関係者を含め過去の利上げの累積効果を慎重に点検すべきとの趣旨が示され、連続利上げ観測が後退して円売りが強まった(外為どっとコム)。日本経済新聞は、主な意見の公表でも円買いの思惑が崩れたと報じた。
  • 新規: 日銀短観(9月調査)の大企業製造業DIはプラス24と、予想のプラス25を下回ったが約8年半ぶりの高水準で、大企業非製造業はプラス35と5四半期ぶりに悪化した(ザイFX!)。
  • 新規: 米9月ISM製造業景況指数は54.5(予想55.0、前回54.6)と6月来の低水準だったが、価格指数は77.9と予想を上回りドル買いが強まった(Investing.com)。
  • 新規: ユーロドルは前回の1.1332ドル近辺から1.1215ドルまで下落した。米政府がEUにディーゼル燃料備蓄の緊急放出を要請したとの報道などでユーロ売りが出たと伝えられている(財経新聞)。

昨日と同じこと(継続)

  • 米長期金利の高止まりと原油高(イラン情勢)がドル買い要因として引き続き働き、米10年債利回りは東京時間に一時5.30%、NY時間は5.20%台前半から5.24%へ上昇した(ザイFX!)。
  • 介入は引き続き警戒段階で、確認されている実弾介入は7月31日の日米協調介入のみという状況に変化はない。

要因の連続性

  • 継続要因: 米長期金利の高止まりと原油高によるドル買いが前回に続き継続。日米金利差の大きさも円売り要因として継続している。
  • 新規要因: 日銀の連続利上げ観測の後退(円売り)、ISM価格指数の急上昇、トランプ米大統領が対イラン攻撃再開を検討との報道や中東への空母派遣報道による原油高が新たに加わった(ザイFX!)。
  • 解消した要因: 前回新規要因だった米PCEコア価格指数の下振れによる利上げ観測後退(ドル売り)は、雇用・ISM価格の強さと日銀観測の後退で押し戻された。

為替サマリー

通貨ペア 水準(2026年10月1日、日本時間) 前日比・傾向
ドル円 東京正午158円11銭、NY安値157円23銭〜高値158円25銭(引け158円25銭) 前回NY引け比およそ87銭の円安
ユーロ円 東京正午179円24銭(日中レンジ178円28銭〜179円24銭) 円売りで上昇
ユーロドル 1.1311ドル→1.1215ドル NY時間に下落
ポンドドル NY安値1.3181ドル ドル高で下落
ドル指数・人民元 当日分の数値を確認できず 前回は101台半ば、6.70台半ば

ドル円の動き

東京時間: 前日NY引け(157円41銭)から、米長期金利の時間外取引での上昇もあって緩やかに上昇し、正午に158円11銭、その後158円22銭まで買われた。夕方にかけて日銀の連続利上げ観測の後退で158円台を回復し、早朝から約1円の上昇となった(ザイFX!、外為どっとコム)。

欧州時間: 新たな材料は限られ、ドル円は158円近辺で推移した。月初・四半期初めの実需フローが意識された(ザイFX!)。

NY時間: 序盤は円安是正介入への警戒感から円買いが強まり、157円23銭まで下げた。その後、米新規失業保険申請件数が予想外に減少したことに加え、ISM製造業の価格指数が77.9に上昇し、トランプ大統領が対イラン攻撃を強める可能性を警告したと報じられて原油が上昇、ドル買いが優勢となって158円25銭で引けた(財経新聞、Investing.com)。

その他の主要通貨

  • ユーロ: ユーロドルは1.1311ドルから1.1215ドルへ下落した。ドル高に加え、米政府がEUにディーゼル燃料備蓄の緊急放出を要請し、輸出に警告したとの報道がユーロ売りを誘った(財経新聞)。ユーロ円は東京正午に179円24銭まで上昇した(ザイFX!)。
  • ポンド: ポンドドルは1.3181ドルまで下落し、ユーロと同様のドル高に押された(財経新聞)。
  • 豪ドル: 豪ドル円は東京正午に109円87銭と、前回の109円41銭前後から戻した(ザイFX!)。
  • ドル指数・人民元・ウォン: 当日分の信頼できる数値を確認できなかったため、水準は前回レポートを参照する。

当局の姿勢と介入

10月1日に新たな実弾介入の事実は確認されていない。NY時間序盤に円が157円23銭まで買われた局面は「円安是正介入への警戒感」によるものと報じられたが、これは市場の見方であり、当局が認めた事実ではない(財経新聞)。直近の確認済み介入は、7月31日の日米協調円買い介入である。

日銀の9月会合「主な意見」は、利上げの累積的な影響を点検すべきとの慎重な声を含み、10月の追加利上げ観測を後退させた。為替の観点では、日米金利差が縮まりにくいとの見方につながり、円売りが優勢となった(外為どっとコム)。財務相・財務官から10月1日付の新たな踏み込んだ発言は確認できなかった。

ポジションと相場観

日米金利差(日米の金利水準の差。差が大きいほど円を売ってドルを持つ動機が強まる)を巡る綱引きでは、日銀の追加利上げ観測の後退により、前回優勢だった円高派の根拠が弱まった。米10年債利回りは5.2%台で高止まりしており、円安派は米金利の高さと原油高を根拠にドル円の159円方向への上昇を意識している(外為どっとコム)。一方、158〜159円台では上値が抑えられやすいとの見方もあり、介入警戒がその一因とされる。

IMM通貨先物の投機筋ポジション(IMMポジション。シカゴ市場での投機筋の持ち高)は、CFTCの最新公表分(9月30日時点)を今回確認できていないため、前回レポートの値(円の対ドルネット買い越し7万1982枚)から更新しない。

テクニカル分析(ドル円)

当日朝時点の指標値は取得できなかったため、直近(10月1日午前1時48分時点、参考レート157円29銭)の値を基準とする。移動平均線(過去の値動きをならして方向性を見る指標)は、5日線157円62銭、21日線156円21銭、90日線159円63銭、200日線158円48銭。RSI(買われすぎ・売られすぎを0〜100で測る指標。70超で買われすぎ)は50.06%と中立圏だった(外為どっとコム)。

NY引けの158円25銭は5日線・21日線を上回り、200日線(158円48銭)に近づいた水準である。外為どっとコムは欧州・NY時間の想定レンジを157円40銭〜159円20銭とし、ISMが予想を上回れば159円を目指す展開もあり得るとしていた(外為どっとコム)。実際のISMは予想をわずかに下回ったが、価格指数の強さでドル買いとなった。

今夜の注目イベント

本日(10月2日)は日本時間午後9時30分に米9月雇用統計の発表が予定されている。非農業部門雇用者数は10万人増が予想されている(ザイFX!が「明日の雇用統計」として注目、ザイFX!)。強い結果なら米長期金利の上昇を通じてドル円は159円方向、弱い結果なら円買い戻しにつながるとの見方がある。

なお、前回レポートで挙げた日銀短観(プラス24、予想プラス25)と米ISM製造業景況指数(54.5、予想55.0)は、いずれも予想をわずかに下回ったが、ドル円は日銀の連続利上げ観測の後退と価格指数の強さで上昇した(詳細は上記参照)。