前回からの変化
変わったこと(変化・新規)
- 前回「今夜発表」と予告した米9月雇用統計が出た。非農業部門雇用者数は前月比+2.9万人で、前回レポート時点の市場予想(+9.0万人)や発表直前のコンセンサス(+8.8万人)を下回った。失業率は予想・前回の4.1%から4.2%へ上昇した(BLS、OANDA)
- 前回レポートで+16.2万人と紹介した8月は+13.3万人へ下方修正され、7月も+2.1万人から-1.0万人とマイナスに転じた(BLS)
- 前回は「先行指標は強弱まちまち」で、労働市場の減速が確認されれば据え置き観測が強まるとされていた。実際に弱い結果となり、10月の利上げ織り込みは低下した(OANDA)
昨日と同じこと(継続)
- 米長期金利の高水準は続いており、雇用統計後に5.15%まで低下した10年債利回りも、その後5.24%前後へ戻した(みんかぶFX)
- ドル円が157円台で推移する構図は前回から変わっていない(みんかぶFX)
要因の連続性
- 継続要因: 原油高や関税をめぐる警戒がインフレ懸念として米長期金利とドル買いを支える構図は、前回に続いている(関税警戒についてはみんかぶFX)
- 新規要因: 雇用者数の大幅な下振れと過去分の下方修正が、FRBの追加利上げ観測を和らげる要因として加わった
- 解消した要因: 前回の焦点だった「雇用統計の結果が不明」という不確実性は、発表で解消した
イベントサマリー
| 指標 | 結果 | 市場予想 | 前回値 | 区分 |
|---|---|---|---|---|
| 非農業部門雇用者数(前月比) | +2.9万人 | +8.8万人 | +13.3万人(改定後) | 9月・速報値 |
| 失業率 | 4.2% | 4.1% | 4.1% | 9月 |
| 平均時給(前月比) | +0.1% | +0.3% | 非公表 | 9月 |
| 平均時給(前年比) | +3.0% | 非公表 | 非公表 | 9月 |
経済指標の結果
米9月雇用統計(米労働省BLS、10月2日21時30分発表): 非農業部門雇用者数は景気動向を測る最重要の雇用指標で、FRBの利上げ判断に直結する。9月は前月比+2.9万人の増加にとどまり、市場予想(コンセンサス、専門家の予想の平均)の+8.8万人を大きく下回った。予想は報道により8.4万〜9.5万人増と幅があるが、いずれも大幅な下振れである(BLS、CNBC、Babypips)。
失業率は4.2%で前月の4.1%から0.1ポイント上昇した。BLSは、3月以降4.1〜4.3%の狭い範囲にとどまっていると説明し、上昇は主に労働力人口が増えたためとされる。労働参加率は61.8%だった。平均時給は前月比+0.1%(予想+0.3%)、前年比+3.0%で、賃金の伸びも鈍かった(BLS、OANDA)。
内訳と改定: 民間部門は+4.6万人、政府部門は-1.7万人だった。業種別では医療が+1.7万人、建設が+1.1万人、製造業が+0.9万人と増えた一方、金融は-0.7万人だった。別の集計では教育・医療が+2.0万人、情報が-1.0万人、専門サービスが-0.9万人とされ、集計方法で数字が異なる点に注意が必要である。過去分は7月が+2.1万人から-1.0万人へ、8月が+16.2万人から+13.3万人へ下方修正され、2か月合計で6万人の減少となった(BLS、OANDA)。
FRBの政策への含意: 雇用の減速は追加利上げの必要性を弱める材料となる。OANDAによれば、10月の利上げ織り込みは発表前の26.0%から14.9%へ低下し、据え置きは85.1%となった。CNBCはCME FedWatchで10月の利上げ確率が約17%(1週間前は約36%)で、12月の利上げは引き続き織り込まれていると報じた(いずれも市場の織り込みであり、FRBが示したものではない。OANDA、Babypips)。
市場の反応
ドル円は発表前の157円60銭台から、発表直後に156円96銭まで約60銭下落した。その後は関税をめぐる警戒から買い戻され、日本時間10月3日0時台には下げ分をすべて解消して157円70銭台で推移した(OANDA、みんかぶFX)。
米10年債利回りは発表後に5.15%まで低下した後、5.24%前後へ戻した。報道では5.18%(約6bp低下)との数字もあり、取得時点によって差がある(みんかぶFX、Babypips)。金は発表前の1オンス4183ドルから4227ドルへ上昇した(OANDA)。米2年債利回りと株価指数の発表前後の変化幅を示す一次情報は、本レポート執筆時点では確認できなかった。
次の注目イベント
- 米9月CPI(消費者物価指数): 10月14日21時30分(日本時間)発表予定。雇用の減速が続く中で物価も落ち着くかが焦点で、利上げ判断の材料になる(2026 U.S. Economic Calendar)
- FOMC(10月27〜28日開催): 雇用統計とCPIを受けて、追加利上げを見送るかが焦点になる。今回は経済見通しの公表は予定されていない
- 日銀金融政策決定会合(10月29〜30日開催): 10月1日の短観の結果を受け、連続利上げに踏み切るかが焦点になる

