前回からの変化
変わったこと(変化・新規)
- 前回「本日公表」と予告した日銀短観(9月調査)が出た。大企業製造業DIは前回(6月調査)の+22から+24へ2ポイント改善したが、市場予想の+25をわずかに下回った。前回レポートで紹介した民間13社の平均予想(+26前後)と比べても下振れである(OANDA、日本経済新聞)
- 大企業非製造業DIは前回の+37から+35へ2ポイント悪化し、予想(+36)も下回った。前回は「ほぼ横ばい」の予想だったが、小幅な悪化となった(OANDA)
- 前回は短観後の利上げペースが焦点だったが、物価見通しが小幅に低下したことで、10月会合での連続利上げを急ぐ材料にはならないとの評価が広がった(OANDA)
- 前回の「次の注目イベント」にあった米雇用統計は、本日21時30分(日本時間)の発表を控える段階に入った(財経新聞)
昨日と同じこと(継続)
- 米長期金利の高止まりは前回に続いており、10月1日のNY市場でも5.30%台へ再び上昇した(Fisco)
- ドル円は前回に続き157円台で推移し、10月1日のNY市場では157円23銭〜158円25銭の範囲で動いた(財経新聞)
要因の連続性
- 継続要因: 原油高とイラン情勢の緊迫化を背景としたインフレ警戒が、前回に続き米長期金利とドル買いを支えている(財経新聞)
- 新規要因: 短観で企業の物価見通しが小幅低下したことが、日銀の連続利上げ観測を和らげる要因として加わった
- 解消した要因: 前回の焦点だった「短観の結果が不明」という不確実性は、短観の公表で解消した
イベントサマリー
| 指標 | 結果 | 市場予想 | 前回値 | 区分 |
|---|---|---|---|---|
| 短観 大企業製造業DI(業況判断) | +24 | +25 | +22 | 9月調査 |
| 短観 大企業非製造業DI(業況判断) | +35 | +36 | +37 | 9月調査 |
| 短観 大企業製造業DI(先行き) | +21 | +22 | +24(今回の現況) | 12月予測 |
| 短観 大企業・全産業の設備投資計画 | 前年度比+11.3% | +12.2% | +11.5% | 2026年度 |
経済指標の結果
日銀短観(全国企業短期経済観測調査、9月調査、10月1日8時50分発表): 業況判断DIは、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた指数である。大企業製造業は+24で、前回の+22から2ポイント改善し、6四半期連続の改善となった。2018年3月調査と並ぶ約8年半ぶりの高水準で、データセンター向けなどAI関連需要が幅広い業種に波及したことが背景にある(OANDA、FXStreet)。ただし市場予想(コンセンサス)の+25は下回った。先行き(12月予測)は+21と、足元より3ポイントの悪化が見込まれている。
大企業非製造業は+35で、予想の+36、前回の+37をいずれも下回った。先行きは+30で予想どおりだった。中小企業は製造業が+14(前回比5ポイント改善)、非製造業が+15(横ばい)だった(OANDA)。
物価見通しと設備投資: 企業が見込む消費者物価の上昇率(全規模・全産業)は、1年後が2.6%(前回2.7%)、3年後が2.6%、5年後が2.5%(前回2.6%)と、いずれも横ばいか小幅な低下にとどまり、追加的な上振れは見られなかった。大企業製造業の販売価格見通し(1年後)は3.5%(前回3.7%)、仕入価格判断DIは+59(前回+62)へ低下した。2026年度の設備投資計画は大企業・全産業で前年度比+11.3%と、予想の+12.2%を下回り、前回の+11.5%から小幅に下方修正された。全規模・全産業では+7.6%で、強い内容が続いている(OANDA、第一生命経済研究所)。
日銀の政策への含意: 雇用人員判断DIは全規模・全産業で-38(前回-37)と人手不足が一段と強まり、借入金利水準判断DIは+68(前回+61)と9月の利上げが映った。一方、物価見通しの上振れは見られず、10月29〜30日の会合で連続利上げを急ぐ材料にはならないとの見方が出ている。民間の分析では、10月は据え置き、12月に利上げを再開するとの見通しも示されている(いずれも民間の見方であり、日銀が示したものではない。OANDA、第一生命経済研究所)。
市場の反応
発表前に157円48銭近辺だったドル円は、短観の発表直後に157円65銭から157円76銭へと円売りが進んだ。日経平均は発表前の6万7千円台前半から小動きで、寄り付きは6万7千300円台、10時過ぎには6万7千770円(前日比1.52%高)となった(OANDA)。
その後のNY市場でドル円は157円23銭まで下落したのち158円25銭まで上昇して取引を終えた。米新規失業保険申請件数が19万7千件と予想より減ったことや原油高が、ドル買いを支えた(財経新聞)。米長期金利は5.30%台へ上昇した(Fisco)。米2年債・日本国債(JGB)10年の発表前後の変化幅を示す一次情報は、本レポート執筆時点では確認できなかった。
次の注目イベント
- 米9月雇用統計: 10月2日21時30分(日本時間)発表予定。市場予想は非農業部門雇用者数が前月比+9.0万人(前回+16.2万人)、失業率4.1%(前回4.1%)で、労働市場の減速が確認されれば10月FOMCでの据え置き観測が強まるとの見方がある。ADP雇用統計は加速した一方、ISM非製造業の雇用指数は50を下回り、先行指標は強弱まちまちである(財経新聞)
- FOMC(10月27〜28日開催): 雇用統計とその後のCPIの結果次第で、追加利上げの織り込みが変わりうる(外為どっとコム)
- 日銀金融政策決定会合(10月29〜30日開催): 短観の結果と物価見通しを受け、連続利上げに踏み切るかが焦点になる(OANDA)

