前回からの変化
変わったこと(変化・新規)
- 日経平均は前回の6万6753円72銭から6万8956円72銭へ、2203円(3.3%)の上昇となった。前回は米半導体株高と全面高が主因だったが、今回は米マイクロンの決算と業績見通しが新たな材料となり、アドバンテストと東京エレクトロンの2銘柄だけで指数を1000円超押し上げた(株探、OANDA)。
- 前回は東証プライムの約7割が値上がりする全面高だったが、今回は値上がり48.3%・値下がり48.1%と拮抗し、指数主導の偏った上昇となった(財経新聞)。
- 前回予告された日銀短観(9月調査)の結果が出た。大企業製造業はプラス24(予想プラス25、前回プラス22)、大企業非製造業はプラス35(前回プラス37、予想はプラス36前後)で、製造業・非製造業とも予想をわずかに下回った(OANDA)。
- 前回は押し上げ役だった銀行株は、今回は石油製品・保険とともに下落業種に回った(OANDA)。
- ドル円は前回の156円台から158円台へ円安が進んだ(財経新聞)。
昨日と同じこと(継続)
- 半導体製造装置株とAI関連株が相場の主役である構図は前回から続いている。
- ソフトバンクグループとファーストリテイリングが引き続き指数の押し上げ寄与上位に入った(株探)。
- 米国市場の動き(今回はマイクロン決算とハイテク株高)が東京市場の方向を左右する構図は変わっていない。
要因の連続性
- 継続要因: 米AI・半導体株の強さが日本の半導体関連株を押し上げる構図は前回に続いて働いた。日本の長期金利の高止まりも意識材料として残っている(前回引け3.051%前後→本日3.073%)(財経新聞)。
- 新規要因: マイクロンの好決算、米コアPCEが落ち着いたことによる米早期利上げ観測の後退、米GDP確定値の上方修正による米金利高・円安の進行が新たに加わった(財経新聞)。
- 解消した要因: 前回追い風だったサウジアラビアのパイプライン復旧報道による原油安という材料は、今回の記事では主因として挙がらなかった。
市況サマリー
| 指数 | 終値 | 騰落 |
|---|---|---|
| 日経平均株価(日経225) | 68,956.72円 | +2,203.00円(+3.30%、続伸) |
| TOPIX | 4,131.98 | +23.33(+0.57%) |
| 東証グロース市場250指数 | 802.34 | +2.13(+0.27%、続伸) |
TOPIXの上昇率は日経平均を大きく下回った。値がさの半導体株に偏った上昇であることが分かる(OANDA)。
指数別動向
日経225
財経新聞によると、日経平均は前日比2,203円高の6万8,956円72銭で取引を終えた。前日に発表された米コアPCEが落ち着いて米国の早期利上げ観測が後退したことと、米マイクロン・テクノロジーの決算を受けた半導体株の買いが背景にある。株探によると、寄与度上位はアドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループ、ファーストリテイリング、イビデンで、アドバンテストと東京エレクトロンの2銘柄だけで指数を1,000円超押し上げた。
OANDAによると、アドバンテストは約9%高となり、1銘柄で700円超を押し上げた。電気機器・精密機器・非鉄金属が上昇率上位で、石油・銀行・保険は下落した。売買代金は約8.72兆円で、台湾加権指数の最高値更新や韓国総合株価指数(KOSPI)の堅調も追い風になった。一方、ニデックは有価証券報告書をめぐる監査対応の問題を受けて急落した。
東証グロース市場250指数
財経新聞によると、東証グロース市場250指数は前日比2.13ポイント高の802.34と小幅続伸にとどまった。値上がり229銘柄に対し値下がりは306銘柄で、投資資金が東証プライムの主力半導体関連株に向かい、新興市場は「蚊帳の外」に置かれた形となった。ただし米早期利上げ観測の後退による安心感から、午後は日経平均の大幅高につられて底堅く推移した。値上がり率上位ではプロHDが26.00%高、Zenmuが21.15%高となった。
強気派 vs 弱気派
強気派: Fiscoのテクニカル分析は、日経平均が窓を空けた大陽線で75日移動平均線を上放れ、一目均衡表では終値が雲の上限を超えて三役好転(強気の形)が完成し、転換線と基準線がともに上向いて上昇局面入りが予想されると指摘する。根拠は価格とチャートの形であり、ファンダメンタルズではなく需給・トレンド面の見方である。
弱気派: 今回の調査では、強気派に対する名指しの弱気論者(発言者・所属が確認できる主張)は見つからなかった。代わりに慎重材料として、値上がり・値下がり銘柄数がほぼ拮抗し上昇が半導体株中心に偏っている点が指摘できる(財経新聞)。新興市場が出遅れている点(財経新聞)、日銀短観で先行きDIが悪化見通しとなっている点(OANDA)も、手放しの楽観を戒める材料である。これらは事実であって、特定の論者の相場観ではない。
経済ニュース
日銀短観9月調査では、大企業製造業の業況判断DIがプラス24と市場予想(プラス25)を下回ったものの、前回(プラス22)から2ポイント改善して6四半期連続の改善となり、2018年3月調査と並ぶ約8年半ぶりの高水準となった。AI関連需要が押し上げた。先行きは製造業がプラス21へ3ポイント悪化の見通しで、非製造業はプラス30と横ばいが見込まれている。企業の物価見通しは1年後2.6%、5年後2.5%と小幅に低下し、2026年度の設備投資計画は前年度比11.3%で市場予想(12.2%)を下回った。雇用人員判断DIはマイナス38と、人手不足感が強まっている(OANDA)。
個別銘柄では、半導体製造装置のレーザーテックが11.14%高の4万5,710円、さくらインターネットが10.50%高の4,000円となった。PHCホールディングスはTOB(株式公開買い付け)への思惑が出て17.76%高の1,684円まで買われた。買収額は2,000億円超との観測があるが、買収の正式な発表内容は確認できていない。値下がりではメンバーズが16.30%安の770円となった(THE GOLD ONLINE)。
日銀・金利・為替
OANDAの分析では、今回の短観は10月の連続利上げを急ぐ必要性を高める内容ではないとされ、OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)市場が織り込む10月の利上げ確率は3割近くにとどまっている。財経新聞によると、日銀9月会合の議事では「機動的な利上げ」への意向が示されたが、市場は日銀の引き締めを想定内と受け止めた。
財経新聞によると、日本国債市場では長期国債先物(12月限)が124円37銭で取引を終えた(前回は124円54銭)。国債利回りは2年が1.929%、5年が2.369%、10年が3.073%、20年が3.931%だった。米国債利回りの上昇が波及した。
為替は財経新聞によると、ドル・円は157円35銭から158円45銭まで上昇し、夕方は158円20〜30銭で推移した。前日の米GDP確定値の大幅な上方修正で米金利が上昇したこと、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が「年内にあと1回、来年に1回の利上げを想定」と発言したことが支えとなった。円安は輸出関連株の下支え材料となる一方、輸入コスト増を通じて内需株には重荷になりうる。
テクニカル分析(日経225・グロース市場250指数)
日経225は、Fiscoの分析によると、窓を空けた大陽線で75日移動平均線を上放れ、75日線の下で前日に上向きに転じた25日線は上昇角度を増している。移動平均線は一定期間の平均株価で、現在値がその上にあれば上昇基調とされる。さらに一目均衡表では終値が雲の上限を突破して「三役好転」が完成した。これは複数の条件がそろった強気の形とされ、上昇局面入りが予想されるという。終値は6万9,000円台に迫った水準で、心理的節目として意識されやすい(株探)。ただしRSIなど過熱感を示す指標の当日値は、出典で確認できなかったため記載しない。
東証グロース市場250指数については、当日のテクニカル指標を確認できる出典を取得できなかったため、本日は解説を見送る。指数は800台を維持して小幅続伸したが、プライム市場の半導体株に資金が向かう中で出遅れ感が残る点が確認できる事実である。
本日の注目点
東京市場では、日経平均が6万9,000円台に迫った後の利益確定売りの出方と、半導体株の上昇が続くかが焦点となる。10月1日夜の米ISM製造業景況指数の結果とそれを受けた米金利・米株の動きが、東京市場に波及するかも見どころである(ウエルスアドバイザー)。ドル円が158円台を維持するか、グロース市場250指数が800台を保てるか、10月29〜30日の次回日銀会合に向けた利上げ観測の変化にも注目が集まる。なお、本日の個別の決算発表・経済指標の予定は今回の調査では確認できていない。

