前回からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • 前回「今夜の注目イベント」で挙げた8月分のコアPCE価格指数は、前年比3.0%・前月比0.2%となり、市場予想の前年比3.3%・前月比0.3%をいずれも下回った。総合PCE価格指数も前年比3.4%と、7月の3.7%から伸びが鈍化した(BEA、Trading Economics)
  • 前回はNY連銀ウィリアムズ総裁の発言等を背景に10月FOMCの利上げ観測がCME FedWatchで73%まで上昇していたが、本日のPCE下振れを受けてFRBの早期追加利上げ観測はやや後退したと報じられた(みんかぶFX/為替)
  • ドル円は前回時点(9月29日)の水準から、PCE発表直後に一時下落する場面があったが、米長期金利の上昇を受けて157円台へ買い戻された(みんかぶFX/為替)

昨日と同じこと(継続)

  • イラン情勢の緊迫化を背景とした原油高・インフレ懸念は前回に続き相場の下敷きとなっているとみられるが、本日分を裏付ける新たな一次情報は確認できなかった
  • 米国債利回りは、PCEの下振れにもかかわらず上昇基調を維持しており(みんかぶFX/為替)、前回報告した社債の記録的な発行ラッシュ・ハイイールド債の需給悪化が重荷になっている構図が続いているとみられる

要因の連続性

  • 継続要因: 社債の記録的な発行ラッシュとハイイールド債の需給悪化が、前回に続き長期金利の高止まり要因として働いているとみられる
  • 新規要因: 8月のコアPCE価格指数が市場予想を下回ったことが、新たな金利低下・追加利上げ観測後退の要因として加わった
  • 解消した要因: なし(前回挙げた要因はいずれも部分的に継続している)

イベントサマリー

指標 結果 市場予想 前回値 発表日
米コアPCE価格指数(前年比) 3.0% 3.3% 3.3% 9月30日
米コアPCE価格指数(前月比) 0.2% 0.3% 0.1%(改定後) 9月30日
米PCE価格指数(総合・前年比) 3.4% 非公表・未確認 3.7% 9月30日

経済指標の結果

米個人消費支出(PCE)物価指数(PCEデフレーター、8月分、BEA、9月30日発表): 総合PCE価格指数は前年比3.4%・前月比0.3%の上昇となり、7月の前年比3.7%から伸びが鈍化した。FRBが物価目標に用いるコアPCE価格指数(食品・エネルギーを除く)は前年比3.0%・前月比0.2%となり、いずれもコンセンサス(市場予想)の前年比3.3%・前月比0.3%を下回った(Trading Economics)。前月(7月分)の前月比は当初0.2%と発表されていたが、今回の発表にあわせて0.1%に下方改定された(BEA)。

コアPCEが前年比・前月比とも予想を下回ったのは、市場が想定していたよりインフレの鈍化ペースが速いことを示すサプライズであり、CPI(消費者物価指数)よりも品目構成の見直し頻度が高く実際の消費行動を反映しやすいPCE価格指数はFRBが金融政策運営で最も重視する物価指標である。個人所得は前月比0.2%増、個人消費支出は名目0.9%増(実質0.6%増)と、所得の伸びの鈍さに比べ消費は底堅く推移した(BEA)。

なお、9月18日のFOMCで政策金利をすでに引き上げている中、みんかぶFX/為替によると今回の下振れは10月27〜28日開催のFOMCでの追加利上げ観測をやや後退させたと報じられている。ただしFX168が9月24日時点で伝えた10月FOMCの利上げ確率(CME FedWatchで73%)がその後どこまで修正されたかを裏付ける一次情報は、本レポート執筆時点では確認できなかった。

市場の反応

みんかぶFX/為替(10月1日2時41分配信)によると、ドル円はPCE価格指数の下振れを受けて一時下落する場面があったものの、米国債利回りの上昇が続く中で買い戻され、157円台を回復した。同記事は「米国債利回りの上昇は続いており」と伝えており、物価の下振れにもかかわらず長期金利には低下圧力があまりかからなかったことがうかがえる。もっとも、具体的な米2年・10年債利回りの発表前後の変化幅、および株価指数の当日終値を裏付ける一次情報は本レポート執筆時点(日本時間10月1日朝)では確認できなかった。日本国債(JGB)10年利回りについても、本日分の新たな水準を裏付ける情報は確認できていない。

次の注目イベント

  • 日銀短観(2026年9月調査): 本日(10月1日)8時50分に公表予定。9月18日の金融政策決定会合で政策金利を1.00%から1.25%へ引き上げた後、日銀が最初に手にする企業の景況感データとなり、10月29〜30日の次回会合に向けた物価・景況感見通しの判断材料になるとみられる。民間調査機関13社の平均予想は大企業製造業DIが前回(6月調査、プラス22)から改善しプラス26前後、大企業非製造業DIはプラス36前後(ほぼ横ばい)とされていた(東京新聞、OANDA、Trading Economics)
  • 米雇用統計(2026年9月分): 10月2日21時30分(日本時間)発表予定。非農業部門雇用者数・失業率・平均時給に加え、過去2か月分の改定が焦点になる(kabutrack)
  • FOMC(10月27〜28日開催): 本日のPCE下振れと今後発表される米雇用統計・CPIの結果次第で、追加利上げの織り込みが変化しうる(FX168)