前回からの変化

前回(2026-10-21付、20日の取引)との比較である。前回は20日(火)、今回は21日(水)の取引を扱う。本土・香港とも両日開場した。

変わったこと(変化・新規)

  • 上海総合指数は前回の3735.37から3713.03へ22.34ポイント(0.60%)下落し、3日続伸が止まった。深セン成分指数は11801.29から11704.35へ0.82%下落した(財経新聞(Fisco)、OANDA証券)
  • ハンセン指数は前回の2万3867.74から2万3651.87へ215.87ポイント(0.90%)下落し、2日連続の下げで約3か月半ぶりの安値となった。H株指数は8030.26から7943.41へ1.08%下落した(財経新聞(Fisco))
  • 前回予告した人民銀行の翌日物リバースレポの毎日実施が始まり、21日は800億元が供給された。7日物リバースレポの供給はゼロだった(Newsquawk)
  • 主役が入れ替わった。前回はネット大手の下げと不動産投資の弱さが材料だったが、今回は電池大手CATLと国有通信大手の決算失望が相場を押し下げた(トレード・トレード、財経新聞(Fisco))

昨日と同じこと(継続)

  • 上海総合は心理的な節目の3700を上回って終え、年初来安値圏での攻防が続いた
  • 本土は小幅安、香港は1%近い下落と、香港の下げが相対的に大きい構図は前回と同じである。ただし今回は両市場とも下げた

要因の連続性

  • 継続要因: 国内需要の弱さへの警戒。前回は不動産開発投資の落ち込みとして表れたが、今回も国内需要の弱さを示す統計への懸念が香港市場の重しとして挙げられた(財経新聞(Fisco))。原油の振れも前回に続く材料で、価格の一服を支えとみる見方と、時間外で再び上昇したことへの警戒が併存した
  • 新規要因: 決算シーズン入りに伴う業績警戒。CATLの7〜9月期純利益は前年同期比15%増にとどまり市場予想を下回った。国有通信の中国移動と中国電信も減益を嫌気された(財経新聞(Fisco))
  • 解消した要因: 前回の重しだった日本・韓国株安の波及は、21日に日本株と韓国株がそろって反発したことで後退した(トレード・トレード)。休場明けの香港が材料をまとめて織り込む局面も終わった

市況サマリー

21日(水)は本土・香港とも開場した。

指数 終値 騰落率 前回の終値
上海総合指数 3,713.03(人民元建て) 0.60%安 3,735.37(20日)
深セン成分指数 11,704.35 0.82%安 11,801.29(20日)
ハンセン指数 23,651.87(香港ドル建て) 0.90%安 23,867.74(20日)
ハンセン中国企業指数(H株) 7,943.41 1.08%安 8,030.26(20日)

ハンセンテック指数は1.26%安だった(終値は確認できなかった)。CSI300の終値も確認できなかった(みんかぶ、財経新聞(Fisco)、トレード・トレード)。

指数別動向

本土(上海・CSI300)

上海総合指数は4日ぶりに反落した。政策への期待で買いが先行したものの、決算発表を前にした警戒が強まり、上げを失った。CATLの決算を受けて電池関連が広く売られ、国有通信大手の中国移動と中国電信も業績を嫌気されて下げた。原油の一服と米長期金利の低下は相場を下支えした。業種別では電池、乗用車、電池材料、白物家電が弱く、放送、養殖、林業、出版などが買われた(財経新聞(Fisco)、OANDA証券)。

香港(ハンセン・ハンセンテック)

ハンセン指数は寄り付き後に高く始まったが、午後に下げ幅を広げて0.90%安で終えた。CATLが11.4%安の364.80香港ドルとなり、6月の高値(792.871香港ドル)から約54%下げた水準である。ハンセンテック指数は1.26%下落した。個別では、鉱業株とソフトウエア株に7〜13.5%下げる銘柄があり、自動車と製薬・バイオの一部は上昇した。日本株(日経平均0.85%高)と韓国株(約3.3%高)が上昇する中で香港が下げた点が目立った(財経新聞(Fisco)、トレード・トレード)。

本土と香港の方向: 今回は本土・香港とも下落し、割れなかった。本土の下げ幅が0.60%、香港が0.90%と、CATLなど香港に上場する銘柄を含む香港側の下げがやや大きかった。

当局・政策の動き

人民銀行は21日から11月2日まで、翌日物リバースレポ(短期の資金供給)を固定金利・数量入札で毎日実施している。1日あたりの上限は1兆元で、外資系の人民元決済銀行も対象に含む。21日は800億元を供給した一方、7日物は実施しなかった(investingLive、Newsquawk)。Newsquawkはこれを、利下げではなく資金繰りを滑らかにする運営(流動性の平準化)であり、本土株はこれを中立とみる傾向があると紹介している。前回は「実質的な緩和」との見方があったが、今回は見方が分かれている。

人民元の対ドル基準値は6.7172元に設定され、前日の6.7200元から小幅に元高方向へ動いた。コメルツバンクは、政策金利の位置づけの見直し後も元高の見通しは変わらないとみている(FXStreet)。

CSRCの新たな措置や国家隊による買い支えの公表・観測は、今回の出典では確認できなかった。

経済指標

21日に中国の主要な経済指標の発表は確認できなかった。香港市場の解説では、最近の統計が示す国内需要の弱さが景気後退懸念を強める材料として挙げられた(財経新聞(Fisco))。具体的な指標名と数値は出典で確認できなかった。公式PMIと財新PMIの比較も今回確認できなかった。

米中関係と注目銘柄

米中間の新たな規制措置は確認できなかった。注目銘柄は次のとおり。

CATLは7〜9月期の売上高が前年同期比58.6%増と高い伸びだったが、純利益は約15%増の212.5億元にとどまり市場予想を下回った。売上総利益率は20.7%に低下した。電気自動車(EV)産業の競争激化に加え、消費税の優遇措置が9月1日に終了したことと、輸出の付加価値税の還付率が9%から6%に下がったことが採算を圧迫していると、解説では指摘された(トレード・トレード、Newsquawk)。香港では11.4%安となった。

中国移動と中国電信は、減益を嫌気されて本土で下げた(財経新聞(Fisco))。テンセント、アリババ、中国ADRの21日の動きは、今回の出典では確認できなかった。

強気派 vs 弱気派

氏名と所属が明示された中国株全体への強気・弱気の主張は、今回の出典では確認できなかった。報道ベースで整理する。

弱気側は、決算シーズン入りで業績が市場予想に届かない例が出たこと、国内需要の弱さ、EV産業の過当競争による利益率の低下を挙げる。CATLについて、解説者は過剰供給と顧客の調達先分散から利益率への圧力は続くとみている(トレード・トレード)。

強気側の材料は、原油の一服と米長期金利の低下、人民銀行の資金供給の継続である(OANDA証券)。バリュエーションの議論と政策リスクの議論は確認できなかった。3サイトでの調査には至っていない。

テクニカル分析(上海総合・ハンセン指数)

上海総合指数は3713.03で、節目の3700をわずかに上回った。3700は前回に続き下値の目安として意識されるが、終値との差は13ポイントと小さく、割り込むかが焦点とされる。ハンセン指数は2万3651.87で約3か月半ぶりの安値圏にあり、2日連続の下落で下値を探る形である。50日・200日移動平均線とRSIの数値、南向き資金、AH株プレミアム指数の最新値は取得できなかった。売買の推奨ではない。

本日の注目点

22日(木)は、人民銀行の翌日物リバースレポが2日目に入り、供給規模や短期金利の反応が見どころとなる。決算シーズンが続くため、CATL以外の電池・自動車関連や通信大手の決算と株価の反応にも注意したい。米国市場の引け後にはメタ、テスラ、IBMなどの決算が出ており、香港のネット・ハイテク株の地合いに影響する可能性がある。