前回からの変化

前回(2026-10-17)との比較である。前回は16日の寄り前に発表した地銀3社の決算内容を整理し、株価は取引開始前の値しか確認できなかった。今回はその続報として、通常取引の終値を加え、来週の決算予定へ視点を移す。18日(日)は新しい決算発表がなく、16日の前営業日分の確認が中心になる。

変わったこと(変化・新規)

  • 前回は取引開始前に、トゥルーイストが2.53%安、シチズンズが5.41%安と伝えられた。通常取引の終値(前日比)は、トゥルーイストが47.07ドルで1.07%高、シチズンズが63.36ドルで0.11%安、リージョンズが27.45ドルで0.51%高だった。寄り前の下げは、少なくとも終値では大きく縮んだ(Yahoo Finance: TFC、Yahoo Finance: CFG、Yahoo Finance: RF)
  • 前回は「ネットフリックスの決算で経営陣の交代の影響が示されるか」を注目点にした。同社は16日の通常取引で2.9%下落し、決算は20日に迫っている(BNN Bloomberg)
  • 市場全体の論点が、地銀の「売上高の未達」から、AI関連企業の資金繰りへの不安に広がった。コアウィーブの債券利回りが15%近くまで上がった(investingLive)

昨日と同じこと(継続)

  • 地銀3社の決算内容(トゥルーイストの調整後EPS1.16ドルとGAAPの0.56ドル、リージョンズの調整後0.73ドル、シチズンズの1.41ドルと13%の増配)は前回のとおりで、新しい修正は確認できていない(SEC 8-K: Truist)
  • 「EPSが予想を上回っても株価が先に下がる」構図は、寄り前の時点では継続していた
  • 前回の「FactSetの10月9日版」以降の新しい決算シーズン集計は、今回も確認できていない

要因の連続性

  • 継続要因: 市場が足元のEPSより先行きの収益や資金調達環境を重く見る構図。米10年債利回りは5.09%の高水準で、12月の利上げ確率は74.3%と報じられた(BNN Bloomberg)
  • 新規要因: AI関連の借り入れ負担への不安。コアウィーブの株価は14日に約16%下がり、同社債の利回りは15%近く、保証コストの指標(CDS)は1,000ベーシスポイントを超えたと報じられた。オラクルも14日に約10%下がった(investingLive)
  • 解消した要因: 前回の寄り前の大幅下落(シチズンズの5.41%安)は、通常取引ではほぼ解消した

1. 本日のハイライト

企業名 会計期間 寄り前の株価(前回) 16日の終値(前日比) 備考
トゥルーイスト 2026年7〜9月期 2.53%安 47.07ドル(1.07%高) 売上高は予想未達
リージョンズ 2026年7〜9月期 報道により2.27%高〜1.94%安 27.45ドル(0.51%高) 調整後EPSは予想超え
シチズンズ 2026年7〜9月期 5.41%安 63.36ドル(0.11%安) 13%の増配

終値はYahoo Financeの株価履歴ページの値で、通常取引の終値である。ページ上の表示を機械的に読み取った値のため、正式な終値は証券会社や取引所のデータで確認してほしい。

2. 個別決算

16日の地銀3社の決算の数字は、前回のレポートで整理した。今回の新しい事実は株価の終値である。

トゥルーイスト — 2026年7〜9月期

通常取引は前日の46.57ドルから47.07ドルへ0.50ドル高だった。寄り前に2.53%安と伝えられていたが、売上高の未達(損失を含めて37.9億ドル、予想53.5億ドル)にもかかわらず、終値では上昇した。損失の大半は証券ポートフォリオの再編に伴う一過性要因で、市場がそれを織り込んだとの見方もできるが、理由を示した報道は確認できなかった(Yahoo Finance: TFC、SEC 8-K: Truist)。

リージョンズとシチズンズ — 2026年7〜9月期

リージョンズは前日の27.31ドルから27.45ドルへ0.14ドル高だった。シチズンズは63.43ドルから63.36ドルへ0.07ドル安にとどまり、寄り前の5.41%安は終値では確認できない(Yahoo Finance: RF、Yahoo Finance: CFG、Investing.com)。シチズンズの出来高は945万株で、直近3日の平均より多かった。

3. 経営陣が語ったこと

16日の地銀3社について、前回以降に新しいカンファレンスコールの内容は確認できていない。前回までの説明(トゥルーイストは事業を絞り込み、シチズンズは第4四半期と2027年に自信を示した)に変更はない。

4. 業界トレンド

16日の米株は、決算よりAI投資の資金調達への不安が相場を動かした(筆者の整理)。S&P500は1.1%、ナスダックは2.1%下がり、週間ではS&P500が2%安と6月下旬以来の下落率になった。半導体のマイクロンは5.6%、AMDは6%、インテルは5.8%、ブロードコムは4.5%下げ、メタは3.7%、アルファベットは2.5%下がった。債券利回りの上昇で、テック企業のAI向け投資の資金調達が難しくなるとの懸念が背景にある。一方、エネルギー株は堅調で、エクソンモービルは2.5%、シェブロンは2.6%上がった(BNN Bloomberg)。

日本株でも同じ構図で、日経平均は16日に前日比898円高の6万5,324円で引けたものの、週間では3,706円(5.4%)の下落になった。半導体大手のTSMCが過去最高の売上高と純利益を出し、ASMLも良好な決算だったが、株価は限定的な反応にとどまった(株探ニュース、外為どっとコム)。

5. 決算シーズンの進捗

FactSetの10月9日版では、7〜9月期のS&P500の利益成長率は前年同期比29.6%の見通しで、発表済み19社のうち84%がEPSの予想を上回り、平均4.9%上振れた(FactSet: Earnings Insight)。10月16日版の数字は、今回も読み取れなかった。来週は発表社数が大きく増え、大型株のテック決算が始まる。

6. 次の注目決算

日時は米国時間の日付である。日本時間では、引け後の発表は翌朝になる。

  • 10月20日(火): ネットフリックスが引け後に発表予定で、予想EPSは0.82ドル。GMも同日に発表予定。同日の寄り前にはフィリップ・モリス、GEエアロスペース、RTX、3Mの予定もある(TheStreet、財経新聞)
  • 10月21日(水): メタ・プラットフォームズとテスラが引け後、IBMとテキサス・インスツルメンツも予定されている。メタは、AI投資の過剰感を和らげる内容になるかが焦点とされる(財経新聞)
  • 10月22日(木): ニューモントとP&Gが予定されている。日本では23日(金)にファナックが発表予定で、先に好決算を出した安川電機に続くかが注目点になる(財経新聞)