前回からの変化

前回(2026-10-17、前日)との比較である。

変わったこと(変化・新規)

  • ビットコインは前回の81,570.40ドルから81,589.99ドルへ(19.59ドル高、24時間で0.01パーセント高)、イーサリアムは2,411.03ドルから2,419.86ドルへ(8.83ドル高、24時間で0.24パーセント高)。ほぼ横ばいである。取得時刻は異なる(CoinDesk: Bitcoin price today、CoinDesk: Ethereum price today)
  • 前回はスペインの2行による協調融資が主役だった。今回は米大手行の経営陣が、トークン化を脅威でなく成長の機会と位置づけた発言が新しい(CoinDesk)
  • 特集は、協調融資の事務から、ブロックチェーン基盤の会社が送金事業者を買収して決済に進出する動きに移った

昨日と同じこと(継続)

  • 銀行・決済事業者がブロックチェーンを既存の業務に組み込む流れが続いている。前回のBBVAとサンタンデール、アブダビ首長国第一銀行の件に、今回は続報を確認できなかった
  • 米通貨監督庁(OCC)のステーブルコイン最終規則(11月に出す方針)について、公表の続報は確認できなかった
  • 新たな大規模ハッキングや取引所の破綻は確認できなかった

要因の連続性

  • 継続要因: 銀行・決済大手による実利用への組み込みと、各国の制度整備。前回のMiCAの動きに続き、今回は豪州とブラジルが制度を進めた
  • 新規要因: ブロックチェーン基盤企業が、送金や両替の免許を持つ事業者を買って決済の入口を自社で握る動き
  • 解消した要因: なし

市況ひとこと

ビットコインは81,589.99ドルで、24時間では0.01パーセント高だった。イーサリアムは2,419.86ドルで、24時間では0.24パーセント高である。数値は10月18日朝(日本時間)に価格サイトで確認した表示値で、いずれも変動は5パーセント未満のため、特記する理由は付けない(CoinDesk: Bitcoin price today、CoinDesk: Ethereum price today)。

社会実装・インフラへの採用

ウェルズ・ファーゴ、トークン化預金の国際送金を実運用

  • 誰が・何を: 米ウェルズ・ファーゴのサントマッシモCFOは、トークン化預金(銀行預金をブロックチェーン上のトークンとして扱う仕組み)を使った国際送金が実際に動いており、2分以内に着金すると説明した。海外の支店網が限られる同行にとって、支店を増やさずに国際送金を広げる手段になるという
  • 技術・規模: 使うチェーンの名称や取扱額は、確認した範囲では明示されていない
  • 段階: 国際送金は本番運用。トークン化証券や実物資産(RWA)の取引サービスは導入を検討中で、構想段階である
  • トークンの扱い: 銀行預金を表すトークンであり、ビットコインのような暗号資産そのものではない(CoinDesk)

ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーの発言

  • ゴールドマン・サックスのソロモンCEOは、トークン化が商品や取引活動を増やし新しい顧客を開拓しうるとし、現在の活動は「小規模で周辺的」と評価した。同社は独自のトークン資産基盤GS DAPを2022年から運用し、7月にはDTCC(米国の証券決済機関)のトークン化サービスの半日運用に参加した
  • モルガン・スタンレーのイエシャヤCFOは、トークン化で資産の移動が速く容易になっても、顧客は助言を必要とし続けると述べた
  • 段階: 両社とも発言の段階で、新しい本番運用の発表ではない(CoinDesk)

クラーケン親会社、欧州の銀行を買収へ

  • 誰が・何を: クラーケンの親会社ペイワードが14日、フィンランドの持株会社サルド・ファイナンスと、その子会社でリトアニアの免許を持つサルド銀行を買収する確定契約に署名したと発表した。サルド銀行は5つの欧州市場で営業できる権利(パスポート権)を持つ
  • 段階: 規制当局の承認が条件で、完了は2027年の見通し。欧州中央銀行(ECB)が最終判断を持ち、暗号資産事業者への銀行サービスから生じるリスクへの懸念をすでに示している。買収金額は確認できなかった(Ledger Insights)

各国の法改正・規制

ブラジル

  • ブラジル証券取引委員会(CVM)が今週、トークン化の模擬試験(サンドボックス)の規則を公表した。段階は、参加申請の受け付けが公表から15営業日以内(11月5日前後が期限)で、その翌日から60日間(30日間の延長が可能)の試験を行う。実際の取引・資産・投資家は含まない「シミュレーション」である
  • 誰に影響するか: CVMの規制下にある機関が対象で、例外的に技術提供者や外国企業も参加できる。ANBIMA(資本市場協会)などがすでに試験の準備を進めている(Ledger Insights)

オーストラリア

  • 豪州証券投資委員会(ASIC)が、暗号資産取引所とデジタル資産の保管業者向けの新しい基準案を示した。顧客資産の保護、取引の透明性、財務要件が柱である
  • 段階: 意見募集は11月27日まで、最終ガイダンスは2027年3月、規則の適用は2027年4月8日の予定。既存の事業者は2027年10月7日までに免許を申請する必要があり、審査中も営業を続けられる。現在140社以上がサービスの承認を申請している(CoinDesk)

国際機関

  • 国際決済銀行(BIS)の論文は、ステーブルコインと銀行預金が同じ資金の取り合いになるため、銀行が預金者への金利を上げればステーブルコインの伸びを抑えられると分析した(14日付の報道)。法改正ではなく研究の段階である(Ledger Insights)

日本・米国・EU

  • 新たに確認できた制度の動きはない。

特集: 新しいビジネスの形

ブロックチェーン企業が、送金事業者を買って決済の入口を握る

直近2週間の特集は、標準ウォレット、小規模銀行のトークン、担保ミラーリング、トークン化MMF、国債トークンを担保にしたレポ、国際送金の事前積み立て、協調融資の共通台帳などだった。今回は、ブロックチェーンの基盤会社が決済事業に進出する事例を扱う。

  • 仕組み: ポリゴン・ラボは、ブロックチェーン(ポリゴン)の運営を主力としてきた。今回、米国の規制を受ける暗号資産決済事業者コインミーの買収を完了した。暗号資産・ステーブルコイン・法定通貨のあいだの交換を、第三者に任せず自社で処理できるようになる。統合した決済基盤は技術プレビュー(限られた利用者向けの試験提供)の段階で、初期の利用企業にはタザペイ、メッシュ、トク、キラが含まれる
  • 誰がどう稼ぐのか: 従来のブロックチェーン手数料は1回あたり数セント以下だが、交換や送金の取扱額に応じた手数料を取れば、より高い料率が見込めるとされる。ボワロンCEOは、規制下の決済事業が2027年に黒字化すると見込んでいる。買収金額は記事に記載がなく、1月には2.5億ドル規模との報道があった
  • 既存のやり方との違い: これまで企業は、送金事業者(免許を持つ事業者)とブロックチェーンを別々に組み合わせる必要があった。基盤と免許を一つの会社が持てば、顧客との関係と手数料収入を自社で管理できる
  • 課題・リスク: ビザの取扱高は7.3兆ドル、ストライプは1.9兆ドルで、ポリゴンはまだ初期段階にある。ビザやストライプ自身もステーブルコイン決済を広げており、競争が激しい。ポリゴンのトークンが決済で使われるかは、確認した範囲では明示されていない
  • 具体例: ポリゴン・ラボとコインミー(CoinDesk)

業界トピック

  • 16日、詐欺師が盗んだ資金をLedger製のハードウェアウォレットに移したところ、機器に不正な改造があり、約490万ドル相当のビットコイン60枚が盗まれたと報じられた。詐欺師は「タスク詐欺」(偽の仕事で入金させる手口)で数百万ドルを集めていた。改造された機器の入手経路など、詳しい経緯は記事から確認できなかった(CoinDesk)
  • 新たな大規模な取引所の破綻や、大規模ハッキングは確認できなかった。