前回からの変化
変わったこと(変化・新規)
- ビットコインは前回報告した8万600〜8万1,200ドル台でのもみ合いから一転して急伸し、8万6,700〜8万7,000ドル台へと7%超上昇した。前回意識されていた8万2,000ドル近辺の上値抵抗を明確に上抜け、50週移動平均線(およそ7万8,700〜7万8,800ドル)を約45週ぶりに上回るテクニカルブレイクアウトとなったことが新たに判明した(24/7 Wall St)。
- 前回報告したビットコイン現物ETFの週間純流出(4億6,270万ドル)は一転し、直近の週間ベースでは小幅ながら純流入に転じたと伝わる。ただし流入規模自体は小さく、機関投資家の本格的な参加回復とまでは言えない状況が新たに判明した(KuCoin)。
- Into The Cryptoverseのベンジャミン・コーウェン氏が、自身が主張してきた「10月に周期的な底値をつける」というシナリオを撤回したことが新たに判明した。周期分析家の間でも弱気シナリオの後退が見られる(新規、CryptoTimes)。
- SEC がトークン化株式(Tokenized NMS Stock)のオンチェーン取引を5年間の条件付きで認める「イノベーション免除」を発表し(9月17日)、これを巡ってビットコインへの影響について強気派・弱気派の見方が真っ二つに割れたことが新たに判明した(新規、SEC)。
- 三菱UFJアセットマネジメント・三菱UFJモルガン・スタンレー証券・三菱UFJ信託銀行とProgmatが、ブロックチェーン「Avalanche」を基盤とした国内初の「トークン化投資信託」(短期国債投資型、自己資金2億円)の実証を9月3日に発表していたことが新たに判明した(新規、coinchoice)。
昨日と同じこと(継続)
- クラリティ法が9月15日の上院手続き投票で49対50で否決された経緯、およびSEC・CFTCによる行政主導の規制整備(革新的除外措置・規則案提出)が並行して進む構図は前回から変わっていない。
- SBIデジタルプラクティスと教保生命保険による円建てステーブルコインを使った日韓間送金の実証実験(9月17日発表、Canton Networkのテスト環境)について、その後の追加進捗は本日時点でも確認できなかった(継続)。
- 日本の金融庁関連では、暗号資産取引を金融商品取引法の枠組みに移行する改正法(7月23日公布、1年以内に施行、分離課税は施行翌年1月開始見込み)を巡り、この一週間で新たな進捗は確認できなかった(継続)。
要因の連続性
- 継続要因: クラリティ法否決による立法面の規制不透明感、SEC・CFTCの行政主導の規制整備という代替的な追い風は前回に続き働いている。
- 新規要因: 原油価格の下落と長期金利の低下によるマクロ環境の好転、約6億4,800万ドル規模のショートポジション強制決済、50週移動平均線を45週ぶりに上回るテクニカルブレイクアウト、SECのトークン化株式免除を巡る強気・弱気の綱引きが新たに加わった。
- 解消した要因: 週間ベースでのビットコイン現物ETF資金流出は小幅な流入に転じ、直近の重しとしては後退した。また「10月に周期的な底値をつける」という弱気シナリオも、提唱者自身の撤回により後退した。
1. 価格サマリー
取得時点: 日本時間2026年9月22日早朝(米国市場9月21日の取引を反映)。
| 銘柄 | 価格(ドル建て) | 24時間騰落率 |
|---|---|---|
| ビットコイン(BTC) | およそ8万6,700〜8万7,000ドル | 上昇 およそ7.2〜7.3% |
| イーサリアム(ETH) | およそ2,775ドル | 上昇 およそ5.5〜5.6% |
| ソラナ(SOL) | およそ119ドル | 上昇 およそ8.4% |
| リップル(XRP) | およそ1.53ドル | 上昇 およそ9.1% |
出典: CoinDesk(BTC)、CoinDesk(ETH)、KuCoin
2. 銘柄別動向
ビットコイン(BTC)
前回報告の8万600〜8万1,200ドル台でのもみ合いから一転し、原油価格の下落・長期金利の低下によるマクロ環境の好転を背景に急伸した。約6億4,800万ドル相当のショートポジションが強制決済され、とりわけ8万3,000〜8万6,000ドル帯に清算が集中した。前回意識されていた8万2,000ドルの上値抵抗を上抜け、50週移動平均線(およそ7万8,700〜7万8,800ドル)を約45週ぶりに上回る終値をつけた(24/7 Wall St、CoinDesk)。
イーサリアム(ETH)
前回報告の2,625ドル前後から上昇し、およそ2,775ドル前後で推移した。SECのトークン化株式イノベーション免除を受け、トークン化資産の主要な基盤チェーンとして恩恵を受けるとの見方がタガス・キャピタルなどから示された(CoinDesk)。
その他アルトコイン
- ソラナ(SOL): 前回報告の112ドル台からおよそ119ドル台へ上昇し、24時間で8.4%高となった(KuCoin)。
- リップル(XRP): 前回報告の1.42ドル前後からおよそ1.53ドル台へ上昇し、24時間で9.1%高となった。ビットコインと同様にショートポジションの解消圧力を受けたとみられる(24/7 Wall St)。
3. 強気派 vs 弱気派
強気派
- Galaxy ResearchのAlex Thorn氏は、2011年以降13回あった同種の移動平均線クロスオーバーのうち11回で新安値をつけなかったと指摘し、7月時点の安値(およそ5万7,700ドル)が周期の底として機能した可能性を示唆した(CoinDesk)。
- 分析家のPlanB氏・Doctor Profit氏は、50週移動平均線の上抜けを強気シグナルと位置づけ、次の目標を8万8,000ドル近辺とした(24/7 Wall St)。
- タガス・キャピタルは、SECのトークン化株式イノベーション免除(9月17日)を今回の上昇の起点とみて、イーサリアムがトークン化資産の基盤チェーンとして特に恩恵を受けると主張した(CoinDesk)。
弱気派
- FxProのアレックス・クプツィケーヴィッチ氏は、急速な買い増しを追いかけるべきではないと注意を促し、レバレッジの積み上がりに警戒感を示した(24/7 Wall St)。
- Peter Schiff氏は、SECのトークン化株式免除がむしろビットコインにとって弱気材料だと主張した。配当・議決権を伴う実企業のトークン化株式を保有できるなら、価値保存手段としてビットコインを選ぶ理由が薄れるという論拠である(CryptoTimes)。
- 週間ベースのビットコイン現物ETF資金フローは小幅な純流入にとどまっており、機関投資家の参加がなお限定的である点がラリーの持続性に対する疑問材料として挙げられている(KuCoin)。
4. 社会実装ニュース
三菱UFJアセットマネジメント・三菱UFJモルガン・スタンレー証券・三菱UFJ信託銀行の3社とProgmatは、ブロックチェーン基盤「Avalanche」を用いた国内初の「トークン化投資信託」(短期国債に投資する円建てファンド)を設定し、実運用環境での実証を始めたと9月3日に発表していた。三菱UFJアセットマネジメントが自己資金2億円を拠出しており、外部の機関投資家・個人投資家への販売は行わず、まずは商品化に向けた仕組み・課題の検証を行う段階である。実証段階ではあるが、発表のみにとどまらず実際の資金を投じた運用環境での検証である点で一歩進んだ取り組みといえる(coinchoice)。
前回既報のSBIデジタルプラクティスと教保生命保険による円建てステーブルコインを使った日韓間送金の実証実験(Canton Networkのテスト環境)については、9月17日発表以降の追加進捗は本日時点で確認できなかった。引き続き実証実験(PoC)段階であり、本番運用には至っていない。
5. 法改正・規制ニュース
米国
SECは9月17日、トークン化された米国株式(Tokenized NMS Stock)のオンチェーン取引を、自動マーケットメーカー(AMM)の流動性プールなどを通じて行うことを認める「イノベーション免除」を発表した。証券取引法上の「取引所」「ディーラー」の定義から一定の条件下で除外する5年間の時限的措置で、2031年9月17日に失効する。この措置がビットコイン相場・強気派弱気派の議論の新たな争点となった(詳細は3節)(SEC)。クラリティ法(暗号資産の監督権限をSEC・CFTCに分割する法案)は9月15日の否決から進展はなく、11月の中間選挙を控え年内成立は困難との見方が引き続き強い(継続)。
日本
金融庁が所管する「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律」(暗号資産取引を金商法の枠組みに移す内容)は、7月23日に公布済みで、公布から1年以内に政令で定める日に施行される見込みである。暗号資産の分離課税(税率20.315%)は、施行日の属する年の翌年1月1日から適用される見通しで、早ければ2028年1月からとなる。この一週間で新たな進捗の発表は確認できなかった(継続)。
6. テクニカル分析
ビットコイン(BTC)
50週移動平均線(およそ7万8,700〜7万8,800ドル)を約45週ぶりに上回る終値をつけたことは、中期的なトレンド転換を示唆する強いシグナルとされる。14日RSIはおよそ60〜65の水準で推移しており、「買われすぎ」とされる70を超えておらず、急騰局面としては過熱感がなお限定的であることを示している。50日・200日の移動平均線もいずれも上回る水準を維持しており、短期・中期・長期のいずれの目線でも上昇基調が確認できる状況にある。直近では8万2,000ドル近辺が支持帯に転じつつあり、上値では8万8,000ドル近辺が次の目標として意識されている(Investing.com、24/7 Wall St)。
イーサリアム(ETH)
前回意識された重要な移動平均線を上回る水準を維持したまま、ビットコインに連動する形で上昇した。詳細なテクニカル指標(RSI等)の確度の高い最新値は本日時点で確認できなかったが、価格自体はビットコインと同様の強気基調にあるとみられる。
7. 業界トピック
- ビットコイン現物ETFの週間資金フロー: 前回報告した4億6,270万ドルの週間純流出から一転し、直近では小幅な純流入に転じた。ただし流入規模は小さく、機関投資家の本格回帰と評価するには時期尚早との声もある(KuCoin)。
- AI関連トークンの急伸: SAGA・LATなどAI関連トークンが24時間で50%前後上昇するなど、AIエージェント・計算資源関連トークンへの資金シフトが観測された(KuCoin)。
- 中小プロジェクトの淘汰: 継続的な利用者・収益基盤を欠く中堅・下位プロジェクトの運営継続が難しくなっており、Switchboard・Linera・Universalなどのサービス終了が伝えられた(KuCoin)。

