前回からの変化
変わったこと(変化・新規)
- 前回(9/21付レポート)時点では週末を挟み9/18終値のまま寄り付き前だったが、月曜の取引再開で上海総合指数は3,911.87→3,949.91ポイント(+0.97%)、香港ハンセン指数は24,750.78→25,042.71ポイント(+1.18%)へとそれぞれ上昇した(みんかぶ、みんかぶ)。
- 香港市場で創薬(イノベーティブドラッグ)関連銘柄の急伸という新しい物色テーマが確認された。山東新華制薬が13.69%高、君実生物が12.65%高、康方生物が9.72%高となるなど、恒生中国企業指数を1.39%押し上げた(21财经)。
- 習近平国家主席の訪米日程について、23日にワシントン近郊のアンドルーズ空軍基地に到着し歓迎式典、24日にホワイトハウスのローズガーデンで儀仗隊を閲兵したうえで首脳会談・国宴、25日に大統領夫妻とのお茶会と国立公文書館訪問を経て離米するという、より具体的な行程が判明した(星島日報)。
昨日と同じこと(継続)
- 不動産株(万科企業、保利発展控股集団)は、前回既報のゴールドマン・サックスの不動産市場分析(2027年3月以降の供給不足観測)を引き続き材料に買われている(21财经)。
- 中国人民銀行が9月20日に決定したLPR16カ月連続据え置き(1年物3.0%・5年超3.5%)から、新たな金融政策の動きは確認できなかった(継続)。
- 米中首脳会談(24日)へ向けた期待先行の地合いは前回から変わっていない。
要因の連続性
- 継続要因: ゴールドマン・サックスの不動産市場分析を受けた不動産株物色、米中首脳会談への期待によるリスク選好、人民銀行の金融政策の安定(LPR据え置き)。
- 新規要因: 香港での創薬(バイオ医薬品)セクターの急伸という新たな物色テーマが加わった。また習近平氏訪米の行程がより具体化し、市場の期待をより明確な形で支える材料になった。
- 解消した要因: 前回挙げていた「週末で市場が閉まっている」という要因は、月曜の取引再開により自然に解消した。
1. 市況サマリー
| 指数 | 市場・通貨 | 終値 | 前日比 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 上海総合指数 | 本土・人民元建て | 3,949.91pt | +0.97% | 9/18比+38.04pt、5営業日ぶりの高値圏 |
| CSI300(滬深300) | 本土・人民元建て | 非公表(未確認) | +0.7% | 出典に終値の記載なし、騰落率のみ確認 |
| 香港ハンセン指数 | 香港・香港ドル建て | 25,042.71pt | +1.18% | 25,000pt台を回復、200日線(前回約25,309pt)に接近 |
| ハンセンテック指数 | 香港・香港ドル建て | 4,423.29pt | +0.4% | 恒生中国企業指数(H株)は+1.39% |
深セン成分指数も13,730.02ポイント(+0.65%)と続伸、創業板指数は+0.8%、上海科創板50は+0.3%。本土市場全体では4,500銘柄超が値上がりし、売買代金は約2兆元に達した(21财经、みんかぶ)。
2. 指数別動向
本土(上海・CSI300)
上海総合指数は前日比0.97%高の3,949.91ポイントで続伸し、9月9日以来およそ2週間ぶりの高値圏を回復した。工業情報化部・国家発展改革委員会などが9月18日に公表した「医薬工業発展の第十五次五カ年規画」を受け、医療サービス・CRO・創薬・化学製薬の各セクターが本土でも堅調で、CSI300は+0.7%、創業板指数は+0.8%高となった。個別では不動産株の保利発展控股集団・万科企業、医薬品株の江蘇恒瑞医薬・上海復星医薬、石油のシノペックが買われた一方、家電の海信家電集団・美的集団・海爾智家、レーザー加工機器の大族激光科技産業集団には利益確定売りが出た(21财经、OANDA)。
香港(ハンセン・ハンセンテック)
香港ハンセン指数は1.18%高の25,042.71ポイントと続伸し、25,000ポイント台を回復した。上昇をけん引したのは本土とは異なり創薬(バイオ医薬品)関連銘柄で、恒生中国企業指数(H株)は1.39%高。山東新華制薬(+13.69%)、君実生物(+12.65%)、康方生物(+9.72%)、三生制薬(+9.33%)、泰凌医薬(+9.21%)、石薬集団(+7.56%)、中国生物制薬(+8.23%)が軒並み急伸した。ハンセンテック指数の上げ幅は+0.4%にとどまり、本土のCSI300(+0.7%)と比べても、香港は創薬株というテーマ性の強い物色に支えられた側面が大きい(同じ方向に動いたが、けん引役のセクターが本土・香港で異なった点に留意)(21财经、みんかぶ)。
3. 当局・政策の動き
- 人民銀行(PBOC): 9月20日に決定したLPR据え置き(1年物3.0%・5年超3.5%、16カ月連続)以降、新たな金融政策の発表は確認できなかった(継続)。
- CSRC・取引所: 新たな制度変更の発表は確認できなかった(継続)。
- 工業情報化部・国家発展改革委員会: 9月18日公表の「医薬工業発展の第十五次五カ年規画」が、本土・香港双方の医薬品・創薬関連株の物色テーマとして週明けも波及した(継続かつ拡大、21财经)。
- 国務院・全人代: 新たな景気対策・財政出動の発表は確認できなかった。
4. 経済指標
9月21日・22日は主要な中国経済指標の発表はなかった。8月分の主要指標(鉱工業生産+5.2%、小売売上高+0.4%、固定資産投資-7.2%、不動産開発投資-19.9%)は前回既報のまま更新はない。財新9月製造業PMIの発表は9月30日の予定で、本レポート時点では未発表(次回以降に扱う)。
5. 不動産・地方債務
不動産株は、前回既報のゴールドマン・サックスの供給不足観測を引き続き材料に、万科企業・保利発展控股集団がそろって買われた。ただし万科企業自体の財務状況は依然厳しく、直近で確認できた資料(2026年2月時点)によれば、2025年12月期の純損失は約820億元(A株上場企業で単年最大の損失、2024年の約495億元から拡大)、2026年に償還を迎える社債は15本・総額約296億元、うち1〜7月に集中する7本・約112.6億元が到期を迎える。短期借入と1年以内到期の債務は合計1,514億元に達する一方、手元現金は604億元にとどまり、資金ギャップは900億元超とされる。親会社である深セン地下鉄集団からの資金支援(累計300億元超)が続いているが、根本的な解消には至っていない(東方財富)。株価の上昇と、個社の資金繰り難という実態には引き続き乖離がある点に留意が必要である。
6. 米中関係と注目銘柄
習近平国家主席は9月23日にワシントン近郊のアンドルーズ空軍基地に到着し、トランプ大統領自らが出迎える歓迎式典に臨む。24日はホワイトハウスのローズガーデンで儀仗隊を閲兵したうえで首脳会談、夜は東の間で国宴が開かれる。25日はトランプ夫妻とのお茶会、国立公文書館訪問を経て離米する日程が明らかになった(星島日報、VOA中文)。首脳会談を控え、市場では関税・AI・重要鉱物などをめぐる合意への期待が先行している。
個別銘柄では、香港で創薬関連の山東新華制薬・君実生物・康方生物・石薬集団・中国生物制薬が軒並み急伸(詳細は「2. 指数別動向」参照)。本土では不動産の万科企業・保利発展控股集団が買われた。一方、アリババ・テンセント・BYD・CATL・SMICについては、確度の高い9月21日時点の新規の値動き情報を確認できなかった(検索リソースの制約により未確認。次回以降で補う)。
7. 強気派 vs 弱気派
強気派: ゴールドマン・サックスは不動産市場について2027年3月以降の供給不足を見込むレポートを出しており、不動産株の押し目買いを支える根拠として引き続き引用されている(継続、21财经)。加えて、香港市場では創薬(バイオ医薬品)セクターに新規の買いが集中し、山東新華制薬など二桁パーセントの上昇を記録した銘柄が相次いだことが、個別テーマの再評価(バリュエーション見直し)として強気材料視されている(新規、21财经)。
弱気派: バリュエーション面では、株価上昇と企業の実態財務との乖離を指摘する見方がある。たとえば万科企業は株価こそ不動産セクター全体の物色で支えられているが、2025年12月期に約820億元の純損失を計上し資金ギャップが900億元超とされるなど、個社の資金繰りは依然厳しい(東方財富の分析、2026年2月時点のデータに基づく、東方財富)。政策リスク・情報開示への懸念は前回時点から新たな更新は確認できなかった(継続)。
8. テクニカル分析
上海総合指数: 9月15日の3,864.28ポイントを直近安値に、16日3,891.60→17日3,875.60→18日3,911.87→21日3,949.91ポイントと、一進一退を挟みつつ上昇基調にある。前回示したレジスタンス水準(4,000〜4,040ポイント)まで残り50〜90ポイント程度に近づいており、このゾーンを明確に上抜ければ短期的な上値余地が意識されやすい水準とされる。ただし移動平均線・RSIの具体的な数値は今回情報源から確認できず、無理な推計は行わない。
香港ハンセン指数: 25,042.71ポイントまで戻し、前回示した200日移動平均線(約25,309ポイント)との差は266ポイント程度まで縮まった。この水準を上回れば、ゴールデンクロス(短期線が長期線を上抜ける状態)に近づくシグナルとして意識されやすいが、あくまで「その水準に接近している」段階であり、断定的な判断はできない。
南向き資金(香港ストックコネクト経由の本土からの資金流入)、AH株プレミアム指数については、今回情報源から確度の高い最新値を取得できなかった。無理な推計はせず、次回以降のデータ確認を待つ。
9. 本日の注目点
- 23日の習近平主席のワシントン到着、歓迎式典の様子と市場の反応。
- 24日の米中首脳会談で、関税・AI・重要鉱物などの合意がどこまで具体化するか。
- 香港の創薬(バイオ医薬品)セクターの急伸が、週明け以降も他のテーマに波及するか。
- 上海総合指数が前回示したレジスタンス水準(4,000〜4,040ポイント)に接近する中、上抜けを試す動きが出るか。
- 不動産株(万科企業など)の株価上昇と、個社の資金繰り難という実態との乖離がどう推移するか。

