前回からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • 前回は任天堂の格下げが下落要因だったが、本日はソフトバンクグループの急落(傘下アーム株安・出資先オープンAIのAI開発を巡る懸念)が値下がり寄与トップに交代した(日本経済新聞)。
  • 新たに9月末の中間配当権利落ちが売り材料として加わった。3月期決算企業の配当を確定した投資家による換金売りが相場全体の重荷となり、日経平均は一時1100円超下げる場面があった(日本経済新聞)。
  • TOPIXは前回のTOPIX16.59ポイント安(比率にして小幅)から一転し、1.72%安と日経平均(0.60%安)より下げ幅が目立つ「金融・内需株主導の下げ」に性格が変わった(日本経済新聞)。

昨日と同じこと(継続)

  • 日経平均・TOPIXともに2営業日連続の下落となり、前回に続き反落局面が継続している。
  • 東証グロース市場250指数も4営業日続落となり、新興株の軟調地合いが続いている(財経新聞)。
  • 半導体製造装置株(東京エレクトロンなど)には押し目買いが入りやすい地合いが続いている。

要因の連続性

  • 継続要因: 米長期金利の上昇と国内長期金利の高止まりが、前回に続き株式相場の重荷として働いている(10年債利回りは3.090%まで上昇、引けは3.067%)(日本経済新聞)。
  • 新規要因: 3月期決算企業の中間配当の権利落ちに伴う換金売りが新たに加わった。またソフトバンクグループの急落という個別材料が新たな下押し要因となった。
  • 解消した要因: 前回相場を押し下げた任天堂の格下げ材料は本日の主要な下落要因としては後退した(個別銘柄としての影響は限定的)。

市況サマリー

指数 終値 騰落
日経平均株価(日経225) 65,481.27円 -396.35円(-0.60%、続落)
TOPIX 4,041.13 -70.87(-1.72%)
東証グロース市場250指数 784.74 -6.73(-0.85%、4営業日続落)

指数別動向

日経225

日本経済新聞によると、日経平均は前日比396円35銭安の6万5481円27銭で取引を終え、続落となった。前日28日の米国株式相場が347ドル安と下落した流れを受けて売りが先行し、一時1100円超下げる場面もあった。下落の背景には、中東情勢を巡る先行き不透明感を受けた原油相場の高止まりへの警戒、国内長期金利の上昇に加え、3月期決算企業の中間配当の権利落ちに伴う換金目的の売りが重なったことがある。東証33業種はほぼ全面安となり、値下がり銘柄は1,318、値上がり銘柄は170にとどまった(日本経済新聞)。

個別では、日本経済新聞によると、ソフトバンクグループが配当権利落ちを考慮した基準値比3.01%安の6051円まで下落し、日経平均の値下がり寄与トップ(1銘柄で約109円の押し下げ)となった(財経新聞)。傘下の英半導体設計会社アーム・ホールディングスが前日の米国市場で急落したことに加え、出資先の米オープンAIのAI開発を巡る懸念も重荷になったとされる。一方、半導体製造装置株には買いが入り、東京エレクトロンが値上がり寄与トップ(約103円の押し上げ)となったほか、ファーストリテイリングやリクルートホールディングスといった内需・サービス関連株も上昇した(日本経済新聞)。

東証グロース市場250指数

東証グロース市場250指数は前日比6.73安の784.74で取引を終え、4営業日続落となった。財経新聞によると、同指数の先物は前日比1ポイント安の775ポイントで取引を終え、高値778ポイント・安値765ポイントの中で推移した。米長期金利の上昇による金利感応度の高さが新興株全般の重荷となった一方、9月末の配当権利落ちの影響はプライム市場ほど強く出ず、日足一目均衡表の基準線でのサポートが確認されたことで、午後にかけては押し目買いの動きが優勢となり底堅さを維持した。

強気派 vs 弱気派

強気派: ダイヤモンドZAiによると、シティグループ証券の阪上亮太氏は「日経平均株価は9万円まで上昇する可能性もある」と最も強気な見方を示している。根拠として「米国の大手IT企業による設備投資は拡大が続いており、恩恵を受ける日本のAI・半導体株は再び相場をリードする」と説明する。ニッセイ基礎研究所の井出真吾氏も、企業の利益成長が続くとして中長期の上昇基調は維持されるとの見方を示し、サプライチェーン再編により「米国を中心に、国家安全保障にかかわるような半導体などを自国内で生産する流れが強まっており、重要部材で高い世界シェアを持つ日本のニッチトップ企業にも恩恵が及ぶ」と述べている。

弱気派: NOMURAウェルスタイルによると、野村證券の池田雄之輔氏は中東情勢の悪化後も2026年末の日経平均想定を6万円に維持しており、これは29日終値(6万5481円)を下回る水準である。同氏は、原油高を背景に決算発表シーズンに企業が慎重な利益見通しを示し株価が調整する可能性を指摘する一方、「中長期では悲観せず、押し目買いの機会とみていい」とも述べており、短期的な下振れ余地と中長期の強気姿勢を併せ持つ見方を示している。

経済ニュース

本日9月30日は3月期決算企業の中間配当の権利確定日にあたり、前日29日の権利落ちに伴う換金売りが相場の重荷となった(株式新聞Web、日本経済新聞)。個別銘柄では、ソフトバンクグループが傘下アーム株安とAI開発を巡る懸念で下落した一方、東京エレクトロンをはじめとする半導体製造装置株や、ファーストリテイリング、リクルートホールディングスといった内需・サービス株が上昇した(詳細は上記「指数別動向」を参照)。日銀の金融政策・企業物価などマクロ経済指標の詳細はecon_indicatorsを参照。

日銀・金利・為替

日銀は9月17〜18日の会合で政策金利を1.25%に引き上げており、10月以降の追加利上げ観測も引き続きくすぶっている(詳細はecon_indicatorsを参照)。日本経済新聞によると、新発10年物国債利回り(長期金利)は前日の米長期金利上昇を受けた売りで一時3.090%まで上昇し、引けは3.067%となった。同日実施された40年債入札は「強め」の結果となり、超長期ゾーンの金利上昇はやや抑えられた。為替は株式新聞Webによると、ドル・円は157円台前半で推移した。三村財務官による円安けん制の発言もあり一時157円20銭近辺まで上値を切り下げる場面があったが、値幅は限定的だった。157円台の円安は輸出関連の大型株には下支え材料となる一方、原油高と重なることで内需・輸送関連企業にはコスト増要因として意識されている。

テクニカル分析(日経225・グロース市場250指数)

外為どっとコムによる直近(9月24日時点)の分析では、日経平均は25日移動平均線(65,318円)の上で推移しており、上値メドとして心理的節目の66,000円、75日移動平均線(66,614円)、68,000円が挙げられている。下値メドは心理的節目の65,000円、10日移動平均線(64,526円)、9月14日安値(62,726円)などとされる。29日終値(65,481円)はこれら短期線の近辺にあり、25日線を上値支持線に変えつつも、75日線までは距離がある「もみ合い」の位置づけといえる。RSI(9日)は前日の35.3%から53.0%に上昇しており、買われすぎ・売られすぎの目安(70%超/30%未満)からは離れた中立圏で、方向感が出やすい水準にあるとされる。移動平均線が上向きで推移し現在値がその上にある状態は一般に「上昇トレンドが継続している」ことを示すとされるが、断定的な売買判断の材料にはならない点に留意が必要である。

東証グロース市場250指数は、財経新聞によると29日に日足一目均衡表の基準線でのサポートを確認し、4営業日続落のなかでも下値を切り下げにくい形となった。一目均衡表の基準線は、直近一定期間の高値・安値の中間値を示す指標で、その水準で下げ止まる動きは「値ごろ感からの押し目買いが入りやすい」ことを示唆するとされる。米長期金利に対する感応度の高さから、新興株全般は日経225に比べ神経質な値動きが続きやすい地合いにある。

本日の注目点

10月1日午前8時50分に日銀短観(9月調査)が発表される予定で、大企業製造業・非製造業の業況判断DIの改善基調が続くかが市場の関心事となる。ソフトバンクグループの急落を受けた傘下アーム関連や出資先オープンAI絡みの追加報道の有無、東京エレクトロンなど半導体製造装置株の堅調が続くかも焦点になる。中間配当の権利落ちに伴う戻り売り圧力が一巡するタイミングと、ドル円157円台での推移・三村財務官による口先介入の効果、国内長期金利の高止まりが東京市場の地合いに与える影響にも注意が必要となる。