前回からの変化
変わったこと(変化・新規)
- 日経平均は前回(6万4325円64銭、-2.85%)→本日6万4214円48銭(-111円16銭、-0.17%)で4日続落となったが、下落率・下落幅は前回より大幅に縮小した(財経新聞)。
- TOPIXは前回(4,081.60pt、-2.40%で反落)→本日4,102.04pt(+20.44pt、+0.50%)と一転して反発し、東証プライムの値上がり銘柄数(805)が値下がり(685)を上回った。前回の東証33業種すべて下落という全面安は解消した(世界一やさしい投資の学校)。
- 日本国債(新発10年物)利回りは前回(一時3.015%)→本日2.965%(前日比-4.5bp)と低下に転じ、前回まで続いていた金利上昇圧力は一服した(日本経済新聞)。
- ドル円は前回(160円台後半、円安方向)→本日は東京市場で157円台、NY市場では一時155円30銭まで、大幅な円高に転換した。7月31日以来続いていた円安局面から一転した(財経新聞)。
- 新規: バークシャー・ハサウェイのグレッグ・アベルCEOが日本の5大商社株を「何十年も」保有し続ける方針を改めて示したと報じられ、大手商社5社が軒並み買われてTOPIX反発の主因となった。前回までの強気材料(自社株買い・企業価値向上要請)に、海外の著名投資家の継続保有表明という新しい買い材料が加わった(日本経済新聞)。
- 新規: 日経平均の値下がり寄与度トップが前回のソフトバンクグループからファーストリテイリング(本日-3.41%)に交代した(財経新聞)。
- 新規: 日銀・高田審議委員のタカ派発言を受け、9月利上げの市場織り込みは東短リサーチの試算で97%まで上昇した。前回時点では定量的な織り込み確率(約82%)にとどまっていたが、本日はさらに切り上がった(日本経済新聞)。
- 新規: 東証グロース市場250指数は現物が4日続落(-0.18%)となる一方、先物は米長期金利低下を好感して4日ぶりに反発(+3pt)するというねじれが生じた(財経新聞)。
昨日と同じこと(継続)
- 日経平均は4日連続の下落となり、続落基調そのものは前回から継続している。
- 中東(イラン)情勢の緊迫化への警戒感は市場の一部で引き続き重荷として意識されている(財経新聞)。
- 日銀の9月利上げ観測の高まり自体は前回から継続しており、9月17・18日の会合が焦点であることも変わらない(Yahoo!ニュース)。
- AI・半導体関連株への高値警戒感、金利上昇に伴う割高感の懸念は前回に続き市場の一部で意識されている(財経新聞)。
要因の連続性
- 継続要因: 中東(イラン)情勢を巡る地政学リスク、日銀9月利上げ観測というタカ派材料、AI・半導体株の高値警戒感。
- 新規要因: (1) バークシャー・ハサウェイのアベルCEOによる商社株長期保有発言、(2) FRBウォラー理事のディスインフレ示唆・ハト派発言による米早期利上げ観測の後退、(3) ファーストリテイリング安という指数の新たな押し下げ要因。
- 解消した要因: 前回まで株安の主因だった日米長期金利の上昇は本日は一服(日本国債利回りが低下)し、160円台への円安進行も157円台への急伸で解消した。前回の東証33業種すべて下落という全面安も、本日は値上がり銘柄が値下がりを上回る形で解消した。
1. 市況サマリー
| 指数 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| 日経平均株価 | 64,214.48円 | -111.16円 | -0.17%(4日続落) |
| TOPIX | 4,102.04pt | +20.44pt | +0.50%(反発) |
| 東証グロース市場250指数 | 776.09pt | -1.39pt | -0.18%(4日続落) |
出典: 財経新聞、世界一やさしい投資の学校
2. 指数別動向
日経225
前日比111円16銭安の6万4214円48銭で4日続落し、8月4日以来約1カ月ぶりの安値水準となった。ただし東証プライムの値上がり銘柄数(805)が値下がり(685)を上回っており、指数の下落は個別銘柄の偏りによるところが大きい。値下がり寄与度トップはファーストリテイリングで、株価は3.41%下落しアドバンテストと合わせて2銘柄で約255円分の押し下げ要因となった。一方でバークシャー・ハサウェイのアベルCEOが日本の商社株の長期保有方針を改めて示したことを受け、三菱商事をはじめ大手商社株が軒並み買われ、下値を支えた(財経新聞、日本経済新聞)。
グロース市場250指数
現物指数は776.09pt(-1.39pt、-0.18%)で4日続落となった一方、先物は高値784pt・安値769ptのレンジで776pt(+3pt)と4日ぶりに反発するねじれが生じた。前日のNYダウ反発とニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁のハト派発言による米長期金利低下が支援材料となったが、金利がなお高水準にあることや日足パラボリックの陰転は売り材料視された。この日の夜に米ウォラーFRB理事やクリーブランド連銀ハマック総裁の発言を控え、売り手にも様子見姿勢が広がったことも反発を後押しした(財経新聞)。
補足: TOPIX
4,102.04pt(+20.44pt、+0.50%)で反発した。値上がり銘柄数は805、値下がりは685で、値上がりが優勢だった。業種別では卸売業(商社株)、電気・ガス業、海運業、石油・石炭製品、保険業が上昇率上位となる一方、鉱業、非鉄金属、食料品、不動産業などが下落した。バークシャー・ハサウェイのアベルCEOによる商社株長期保有発言を受けた大手商社5社の上昇が、指数全体を押し上げる主因となった(世界一やさしい投資の学校)。
3. 強気派 vs 弱気派
強気派
- バークシャー・ハサウェイのグレッグ・アベルCEOは、傘下で保有する日本の5大商社株について「何十年も」保有を続ける方針を改めて示した。この発言を受けて三菱商事など大手商社5社が軒並み買われ、市場心理の支援材料となったと日本経済新聞が報じた(日本経済新聞)。
- 好業績を背景にした日本株の先高期待も一部で押し目買いを誘ったと財経新聞のコラムが伝えている(財経新聞)。
弱気派
- 財経新聞のコラム「相場展望9月3日号」で中島義之氏は、日経平均は「柔らかい地盤の上に建っている」と指摘し、支えは海外短期筋の先物買いにとどまるとの見方を示した。AI・半導体関連株が金利上昇による割高感から相場の重荷になり始めているほか、中東情勢の緊張長期化や米国の利上げ観測の根強さが継続的な懸念材料だとし、「海外短期筋の動向次第で日経平均は再び売られる展開もあり得る」と警告した(財経新聞)。
- 前日9月2日には日経平均が1,889円安と急落し、東証プライムの9割超の銘柄が値下がりする全面安となったことから、市場の一部では相場の不安定さそのものへの警戒が続いているとも指摘されている(財経新聞)。
4. 経済ニュース
経済指標・政策
- 本レポート作成時点で、9月3日に発表された国内主要経済指標(GDP・CPI・日銀短観・機械受注・貿易統計など)の確定情報は確認できなかった。
- 米国では週次の新規失業保険申請件数の増加、7月の貿易赤字拡大、単位労働コスト確定値の予想外の下方修正など、労働・物価関連の指標が想定より弱い結果となり、ドル売りが加速する一因となった(財経新聞)。
- 米連邦準備理事会のウォラー理事は「ディスインフレの兆候が見られ始めた」と述べ、政策金利の据え置きを支持する姿勢を示し、市場では米国の早期利上げ観測が後退した(財経新聞)。
注目された個別銘柄
- ファーストリテイリング: 3.41%下落。日経平均の値下がり寄与度トップとなった。
- アドバンテスト: 日経平均の値下がり寄与度2位。ファーストリテイリングと合わせて2銘柄で約255円分の押し下げ要因となった。
- 三菱商事など大手商社株: バークシャー・ハサウェイのアベルCEOによる長期保有発言を受け、5社そろって上昇した。
- ニトリホールディングス: 前日比254円高(+8.41%)の3,275円。夏のセールやCM効果による増収発表が好感された。 出典: 財経新聞、日本経済新聞
5. 日銀・金利・為替
日銀
高田創審議委員は9月2日の記者会見で、金融政策運営について「一定のペースにとらわれず機動的に利上げを行う新たな局面」との見方を改めて示し、2024年3月以降およそ半年ごとに決めてきた利上げについて「連続になることも一般論としてあり得る」と述べた。人工知能(AI)関連の需要増などを理由に物価の上振れリスクが高まっていると指摘した。この発言を受け、東短リサーチによる9月の利上げ確率の試算は97%まで上昇した。次回の金融政策決定会合は9月17・18日で、日銀は0.25%の利上げ・政策金利1.25%への引き上げを想定しているとロイターが関係者の話として報じている(日本経済新聞、Yahoo!ニュース)。
金利
日本国債(新発10年物)の利回りは2.965%となり、前日比4.5ベーシスポイント低下した。前回時点の一時3.015%から低下に転じ、金利上昇圧力は一服した(日本経済新聞)。
為替
ドル円は東京市場で157円台まで急伸し、前日の160円台後半から3円以上の円高となった。ニューヨーク市場ではさらに円買いが進み、一時155円30銭まで下落する場面があった。背景には、米国の新規失業保険申請件数増加や貿易赤字拡大など弱い経済指標に加え、FRBウォラー理事のディスインフレ示唆・ハト派発言で米国の早期利上げ観測が後退したことがある。一方で日銀が9月会合で0.25%の利上げに動くとの観測が強まっていることも、日米金利差縮小の思惑から円買いを後押しした(財経新聞)。輸出関連株には円高が逆風となる一方、内需株には追い風となる構図が意識されている。
6. テクニカル分析
日経225
終値6万4214円48銭は一目均衡表の基準線(6万5028円)および100日移動平均線(6万4985円)を下回る水準にとどまった。25日移動平均線は6万5941円、50日移動平均線は6万6717円、200日移動平均線は5万8910円で、いずれも現在値を上回っており、短期的には上値の重い展開が続いている。RSI(9日)は前日の25.7%から26.4%に小幅上昇したものの、なお売られすぎとされる水準に近い。8月の戻り高値(6万9608円)からの調整は、中段でのもみ合いから一段安に進む可能性を示唆するとされる。上値メドは100日線・25日線(6万5941円)・50日線(6万6717円)・6万7000円・6万8000円、下値メドは6万3000円・6万2000円・7月29日安値(6万448円)・6万円・200日線(5万8910円)とされる。日経平均ボラティリティー・インデックス(日経平均VI)は前日比2.77ポイント高の28.32(+10.84%)に上昇し、警戒感が緩んでいないことを示した(外為どっとコム、財経新聞)。
グロース市場250指数
先物は高値784pt・安値769ptのレンジで776pt(+3pt)と4日ぶりに反発したが、現物指数は776.09pt(-0.18%)で4日続落と方向感が分かれた。金利がなお高水準にあることや日足パラボリックの陰転は上値を抑える材料とされ、方向性を欠く神経質な値動きが続いている状態が示唆される(財経新聞)。
7. 本日の注目点
- 米国では日本時間9月4日21時30分に8月分の雇用統計が発表される予定。非農業部門雇用者数(NFP)は5万人台半ばの増加が予想されており、7月分が予想を大きく下回る2.3万人減だっただけに、9月FOMC直前の指標として反応が大きくなる可能性がある。結果次第で日米金利差やドル円の動向が大きく振れうる(oanda)。
- 日銀は9月17・18日の金融政策決定会合で0.25%の利上げ・政策金利1.25%への引き上げを想定していると報じられており、高田審議委員のタカ派発言を受けて市場の織り込みは97%まで上昇している。会合までの要人発言や経済指標が、利上げペースを巡る思惑をさらに左右しそうだ。
- ドル円は東京市場で157円台、NY市場では155円台まで急伸しており、財務省の介入警戒ラインとされてきた160円台からの円高進行が続くかが焦点。
- 日経平均が一目均衡表の基準線・100日線を下回っている中、下値メドとされる6万3000円・6万2000円を試す展開になるか、売られすぎ感からの自律反発が入るかが注目される。
- 東証グロース市場250指数は現物と先物で方向感が分かれており、金利動向次第で振れやすい地合いが続きそうだ。
- バークシャー・ハサウェイのアベルCEO発言を受けた商社株買いが継続するか、他の高配当・バリュー株へ物色が広がるかが注目される。
- 本レポート作成時点で、9月4日固有の国内決算発表・新規上場に関する確定情報は確認できなかった。

