前回からの変化
変わったこと(変化・新規)
- 日経平均は前回(66,215.34円)→本日64,325.64円(-1,889.70円、-2.85%)で3日連続の下落。下落率・下落幅とも8月4日以来の大きさで、前回の-0.15%から一段と加速した(世界一やさしい投資の学校)。
- TOPIXは前回(4,181.86pt、+0.62%で9営業日続伸)→本日4,081.60pt(-100.26pt、-2.40%)と一転して反落し、9営業日続伸が途切れた。前回まで続いていた「日経平均下落・TOPIX続伸」というねじれ現象は解消し、指数がそろって下落する方向にそろった(世界一やさしい投資の学校)。
- 東証グロース市場250指数は前回(800.09pt、-1.47%)→本日777.48pt(-22.61pt、-2.83%)で3日連続の下落。下落率は前回よりさらに拡大した(財経新聞)。
- 新規: 東証33業種すべてが値下がりし、値上がり業種はゼロとなった。前回はバリュー株(電気・ガス等)への資金シフトが目立ったが、本日はバリュー株を含め全面安となり、物色構図が後退した(世界一やさしい投資の学校)。
- 新規: 日銀・高田創審議委員が9月2日の札幌講演で「一定のペースにとらわれず機動的に利上げを行う新たな局面」との見方を示し、一般論として「連続利上げもあり得る」と踏み込んだ。前回時点では9月利上げ確率の定量データ(約82%)にとどまっていたが、本日はタカ派度を強める具体的な発言が加わった(日本銀行)。
- 日本国債(新発10年物)の利回りは前回の一時3.000%(1996年以来の水準)→本日は一時3.015%まで上昇し、前回からさらに切り上がった(財経新聞)。
- 新規: 世界的な金利上昇の後に株価が急落した1987年の「ブラックマンデー」再来を懸念する声が市場の一部で出始めたと報じられた(日本経済新聞)。
- ドル円は前回の160.27円(NY市場)→本日も160円台後半で推移し、7月31日以来の高値を付けた。水準としては前回とほぼ同じ高値圏での高止まりとなった(外為どっとコム)。
昨日と同じこと(継続)
- 米国によるイラン革命防衛隊拠点への攻撃を受けた地政学リスクの高まりと、これに伴う原油高(WTI原油は続伸し1バレル90ドル台)は前回に続き相場の重荷となった。
- 日銀9月利上げ観測の高まりは継続。金利スワップ市場の織り込みは高水準が続いている。
- 160円台での為替介入への警戒感は継続している。
要因の連続性
- 継続要因: イラン情勢の緊迫化・原油高、日米長期金利の上昇、日銀9月利上げ観測。
- 新規要因: (1) 東証33業種すべてが下落するという売りの広がり、(2) 日銀・高田審議委員の「連続利上げもあり得る」というタカ派発言、(3) 1987年ブラックマンデー再来を懸念する声の広がり。
- 解消した要因: 日経平均下落とTOPIX続伸という前回までの「ねじれ」は解消し、指数がそろって下落する構図に転換した。AI・半導体からバリュー株への資金シフトという物色構図も、本日は全面安の中で後退した。
1. 市況サマリー
| 指数 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| 日経平均株価 | 64,325.64円 | -1,889.70円 | -2.85%(3日続落) |
| TOPIX | 4,081.60pt | -100.26pt | -2.40%(9営業日続伸が途切れ反落) |
| 東証グロース市場250指数 | 777.48pt | -22.61pt | -2.83%(3日続落) |
出典: 世界一やさしい投資の学校、財経新聞
2. 指数別動向
日経225
前日比1,889円70銭安の64,325.64円で3日連続の下落となり、8月4日以来の安値水準に沈んだ。米中央軍によるイラン革命防衛隊拠点への攻撃発表を受け、WTI原油先物が5%超急伸して1バレル90ドル台に乗せたことでインフレ懸念が強まり、日米の長期金利がそろって上昇したことが重荷となった。値下がり寄与度トップはソフトバンクグループで単独で約272円押し下げ、アドバンテストと合わせて2銘柄で約474円分の押し下げ要因となった(財経新聞、世界一やさしい投資の学校)。
グロース市場250指数
777.48pt(-22.61pt、-2.83%)で3日連続の下落。先物は高値786pt・安値771ptのレンジで773ptと22pt安引けとなった。新発10年債利回りが3.015%まで上昇したことで新興企業の資金調達コスト増への警戒が強まったほか、原油価格高騰やダウ先物の時間外下落も嫌気された(財経新聞)。
補足: TOPIX
4,081.60pt(-100.26pt、-2.40%)で、8月18日から続いていた9営業日連続の上昇が途切れて反落した。東証33業種はすべて値下がりし、値上がり業種はゼロとなった。下落率上位は非鉄金属(-5.04%)、サービス業(-4.15%)、ガラス・土石製品(-4.00%)で、前日まで買われていた電気・ガスなどのバリュー株も含めて全面安となった(世界一やさしい投資の学校)。
3. 強気派 vs 弱気派
強気派
- 野村證券の岡崎康平氏は、長期金利が3%台に上昇したことについて「本当に日本経済が2%インフレ目標を安定的に達成できるならば、長期金利が3.0%程度でもあまり違和感はない」と述べ、インフレ率2%に潜在成長率とターム・プレミアムを加味すれば正常な金利上昇の範囲に収まるとの見方を示した。本日の株安についても、国内の金利上昇そのものよりも米国とイランの軍事衝突・原油高というグローバル要因が根本的な原因だと分析している(NOMURAウェルスタイル)。
- 財経新聞が伝える継続的な強気材料として、企業による活発な自社株買いや、東京証券取引所による上場企業への企業価値向上要請が引き続き挙げられている(財経新聞)。
弱気派
- 前日のNY市場ではダウ平均が419.02ドル安の52,766.88ドル、ナスダック総合指数が271.12ポイント安の26,099.77、SOX指数が246.44ポイント安の11,288.61と軒並み下落し、対イラン紛争激化による原油高が警戒された(財経新聞)。
- 日本経済新聞は、インフレ加速や財政拡大への懸念から世界的に金利の先高観が強まっていることを背景に、市場の一部で世界的な金利上昇後に株価が暴落した1987年の「ブラックマンデー」再来を懸念する声が出始めていると報じた(日本経済新聞)。
4. 経済ニュース
経済指標・政策
- 本レポート作成時点で、前日(9月2日)〜本日(9月3日)に発表された国内主要経済指標(GDP・CPI・日銀短観・機械受注・貿易統計など)の確定情報は確認できなかった。
- 米国では9月2日に8月のADP全米雇用統計が発表され、民間部門の雇用者数は前月比3万8千人増と、市場予想の4万8千人増を下回った(前回値は4万4千人増に上方修正)(外為どっとコム)。
注目された個別銘柄
- ソフトバンクグループ: -6.42%(4,924円)。日経平均の値下がり寄与度トップで、単独で約272円押し下げた。
- アドバンテスト: 日経平均の値下がり寄与度2位。半導体製造装置株が長期金利上昇と米国株安を受けて売られた。
- 東京エレクトロン: 日経平均の値下がり寄与度3位。ハイテク株全般に利益確定売りが膨らんだ。
- リクルートホールディングス・TDK: 値下がり寄与度上位に並んだ。 出典: 財経新聞、世界一やさしい投資の学校
5. 日銀・金利・為替
日銀
高田創審議委員は9月2日、札幌での金融経済懇談会で「一定のペースにとらわれず機動的に利上げを行う新たな局面」との見方を示した。人工知能(AI)関連の需要増などを理由に物価の上振れリスクが高まっていると指摘し、2026年は「物価の上振れをより重視した議論が必要」と強調。欧州中央銀行(ECB)の6月利上げや米連邦準備理事会(FRB)の利上げへの政策転換を「号砲」と表現し、一般論として連続利上げもあり得るとの考えを示した。翌3日(本日)には記者会見が予定されている(日本銀行)。
金利
日本国債(新発10年物)の利回りは3.015%まで上昇し、前回時点の一時3.000%からさらに切り上がった。金利上昇は本日の株安の主因の一つとなり、特に金利感応度の高いグロース株の重荷となった(財経新聞)。
為替
ドル円は米中央軍のイラン攻撃発表を受けた「有事のドル買い」で160円台を回復し、7月31日以来の高値を付けた。米8月ADP雇用統計が市場予想を下回った直後は159円60銭付近まで軟化する場面もあったが、その後は原油高・地政学リスクを背景にドル買いが優勢となった。財務省の防衛ラインとみられる160円を巡る攻防と、追加の為替介入への警戒感が引き続き強い(外為どっとコム)。
6. テクニカル分析
日経225
終値で100日移動平均線(64,906円)を下回った。5日線・25日線(65,830円)は上向きを保っていたものの、ローソク足は窓を空けて陰線となり売り圧力の強まりを示した。50日線66,828円、13週線66,855円、26週線62,992円。RSI(9日)は前日の65.3%から25.7%へ急低下し、売られすぎとされる水準まで接近した。一目均衡表では株価が雲の下限・基準線(65,028円)を下回り、雲がねじれるタイミングと重なったことで売り手優勢を示唆している。上値メドは100日線・基準線・25日線・66,000円・50日線・13週線・68,000円・69,000円(8月14日高値69,608円)、下値メドは63,000円・26週線(62,992円)・62,000円・7月29日安値(60,448円)とされる(外為どっとコム)。
グロース市場250指数
先物は5日移動平均線・日足ボリンジャーバンドを下回る水準での推移が続き、高値786pt・安値771ptのレンジで773pt(-22pt)と3日続落で引けた。長期金利の3%台定着による新興企業の資金調達コスト増への警戒に加え、原油高・米国株安が重なり、下値模索の売りが強まっている状態が続いている(財経新聞)。
7. 本日の注目点
- 日銀・高田創審議委員が本日9月3日に記者会見を行う予定。前日の講演で示した「連続利上げもあり得る」というタカ派姿勢をさらに踏み込むかが焦点。
- 米国では9月4日に8月分の雇用統計の発表を控えており、前日発表のADP雇用統計が予想を下回ったことを受け、結果次第で日米金利差・ドル円動向が大きく振れる可能性がある。
- イラン情勢: ホルムズ海峡を巡る原油供給リスクの継続や、米国・イラン双方の追加対応の有無が、原油価格・世界株式全般を通じて日本株にも波及し得る。
- 日経平均が終値で100日線を下回ったことを受け、下値目途とされる63,000円や26週線(62,992円)を意識する展開になるか、あるいは売られすぎ感からの自律反発が入るかが焦点。
- TOPIXの9営業日続伸が途切れたことで、バリュー株物色が継続するか、全面安が一段と広がるかが問われる局面。
- 本レポート作成時点で、9月3日固有の国内決算発表・新規上場に関する確定情報は確認できなかった。

