前回からの変化
前日(2026-10-15)との比較である。前回は14日のCPI後に159円手前へ急伸しながら200日線を維持できず、158円台前半へ戻した場面を伝え、15日夜の米小売売上高と米PPIを焦点に挙げていた。
変わったこと(変化・新規)
- 前回の焦点だった米9月PPIは前月比1.3パーセント上昇(予想0.6パーセント、8月0.5パーセント)と大きく上振れ、小売売上高は前月比0.8パーセント増(8月1.3パーセント増から鈍化、予想は上回る)だった。それでもドル円の反応は限定的で、NY時間に157円55銭まで下げた後、158円25銭まで戻して引けた(ザイFX!: NY為替・原油概況、ザイFX!: 市場反応)
- 東京時間は前日の上昇が巻き戻され、米10年債利回りの低下を受けてドル売りが優勢となり、157円58銭付近まで下落した(みんかぶFX: 東京為替概況)
- ユーロドルは前回の1.11ドル台前半から1.12ドル台へ、ポンドドルは1.31ドル台半ばから1.32ドル台後半へ戻し、前日割り込んだ1.12ドルと1.32ドルを回復した
昨日と同じこと(継続)
- 159円手前では上値が重く、200日線(158円台半ば)を明確に上回れない構図が続いた(みんかぶFX: NY為替概況)
- 新たな為替介入の事実は確認されていない
- 原油高(中東情勢)を背景とした円安圧力と、日米の金利差という構図は続いている
要因の連続性
- 継続要因: 介入への警戒感と200日線という上値の節目、原油高によるインフレ懸念
- 新規要因: 景気や信用不安を意識した米国債買いによる米長期金利の低下(5.15パーセント台から5.07パーセント台)。PPIの内訳でコア指数は比較的落ち着いているとの見方が出て、利上げ継続の期待が弱まった
- 解消した要因: 前回の焦点だった米PPI・小売売上高の発表待ちというムードは解消した
為替サマリー
| 通貨ペア | 15日NY終盤 | 15日の値幅 | 前回(14日) |
|---|---|---|---|
| ドル円 | 158円25銭 | 157円55銭〜158円25銭 | 158円台前半 |
| ユーロドル | 1.1224ドル | 1.1188〜1.1224ドル | 1.11ドル台前半 |
| ポンドドル | 1.3278ドル | 1.3231〜1.3278ドル | 1.31ドル台半ば |
| スイスフラン(ドル) | 0.8265フラン | 0.8265〜0.8317フラン | 確認できず |
水準は16日午前6時時点の報道による(ザイFX!: NY為替・原油概況)。ドル円の終値は報道により158円15銭〜25銭の幅がある。ユーロ円、ドル指数、人民元、韓国ウォンは信頼できる数値を確認できなかった。
ドル円の動き
東京時間は、前日のCPI後の上昇が巻き戻された。米10年債利回りの低下でドル売りが優勢となり、午前中に157円58銭付近の安値をつけた。アジア株、とくに半導体株の下落でリスク回避ムードも出た。午後は米債利回りが落ち着いて小幅に戻した(みんかぶFX: 東京為替概況)。
ロンドン時間は157円台後半で推移し、ドル売りの勢いは落ち着いた。米10年債利回りは5.15パーセント台から5.07パーセント台まで低下し、市場はNY時間のPPIと小売売上高を見極めようとするムードだった(みんかぶFX: ロンドン為替概況)。
NY時間は、米PPIが予想を上回って一時158円10銭台へ切り返したが、小売売上高の鈍化や、世界的なAIブームを巡る信用不安から安全資産として米国債が買われ、再び157円台へ下落した。その後は下値の買いが根強く、158円台に戻して引けた(みんかぶFX: NY為替概況)。一般に、物価上振れは利上げ観測を通じてドル高要因となるが、この日は景気への影響を意識した債券買いが勝った形である。
その他の主要通貨
- ユーロ: ユーロドルは1.1188ドルまで弱含んだ後、1.1224ドルまで上昇して引けた。東京時間は1.1150ドルから1.1241ドルへ上昇した。ユーロ円は買い戻された(みんかぶFX: NY為替概況、みんかぶFX: 東京為替概況)
- ポンド: ポンドドルは1.3231ドルまで下げた後、1.3278ドルまで上昇した。英月次GDPが予想外のプラス成長となったが、ポンドの反応は限定的だった。ポンド円は210円近くまで買い戻された
- スイスフラン: ドル・スイスフランは0.8317フランまで上昇後、0.8265フランへ下げた
- 豪ドル・アジア通貨: 信頼できる数値を確認できなかった
当局の姿勢と介入
15日に新たな為替介入の事実や、財務相・財務官・日銀総裁の新しい為替発言は確認できなかった。東京時間の概況には、日米当局の円安への警戒が159円手前の上値を抑えているとの見方が示されている。これは市場の観測であり、当局の関与を示す事実ではない。
FRB側では、サンフランシスコ連銀のデイリー総裁が、追加利上げがいずれ必要になる可能性はあるが直ちに必要とは限らないとの趣旨を述べたと報じられている(みんかぶFX: ドル下落)。
ポジションと相場観
金利先物市場では、CPI後に高まった利上げ観測がやや後退し、10月は据え置きが主流で、次の利上げ時期は12月が有力との見方が示されている(みんかぶFX: ドル下落)。同記事は、ヘッジファンドがユーロなど複数の通貨に対するドルの買い持ちを手仕舞ったとも伝えている。ただし具体的な数値は示されておらず、IMMなどの公式ポジションではない。
CFTCの新しいデータは確認できなかった。発言者の特定できる円高派・円安派の新しい主張も確認できなかった。円安は輸入物価を通じて家計の負担を増やす一方、輸出企業の業績や海外資産の円換算額には追い風となる。円高は、その逆の影響が出る。
テクニカル分析(ドル円)
200日移動平均線(過去200日の終値の平均で、長期の方向を見る指標)は158円台半ばにあり、ドル円は14日のCPI後に上回った分を失い、15日は下回って推移した。この線を再び明確に上抜けるかが焦点で、上抜ければ159円台が意識され、下回ったままなら157円台後半から158円台前半のもみ合いが続きやすい(市場の見方)(みんかぶFX: NY為替概況)。RSIなどの最新値は確認できなかった。
今夜の注目イベント
16日(金)の日本時間今夜に予定されている為替を動かしうる指標発表や中銀高官の講演は、確認できる範囲では把握できなかった。週末前のポジション調整のほか、原油相場と中東情勢の報道、米長期金利の動きが円相場の材料になりうる。前回挙げた米PPIと小売売上高の結果は、上記のとおりドル円の反応は限定的だった。

