前回からの変化
前回(2026-10-15付、10月14日の取引)との比較である。
変わったこと(変化・新規)
- S&P500は前回の7,718.94から7,744.06へ25.12ポイント(0.3%)上昇した。NYダウは51,621.48ドルから52,177.69ドルへ556.21ドル(1.1%)上昇し、ナスダック総合は26,692.87から26,713.03へ0.1%の小幅高となった(AP通信)
- 前回「予定」だった9月の米PPIと小売売上高が発表された。PPIは前月比1.3%上昇、前年比6.3%上昇と予想を大きく上回り、小売売上高も前月比0.8%増で予想の0.3%増を上回った(Investrade)
- 前回急落したAI関連株のうち、CoreWeaveは約6%高と反発した。ジェンセン・ファンCEOが資本コストは下がっていると述べたことが買い材料になった(TradingKey)
- 米10年債利回りは前回の5.206%から5.086%へ低下した(前日比13ベーシスポイント低下)
昨日と同じこと(継続)
- 半導体株の弱さが続いた。フィラデルフィア半導体株指数は0.88%安で、連日の下落となった
- 防衛株(ヘルスケア・生活必需品)の強さが続き、ヘルスケアは2.25%上昇して過去最高水準をつけた
- 年初来では3指数とも上昇を保つ(S&P500は13.1%高、ナスダック総合は14.9%高)
要因の連続性
- 継続要因: インフレ指標の上振れによる利上げ観測と、AIインフラ投資の資金調達コストへの警戒は前回から続いた
- 新規要因: PPIと小売売上高の予想超え、米長期金利の低下による住宅関連株の買い、CoreWeaveへのエヌビディアCEOの発言
- 解消した要因: 前回の焦点だったPPI・小売売上高の発表待ちは解消した
市況サマリー
| 指数 | 終値 | 騰落率 | 前回終値 |
|---|---|---|---|
| S&P500 | 7,744.06 | 0.3%高 | 7,718.94 |
| NASDAQ総合 | 26,713.03 | 0.1%高 | 26,692.87 |
| NYダウ | 52,177.69 | 1.1%高 | 51,621.48 |
| ラッセル2000 | 2,767.27 | 1.4%高 | 2,729.53 |
取得時点は2026年10月15日のNY市場引け値(AP通信)。週間ではS&P500が0.9%安、ダウが1.0%高、ナスダックが2.4%安となった。ナスダック100の終値は確認できなかったため、ナスダック総合を記載する。
指数別動向
S&P500
S&P500は朝方の下げから戻して0.3%高で引けた。AP通信は、アジア市場でAIの勢いを懸念する報道が広がり朝方は売られたが、AI株が下げ幅を縮め、企業決算が支えたと伝えている(AP通信)。先週つけた史上最高値に近づいた。
ナスダック100
ナスダック総合は0.1%高とほぼ横ばいだった。エヌビディアは1.8%安、TSMCは1.8%安で、マイクロンは1.9%高と分かれた。メタがオープンウェイトのAIモデルを公表し、グーグルは量子コンピューターの誤り率を40分の1に減らしたと発表した(TradingKey)。ナスダック100の騰落率は確認できなかった。
NYダウ
NYダウは556ドル高の5万2,177.69ドルと大きく上昇した。ヘルスケアと生活必需品に資金が向かい、金融株も上昇した。BNYメロンが予想を上回る決算を出した(Investrade)。
強気派 vs 弱気派
強気派: JPモルガンは、メモリー半導体株の押しを「中期的な買い場」とみていると伝えられている(TradingKey)。ジェンセン・ファンCEO(エヌビディア)は、CoreWeaveの資本コストは実際に下がっていると述べた(Yahoo Finance)。ただしファン氏は当事者であり、ポジショントークの可能性がある。
弱気派・警戒派: サクソバンクのニール・ウィルソン氏は、AI設備投資への不安、割高な評価、インフレと金利が重なり、投資家が逃げ込んだと指摘した(CNN)。CoreWeaveのCDS(債務不履行に備える保険料)は、5年内の債務不履行確率を約60%と織り込む水準にとどまる(Yahoo Finance)。強気・弱気とも3サイト以上の網羅はできていない。
経済ニュース
9月のPPIは前月比1.3%上昇、前年比6.3%上昇と、前月比では2022年3月以来の大きさになった(予想は前月比0.5〜0.6%上昇、前年比5.3%上昇)。小売売上高は前月比0.8%増(予想0.3%増)、NY連銀製造業景況指数は25.5(予想10.25)、新規失業保険申請は19.9万件(予想20.0万件)だった(Investrade、TradingKey)。
利上げ観測について、CME FedWatchの10月会合での0.25ポイント利上げ確率は一時約50%に近づき、その後は約30%へ戻ったと伝えられている(CNN)。
個別では、TSMCの7〜9月期純利益は7,630億台湾ドルと前年同期比69%増で過去最高となったが、株価は2%安だった。BNYメロンは1株利益2.37ドル(予想2.27ドル)、キンバリークラークは通期見通しを据え置いた(Investrade)。
金利・為替が株に効いた分
米10年債利回りは5.086%と前日比13ベーシスポイント低下した。金利低下が追い風となり、住宅建設株が買われた。一方、AIインフラ企業は借り入れコストの高さが重しとなっている(Yahoo Finance)。ユーロドルは0.48%高の1.1211ドルとドル安に振れた(詳細はfxを参照)。商品では、金が1.5%高の4,170.10ドル、WTI原油が3.0%高の97.97ドルだった(詳細はcommodityを参照)。
テクニカル分析(S&P500・ナスダック100・NYダウ)
移動平均線(50日・200日)、RSI、VIXの数値は、今回の出典では確認できなかった(未確認)。確認できる範囲では、S&P500は7,744.06と先週の史上最高値に近づき、大きな崩れには至っていない。一方でフィラデルフィア半導体株指数は連日下落しており、ハイテク主導の相場の勢いは弱いとされる。ナスダックは週間で2.4%安と調整色が強く、ダウとの値動きの差が目立つ。断定的な売買推奨ではない。
今夜の注目イベント
16日(金)の米国の主要な経済指標や注目決算は、今回の出典では確認できなかった。引き続き、AI関連企業の資金調達をめぐる動き、半導体株の下げ止まり、利上げ観測の変化に注意が必要である。TSMCの決算を受けたアジアの半導体株の反応も、米国時間の寄り付きを左右する可能性がある(CNN)。
