前回からの変化
前日(2026-10-16)との比較である。前回は15日のNY終盤で158円25銭付近、米PPI上振れへの反応が限定的だった場面を伝え、16日は据え置き観測と12月の利上げが焦点との見方を示していた。
変わったこと(変化・新規)
- ドル円は15日の158円25銭付近から、16日は157円70銭まで下げ、158円03銭前後で引けた。わずかに約20銭の円高にとどまる(ザイFX!: 4時概況、みんかぶFX: NY為替概況)
- 東京時間に、ウォーシュFRB議長が「次回会合を予断しない」「事前に打つ手を示すことには同意しない」と述べ、早期の追加利上げ観測が後退してドル売りが進んだ(みんかぶFX: 東京為替概況)
- NY時間の後半、原油が3.5パーセント高の101.41ドルへ急伸し、米長期金利の低下が一服してドル売りが和らいだ(ザイFX!: NY為替・原油概況)
- 米株はダウ平均が0.3パーセント安の5万2002ドルにとどまる一方、ナスダックは2.1パーセント下落した(みんかぶFX: ダウ平均終値)
昨日と同じこと(継続)
- 158円前後を中心としたもみ合いが続き、159円には届かなかった
- 新たな為替介入の事実は確認されていない
- 原油高と中東情勢を背景とした円安圧力、日米の金利差という構図は続いている
要因の連続性
- 継続要因: 原油高によるインフレ懸念と、それを受けた米長期金利の高止まり。介入への警戒感が上値を抑える構図も続いている
- 新規要因: ウォーシュFRB議長が政策の方向性を示さなかったことによる利上げ観測の後退(ドル売り要因)。また日銀の植田総裁の講演(内田副総裁が代読と報じられた)に新味はなく、日米中銀の早期追加利上げ観測に冷水が浴びせられたと伝えられた
- 解消した要因: 前回の焦点だった米PPIと小売売上高の発表待ちというムードは解消した
為替サマリー
| 通貨ペア | 16日NY終盤 | 16日の値幅 | 前回(15日終盤) |
|---|---|---|---|
| ドル円 | 158円05銭 | 157円70銭〜158円34銭 | 158円25銭付近 |
| ユーロドル | 1.1233ドル | 1.1208〜1.1269ドル | 1.1224ドル |
| ユーロ円 | 177円54銭 | 177円15銭〜177円97銭 | 確認できず |
| ポンドドル | 1.331ドル前後 | 1.3268〜1.3372ドル | 1.3278ドル |
水準は17日午前4時台時点の報道による(ザイFX!: 4時概況、ザイFX!: NY為替・原油概況)。ドル円の終値は報道により158円03〜05銭と幅がある。前日比はドル円で約マイナス20銭(約0.1パーセント)。ドル指数、人民元、韓国ウォンは信頼できる数値を確認できなかった。
ドル円の動き
東京時間は、ウォーシュFRB議長の発言を受けてドル安が進み、ドル円は157円80銭前後で推移した。議長は事前に打つ手を示すことに同意しないと述べ、これは就任当時からのスタンスと報じられた(みんかぶFX: 東京為替概況)。
ロンドン時間は、157円80銭から158円18銭のレンジで推移した。議長が政策の方向性に触れなかったことで早期利上げ観測が後退し、ドル売りが続いた。日銀の植田総裁の講演は従来の利上げ姿勢と変わらず、円の買いには結びつかなかったと伝えられている(みんかぶFX: ロンドン為替概況)。
NY時間の前半は米債利回りの上昇が一服してドル売りが優勢となり、157円70銭まで下げた。その後、原油先物が急伸して米長期金利が持ち直し、158円34銭まで買い戻された。引けにかけては週末で参加者が減り、158円前後でやや伸び悩んだ(みんかぶFX: NY為替概況、ザイFX!: 4時概況)。米10年債利回りは一時5.13パーセントから5.06パーセントへ低下したと報じられている(ザイFX!: 24時概況)。
その他の主要通貨
- ユーロ: ユーロドルは1.1208ドルから1.1269ドルのレンジで、1.12ドル台前半から半ばで引けた。ユーロ円は177円15銭から177円97銭で推移した(ザイFX!: 24時概況)
- ポンド: ポンドドルは1.3372ドルまで上昇した後、1.3309ドルへ押し戻された(ザイFX!: NY為替・原油概況)
- スイスフラン: ドル・スイスフランは0.8218フランまで下げた後、0.8260フランへ戻した
- 豪ドル: 東京時間に豪ドルドルは0.6948ドル前後だった(みんかぶFX: 東京為替概況)
- アジア通貨: 信頼できる数値を確認できなかった
当局の姿勢と介入
16日に新たな為替介入の事実や、財務相・財務官の新しい為替発言は確認できなかった。
FRBのウォーシュ議長は、次回会合を予断せず、事前に打つ手を示すことには同意しないと述べた。市場ではこれが早期利上げ観測への冷水になったと受け止められ、10月FOMCでの追加利上げ観測がさらに後退したと報じられた(みんかぶFX: 東京為替概況、ザイFX!: NY為替・原油概況)。日銀の植田総裁の講演は、従来の姿勢から新しい材料はなかったと伝えられている。
ポジションと相場観
NY原油先物は中東情勢の緊迫を背景に急伸し、報道では原油高が米長期金利を押し上げ、ドルの下支えになったとされる(みんかぶFX: NY為替概況)。一方、ロンドン時間には、日米中銀の早期追加利上げ観測が後退したことがドル売り・円売りの両方を誘ったとの見方が示された(みんかぶFX: ロンドン為替概況)。
CFTCの新しいデータや、発言者の特定できる円高派・円安派の新しい主張は確認できなかった。円安は輸入物価を通じて家計の負担を増やす一方、輸出企業の業績や海外資産の円換算額には追い風となる。円高は、その逆の影響が出る。
テクニカル分析(ドル円)
NY時間のピボットポイント(前日の高値・安値・終値から算出する、売買の目安となる水準)は157円96銭で、上値の目処は158円21銭と158円44銭、下値の目処は157円73銭と157円48銭と示された(みんかぶFX: ピボット)。前日安値の157円55銭付近が下値の支えになったとの報道もある(ザイFX!: 24時概況)。移動平均線やRSIの最新値は確認できなかった。
今夜の注目イベント
17日は土曜日で、主要な為替市場は休場となり、今夜予定される為替を動かす指標発表は確認できなかった。週明けは、原油相場と中東情勢の報道、米長期金利の動きが円相場の材料になりうる。前回挙げた「10月は据え置きで12月が焦点」との見方は、今回のウォーシュ議長の発言で利上げ観測がさらに後退した形となった。

