前回からの変化

前回(2026-10-12)との比較である。前回は9日のNY終値158円31銭を最新値として、12日の週明けの見通しを整理した。12日は東京市場が祝日、米債券市場が休場だった。

変わったこと(変化・新規)

  • 前回の「今夜の注目イベント」は、主要な指標発表のない流動性の薄い一日だった。実際はドルが全面高となり、ドル円は9日終値の158円31銭から、NY時間に158円68銭前後(0.37円、0.2%の上昇)へ上昇した(みんかぶFX: 上げ一服)
  • ドル円が、前回「上値を抑える壁」としていた158円台半ばの200日移動平均線(158円55銭付近)を上回った(みんかぶFX: 200日線を上回る)
  • ユーロドルは前回の1.1200ドルから1.11ドル台後半へ下落した。ドル指数は102.59まで上昇したとの報道がある(みんかぶFX: ドル買い優勢、Investrade)

昨日と同じこと(継続)

  • 新たな介入の事実は確認されていない。158円台での介入警戒が上値を意識させる構図は変わらない
  • 日米金利差を背景にした円売り圧力と、米長期金利(10年債は金曜日の5.24%)の高止まりは続いている

要因の連続性

  • 継続要因: 日米金利差、米長期金利の高止まり、介入警戒、14日の米CPIを前にした様子見
  • 新規要因: サウジアラビアの空港が攻撃を受けたことによる原油高、インフレ懸念を強める形でのドル買い、ハマック連銀総裁の追加利上げを示唆する発言が加わった
  • 解消した要因: 前回触れた「流動性の薄い週明けで値動きが限られる」状況は、原油高をきっかけにしたドル買いで崩れた

為替サマリー

通貨ペア 12日の水準 前回終値(9日) 備考
ドル円 158円68銭前後 158円31銭 日中高値は158円75銭前後
ユーロドル 1.11ドル台後半 1.1200ドル 仏財政懸念などで下落
ユーロ円 177円前後 177円34銭 ほぼ横ばい
ポンドドル 1.32ドル台前半 確認できず
ドル指数 102.59まで上昇 確認できず 報道ベース

ドル円は13日午前4時32分(日本時間)時点の水準(みんかぶFX: 上げ一服)。ユーロドル・ポンドドル・ユーロ円はロンドン時間の報道による概数(みんかぶFX: ドル買い優勢)。人民元・韓国ウォンは信頼できる数値を確認できなかった。

ドル円の動き

アジア時間は日本の祝日で参加者が少なく、朝方の安値158円08銭から小幅に上昇した。ロンドン時間には158円60銭近辺まで上げた。日本時間午後8時すぎには、原油高に反応したドル買いで158円台後半となり、158円65銭付近で200日移動平均線を上回った(みんかぶFX: ドル買い優勢、みんかぶFX: 200日線を上回る)。

NY時間はトランプ米大統領がサウジアラビアとともにフーシ派への対応に関与する可能性に言及したと伝わり、原油高が続いた。ドル円は上げ一服となったが、158円68銭前後の高値圏で推移した(みんかぶFX: 上げ一服)。ブレント原油は1.8%高の106.65ドルだった(AP通信)。原油高はインフレ懸念と安全資産としてのドル買いの両面から、ドルを支えたとされる。東京と米債券市場の休場で流動性が薄く、値動きが振れやすかった。

その他の主要通貨

  • ユーロ: フランスの財政悪化懸念とドイツの政治不安がユーロの重しとなり、ユーロドルは1.12ドル近辺から1.11ドル台後半へ下落した(みんかぶFX: ドル買い優勢)
  • ポンド: ポンドドルは1.32ドル台前半へ軟化したが、ユーロに対しては底堅く、ポンド円は210円に迫った
  • アジア通貨・豪ドル: 信頼できる数値を確認できなかった

当局の姿勢と介入

12日から13日朝にかけて、介入の事実や、財務相・財務官・日銀総裁の新しい為替発言は確認できなかった。介入とは、政府・日銀が為替相場の急変動を抑えるために通貨を売買することである。ドル円は200日移動平均線の上に出ており、158円台半ばから159円台は介入への警戒が意識されやすい水準との見方がある(市場の見方)。

米側では、クリーブランド連銀のハマック総裁が、金利をさらに引き上げる必要があるとの認識を示した。インフレ期待の定着が最大のリスクで、AI関連の需要が物価を押し上げる可能性にも言及した(みんかぶFX: NY時間に伝わった発言)。米国の追加利上げ観測は、日米金利差の拡大を通じて円安要因となる。

ポジションと相場観

CFTCの新しいデータは公表されておらず、次回は10月13日時点の建玉が17日(土)早朝に出る見込みである。直近(10月6日時点)はレバレッジドファンドの円売り越しが拡大していた(前回レポート参照)。

14日の米CPI(9月分)の市場予想は総合が前年比3.6%、コアが2.5%とされ、エネルギー価格の上昇が総合を押し上げる可能性がある。予想を上回れば追加利上げ観測が強まり、ドル高・円安に傾きやすいとの見方がある(みんかぶFX: 来週の注目材料)。

相場観では、ドル円は当面現在の水準で安定し、160円は日米双方にとって行き過ぎ、150円を割る動きは米国の慎重化と日銀の引き締めが必要で、早くても2027年4〜6月期になるとの見方が紹介された(発言者の名前は同記事で確認できず、参考情報にとどめる)(みんかぶFX: 上げ一服)。円安は輸入物価を通じて家計の負担を増やす一方、輸出企業の業績や海外資産の円換算額には追い風となる。円高派の新しい主張は確認できなかった。

テクニカル分析(ドル円)

200日移動平均線(過去200日の終値の平均で、長期の方向を見る指標)は158円55銭付近にあり、ドル円は12日の取引でこの水準を上回った。焦点は、13日以降も明確に上抜けて定着できるかである(みんかぶFX: 200日線を上回る)。上抜けが定着すれば、159円台への上昇余地が意識されるが、定着できずに押し戻されれば、再び158円前後のもみ合いとなりやすい(市場の見方)。9日の報道では、短期の目安となるピボットが158円13銭付近、上値の目安が158円51銭・158円78銭・159円16銭とされていた(前回レポート参照)。RSIなどの最新値は確認できなかった。

今夜の注目イベント

13日(火)は日本の市場が通常営業に戻る。みんかぶFXによると、日本時間午前1時10分にハマック連銀総裁の講演が予定されていた(結果は上記のとおり)。13日には英中銀のブリーデン副総裁、マン委員らの発言が予定されているが、大きな指標は少ない見通しである(みんかぶFX: 12日の市場見通し)。米国では大手銀行の決算発表が始まる。

日付 項目 備考
13日(火) 日本の企業物価指数、米大手銀行決算
14日(水) 米CPI(9月分) 総合3.6%、コア2.5%の予想
15日(木) 米小売売上高、米PPI、植田日銀総裁の講演
16日(金) ウォーシュFRB議長がIMF専務理事と対談 17日からブラックアウト期間