前回からの変化

前回(2026-10-09)との比較。前回は8日のNY終盤(9日午前5時ごろ)まで、本レポートは9日の東京・ロンドン・NY時間(10日午前5時ごろ)を反映している。土曜のため市場は休場で、金曜NYの結果と週末の材料をまとめる。

変わったこと(変化・新規)

  • ドル円は前回の157円台半ば(NY急落後)から、9日の東京で157円80銭台、ロンドン序盤に158円42銭まで戻した。NYでも158円台で底堅く推移した(みんかぶFX: ロンドン為替、みんかぶFX: NY為替序盤)
  • 前回の注目だった米ミシガン大消費者信頼感指数(10月速報)は46.3で、予想の47.6、前回の48.1を下回った。ドル円への影響は限定的だった(みんかぶFX: NY時間の発言)
  • 高市首相が為替について「注視し、適切な対応をとる」と述べる一方、「金利や為替相場は市場で決まる」とも発言した。前回は新たな当局発言を確認できなかったため、新たに加わった材料である(みんかぶFX: 東京為替概況)
  • IMM通貨先物では、レバレッジドファンドの円の売り越しが13,570枚増えて30,379枚になった(10月6日時点)。前回は最新のポジション公表分を確認できなかった(みんかぶFX: レバレッジド・ファンズ)

昨日と同じこと(継続)

  • ドル円は158円台半ばの200日移動平均線の手前で上値が重く、158円台に定着しきれない展開が続いた(みんかぶFX: NY為替序盤)
  • 日米金利差を背景にした円売りと、介入警戒という構図は前回と同じである

要因の連続性

  • 継続要因: 日米金利差と、158円台での介入警戒、200日移動平均線付近の上値の重さは前回に続いている。米長期金利の水準が高いことも円安を支えた
  • 新規要因: 米10年債利回りが5.246%へ上昇し、東京の3連休前のポジション調整が一巡して円売りが再開した。投機筋の円売り増加も新たに確認された
  • 解消した要因: 前回の下落材料だった米30年債入札の好調による利回り低下は、9日は一服した。トランプ大統領のイラン攻撃見送り発言によるドル売りも、原油の落ち着きとともに後退した

為替サマリー

通貨ペア 水準(10日午前4時台) 9日の動き 備考
ドル円 158円台前半 157円76銭〜158円42銭 NYの正確な終値は未確認
ユーロ円 177円23銭 東京で177円71銭まで上昇 NY終盤に反落
ポンド円 209円47銭 東京で209円49銭 ほぼ横ばい
ユーロドル 1.1193ドル 東京で1.1243ドルまで上昇 NYで1.12ドル割れ
ポンドドル 1.3238ドル 東京で1.3251ドル 前日の高値圏

水準は日本時間10月10日午前4時台の報道値である。ドル指数、人民元、韓国ウォンは信頼できる数値を確認できなかったため記載しない(みんかぶFX: 英中銀の利上げ見通し、みんかぶFX: ユーロドル)。

ドル円の動き

東京時間: 前日NYの急落を受け、朝は157円80銭台で始まった。その後は押し目買いで158円10銭、158円20銭へと戻した。原油高の一服と米債利回りの落ち着きが、前週のドル高・円高の反動を促したと伝わる(みんかぶFX: これからの見通し、みんかぶFX: 東京為替概況)。

ロンドン時間: 157円76銭から158円42銭まで上昇した後、介入警戒で158円00銭まで押された。米10年債利回りが5.25%台に戻ると買いが戻り、3連休前の持ち高調整が解消したことも円売りを促した(みんかぶFX: ロンドン為替)。

NY時間: ミシガン大指数が予想を下回ったものの、ドル円は158円台で底堅かった。NYカットのオプション158円00銭が意識され、200日移動平均線付近の警戒感で上値も限られた。日本の債券利回りが全年限で低下し、国内投資家の海外資産購入が続くことも円安要因と指摘された(みんかぶFX: NY為替序盤)。

その他の主要通貨

  • ユーロ: ユーロドルは東京で1.1243ドルまで上昇したが、NYで1.11ドル台まで下落した。仏大統領選への警戒、ECBの大幅利上げ観測の後退、ドル高が重しとの見方で、1.12ドルの維持が焦点とされる。ユーロ円は177円71銭から177円23銭へ小幅に下げた(みんかぶFX: ユーロドル)
  • ポンド: ポンド円は209円47銭、ポンドドルは1.3238ドルだった。英中銀は11月と2月に追加利上げするとの見方があるが、市場は織り込み済みで、ポンドへの影響は限定的との指摘である(みんかぶFX: 英中銀の利上げ見通し)
  • その他: カナダの9月雇用者数は6.83万人減と予想の0.50万人増を大きく下回り、カナダドルが売られた。豪ドルやアジア通貨は信頼できる数値を確認できなかった(みんかぶFX: NY時間の発言)

当局の姿勢と介入

9日、新たな介入の事実は確認されていない。高市首相は為替と物価の動向を注視し適切に対応すると述べたが、同時に金利や為替は市場で決まるとも語り、これまでより介入色の薄い発言と受け止められた(市場の見方)(みんかぶFX: 東京為替概況)。財務相・財務官・日銀総裁の新たな為替発言は今回の調査では確認できなかった。ロンドン時間には介入警戒でドル円が158円00銭まで押された(みんかぶFX: ロンドン為替)。

ポジションと相場観

CFTCの発表(10月6日時点)では、IMM通貨先物で円は62,325枚の買い越しで、前週から6,885枚増えた。一方、レバレッジドファンド(ヘッジファンドなど短期売買の投機筋)は円を30,379枚売り越し、前週から13,570枚増やした。投機筋の円売りは強まっている(みんかぶFX: レバレッジド・ファンズ)。

NY時間の報道では、トランプ大統領がイランとの紛争がまもなく終結すると述べ、終結すれば原油価格は下がるとの見解を示した。ホワイトハウスはFRBのクック理事の住宅ローン不正疑惑を調べる委員会を設置するとも伝わった(みんかぶFX: NY時間の発言)。円高派の新たな主張は今回確認できなかった。

テクニカル分析(ドル円)

200日移動平均線(過去200日の終値の平均で、長期の方向を見る指標)は158円台半ばにあり、9日の戻りはこの手前で止まった。158円00銭にはNYカットのオプションがあり、この水準が相場の目安として意識された(みんかぶFX: NY為替序盤)。9日の日中レンジは157円76銭〜158円42銭だった。RSIや下値の節目の最新値は確認できなかった。

今夜の注目イベント

土曜のため為替市場は休場で、週明けの月曜(12日)は日本が祝日で東京市場は休みとなる。前回挙げた日本の家計調査の結果は今回確認できなかった。米ミシガン大消費者信頼感指数は46.3と予想を下回った。週末は、米ロ首脳の電話会談(日程未定)やイラン情勢の報道が、週明けの米長期金利と原油、ドル円の方向を左右するとの見方がある(みんかぶFX: NY時間の発言)。