前回からの変化
前回(2026-10-10)との比較。10日(土)と11日(日)は為替市場が休場で、前回以降に新たな相場の動きはない。本レポートは9日のNY終値の確定値と、週間まとめ、来週の予定を整理する。
変わったこと(変化・新規)
- 前回は「NYの正確な終値は未確認」だったドル円は、四本値で始値157円88銭、高値158円43銭、安値157円76銭、終値158円31銭と確定した。ユーロドルの終値は1.1200ドル、ユーロ円は177円34銭だった(みんかぶFX: 9日の四本値)
- 週間の値幅が判明した。ドル円は157円44銭〜158円51銭、ユーロドルは1.1160〜1.1260ドル、ユーロ円は176円22銭〜178円30銭と報じられた(みんかぶFX: 為替相場まとめ)
- 前回確認できなかった来週の予定が出そろった。米CPIは14日、米小売売上高は15日、植田日銀総裁の講演は15日、ウォーシュFRB議長とIMF専務理事の対談は16日である(みんかぶFX: 来週の主な予定)
昨日と同じこと(継続)
- ドル円は158円台半ばの200日移動平均線の手前で上値が重く、介入警戒もあって158円台に定着しきれない構図が続いた(みんかぶFX: NY為替序盤)
- 投機筋の円売り越しが膨らむ流れは、前回報じたCFTCデータ(10月6日時点)のまま変わらない(みんかぶFX: CFTC建玉報告)
- 新たな介入の事実は確認されていない
要因の連続性
- 継続要因: 日米金利差を背景にした円売り圧力と、158円台での介入警戒、200日移動平均線付近の上値の重さは前回に続いている。米10年債利回りが5.2〜5.3%台の高い水準にあることも円安を支えた
- 新規要因: 欧州の政治リスク(フランスの財政悪化懸念とデモ拡大による独仏金利差の拡大)が、週を通じてユーロ安・ドル買いの材料として整理された。来週の米CPIが利上げ観測を左右するとの見方も新たに加わった
- 解消した要因: 前回触れた3連休前のポジション調整は一巡した。週末に入り、新たな材料は出ていない
為替サマリー
| 通貨ペア | 9日NY終値 | 9日の高値〜安値 | 週間レンジ(5〜9日) |
|---|---|---|---|
| ドル円 | 158円31銭 | 158円43銭〜157円76銭 | 157円44銭〜158円51銭 |
| ユーロドル | 1.1200ドル | 1.1243〜1.1188ドル | 1.1160〜1.1260ドル |
| ユーロ円 | 177円34銭 | 177円87銭〜176円91銭 | 176円22銭〜178円30銭 |
| ポンド円 | 週間のみ | 未確認 | 208円20銭〜210円21銭 |
水準は日本時間10日午前6時台に公表された四本値と、10日午前8時の週間まとめによる。10日以降は休場のため、取得時点の水準は9日の取引終了時点である。ドル指数、人民元、韓国ウォンは信頼できる数値を確認できなかったため記載しない(みんかぶFX: 9日の四本値、みんかぶFX: 為替相場まとめ)。
ドル円の動き
9日は朝の157円88銭で始まり、ロンドン序盤に158円43銭まで上げた後、介入警戒で押される場面があったものの、NYでは158円台で底堅く推移して158円31銭で引けた。前回レポートで伝えた値動きの確定形である(みんかぶFX: NY為替序盤)。
週間では、欧州のリスク回避でドル買い・円買いが交錯し、上値は158円台半ばの200日移動平均線と介入警戒が抑えた。下値は米長期金利の高止まりと日米金利差が支えたと整理されている(みんかぶFXの週間まとめより)(みんかぶFX: 為替相場まとめ)。
その他の主要通貨
- ユーロ: 欧州の政治リスクが週を通じた圧力になった。フランスの財政悪化懸念と学生を中心としたデモ、独仏の金利差拡大がユーロ売りを促した。1.12ドルが守りの水準として意識されており、9日の終値は1.1200ドルとぎりぎりで維持した(みんかぶFX: 為替相場まとめ)
- ポンド: ポンド円は週間で208円20銭〜210円21銭のレンジだった。リスク選好で上げた後、欧州不安で調整した(みんかぶFX: 為替相場まとめ)
- その他: 豪ドルとアジア通貨は、信頼できる数値を確認できなかった。CFTCの報告では豪ドルの売り越しも増えている(みんかぶFX: NY時間の発言)
当局の姿勢と介入
週末に新たな介入の事実や、財務相・財務官・日銀総裁の新しい為替発言は確認できなかった。直近の当局発言として、高市首相は「為替・物価の動向を注視する」と述べる一方、金利や為替は市場で決まるとも語った(前回レポート参照)。市場では、158円台半ばが介入警戒ラインとして意識されている(市場の見方)(みんかぶFX: 為替相場まとめ)。
ポジションと相場観
CFTCの発表(10月6日時点)では、レバレッジドファンド(ヘッジファンドなどの短期売買の投機筋)が円を30,379枚売り越し、前週から13,570枚増やした(みんかぶFX: CFTC建玉報告)。次回は10月13日時点のデータが、17日(土)の日本時間早朝に公表される見込みである。
来週の見方として、米CPI(9月分)の市場予想は総合が前年比3.6%(8月は3.4%)、コアが2.5%(8月は2.4%)とされる。原油高によるガソリン価格の上昇が押し上げ要因で、予想を上回れば10月FOMCでの利上げ観測が再燃し、ドル高・円安が進む可能性があるとの見方が出ている(みんかぶFX: 来週の注目材料)。円高派の新たな主張は今回確認できなかった。
テクニカル分析(ドル円)
9日のNYの報道によると、ピボット(前日の高値・安値・終値から計算する、その日の相場の分かれ目の目安)は158円13銭付近だった。上値の目安は158円51銭、158円78銭、159円16銭、下値の目安は157円86銭、157円48銭、157円21銭である。9日の終値158円31銭はピボットを上回っており、短期的には強めの位置にある(みんかぶFX: ピボット)。
200日移動平均線(過去200日の終値の平均で、長期の方向を見る指標)は158円台半ばにあり、週を通じて戻りを止める壁になった(みんかぶFX: NY為替序盤)。RSIなどの最新値は確認できなかった。
今夜の注目イベント
為替市場は週末のため休場で、11日(日)に予定される主要な指標発表はない。週明け12日(月)は日本がスポーツの日で東京市場は休み、米国はコロンブスデーで債券市場が休場となり、流動性が薄い中で週が始まる。
来週の予定は次のとおりである(みんかぶFX: 来週の主な予定)。
| 日付 | 項目 | 備考 |
|---|---|---|
| 12日(月) | 日本休場、米債券市場休場 | IMF世銀年次総会が開幕(バンコク、18日まで) |
| 13日(火) | 日本の企業物価指数 | |
| 14日(水) | 米CPI(9月分) | 総合3.6%、コア2.5%の予想 |
| 15日(木) | 米小売売上高、米PPI、植田日銀総裁の講演 | |
| 16日(金) | ウォーシュFRB議長がIMF専務理事と対談 | 17日からFRBのブラックアウト期間 |
フランスでは左派主導の全国デモが予定されており、欧州の政治リスクがユーロ相場を通じてドル円にも波及するとの見方がある。

