前回からの変化
前回(2026-10-09)との比較である。前回は8日(連休明けの本土再開日)の下落を扱った。今回はその翌営業日にあたる9日(金)を扱う。
変わったこと(変化・新規)
- 香港のハンセン指数は前回の2万3785.79から2万4211.35へ425.56ポイント(1.79%)上昇し、2万4000の節目を回復した。H株指数(中国企業指数)も8,010.58から8,147.87へ137.29ポイント(1.71%)上昇した(財経新聞)
- 上海総合指数は前回の3,811.90から3,813.79へ1.89ポイント(0.05%)の小幅上昇にとどまり、前回の反落から下げ止まった形である。序盤は3,800を割り込んだが、終盤にプラス圏へ浮上した(OANDA)
- 前回は買われた石油関連株が、今回は香港で下落に転じた(中港石油が7.9%安など)。前回確認できなかった不動産株は、世茂集団が41.2%高と急伸した(財経新聞)
- 前回は下落した方向が本土・香港でそろっていたが、今回は香港が1.79%高、本土が0.05%高と上げ幅に大きな差が出た
昨日と同じこと(継続)
- 香港のバイオ・製薬株の軟調は継続した。常茂生物が15.8%安など、下落率が10%を超える銘柄が複数あった(財経新聞)
- 安徽江淮汽車集団がファーウェイとの高級車ブランドでブレーキペダル破損の報道を受けて連日大幅安となった。前回も同社は10.0%安だった(OANDA)
- 新たな政策決定が確認できない状態も前回から続いている
要因の連続性
- 継続要因: 中東情勢と米長期金利が相場を左右する構図は前回から続いたが、向きが逆転した。前回は重しだったが、今回は「米長期金利の低下」と「中東懸念の後退」が追い風に働いた。ハイテク株の弱さによる本土の上値の重さも前回から続く
- 新規要因: トランプ米大統領がイランへの攻撃を11月の中間選挙まで実施しないと表明したと報じられ、原油安と過度な警戒の後退につながった(財経新聞)。一方で、国慶節連休中の消費低迷と、英国・EUの中国製EVへの規制準備の報道が本土の重しとして加わった(みんかぶFX/為替)
- 解消した要因: 前回の重しだった中東産原油の供給不安は後退した。ただし米イラン関係の不確実性そのものは残っており、完全には解消していない
市況サマリー
9日(金)は本土・香港とも通常どおり開場した。連休明けから2日目の取引である。
| 指数 | 終値 | 騰落率 | 前回(8日)終値 |
|---|---|---|---|
| 上海総合指数 | 3,813.79(人民元建て) | 0.05%高 | 3,811.90 |
| 深セン成分指数 | 12,641.86 | 0.17%高 | 未確認 |
| ハンセン指数 | 24,211.35(香港ドル建て) | 1.79%高 | 23,785.79 |
| H株指数 | 8,147.87 | 1.71%高 | 8,010.58 |
CSI300とハンセンテック指数の終値は、今回の出典から確認できなかった。上海総合の売買代金も取得できていない(財経新聞、みんかぶFX/為替)。
指数別動向
本土(上海・CSI300)
上海総合指数は約2カ月ぶりの安値圏から、値ごろ感に着目した買い戻しが入って小幅に反発した。序盤は心理的な節目の3,800を割り込み、軟調に推移したが、終盤にプラス圏へ浮上した。前日のハイテク株売りと週末前のポジション調整が上値を抑えた(Investing.com(Fisco)、OANDA)。
セクター別では、小売りとバイオ・製薬が買われた。百大集団が10.0%高、新華百貨が7.7%高、華北製薬が10.0%高だった。OANDAの集計では映画・出版・貴金属も上昇し、個別では紫金鉱業集団、BYD、華泰証券が上昇した。売られたのは電子デバイス、機械、半導体、風力発電設備で、依頓電子が6.4%安、深南電路などが下落した(財経新聞)。
香港(ハンセン・ハンセンテック)
ハンセン指数は3日ぶりに反発した。米長期金利の低下による投資家心理の改善、原油相場の下落、中東情勢への過度な懸念の後退に加え、約3カ月ぶりの安値圏からの押し目買いが入った。セクター別では、金・貴金属の潼関黄金が9.2%高、紫金黄金国際が7.7%高、赤峰黄金が6.7%高と上昇した。不動産も買われ、世茂集団が41.2%高、合景泰富集団が23.7%高、遠洋集団が22.9%高だった。下落は石油・天然ガスの中港石油が7.9%安、バイオ・製薬の常茂生物が15.8%安などだった(財経新聞)。ハンセンテック指数の終値は確認できなかった。
本土と香港の方向: どちらも上昇したが、上げ幅は香港(1.79%)が本土(0.05%)を大きく上回った。香港が米長期金利の低下に反応して成長株や低位の不動産株に買いが入った一方、本土は消費低迷と英EUのEV規制報道が重かったとみられる(推測)(みんかぶFX/為替)。
当局・政策の動き
9日に新たに発表された人民銀行・CSRC・国務院の措置は、今回の調査では確認できなかった。国家隊(国有系ファンドによる株の買い支え)の公表や観測も確認できていない。市場では「中国当局による追加経済対策への期待が広がった」との見方が伝えられる一方(財経新聞)、「政府の大規模支援策への期待が薄れた」との報道もあり(みんかぶFX/為替)、見方は割れている。いずれも市場観測であり、決定済みの措置ではない。9月29日のPSL金利引き下げと10月1日開始の住宅ローン補助は、決定済みの措置として続いているが、効果は数字で確認できていない。
経済指標
9日に発表された中国の主要統計は確認できなかった。国慶節連休中の消費が低迷したとの報道が上海株の重しとして伝えられている(みんかぶFX/為替)。
不動産・地方債務
香港市場で不動産株が急伸した。世茂集団が41.2%高、合景泰富集団が23.7%高、遠洋集団が22.9%高で、いずれも香港上場の不動産会社である。急伸の具体的な材料は今回の出典からは確認できなかった。支援策の期待か、値ごろ感による買い戻しかは不明で、背景は憶測にとどまる(財経新聞)。
米中関係と注目銘柄
米中間の新たな規制は確認できなかった。一方、英国が中国製EVへの関税導入を、EUがハイブリッド車のセーフガード導入を準備しているとの報道が、自動車関連株の重しとして伝えられた(みんかぶFX/為替)。
注目銘柄は、本土でBYDと紫金鉱業集団が上昇、安徽江淮汽車集団が連日の大幅安、香港で世茂集団が41.2%高だった。江淮汽車はファーウェイとの高級車ブランドでブレーキペダルの破損が報じられたことが材料である(OANDA)。テンセント、アリババの9日の値動きや、中国ADRの最新の終値は確認できていない。
強気派 vs 弱気派
発言者と根拠が明示された強気・弱気の主張は、今回確認できなかった。報道の構図としては、強気側は「約3カ月ぶりの安値圏で値ごろ感がある」「米金利低下と中東懸念の後退」を材料に挙げ、弱気側は「消費低迷」「英EUの規制準備」「ハイテク株の弱さ」を重しに挙げている。バリュエーションの議論と政策リスクの議論は個別には確認できなかった。
テクニカル分析(上海総合・ハンセン指数)
移動平均線(50日・200日)とRSIの数値は確認できなかった。確認できる範囲では、上海総合指数は序盤に3,800を割り込んだが、終値では3,800台を維持し、約2カ月ぶりの安値圏にある。ハンセン指数は前回割り込んだ2万4000を回復したが、約3カ月ぶりの安値圏からの戻りの途上にある。これらは参考であり、売買の推奨ではない。南向き資金とAH株プレミアム指数の最新値は取得できなかった。
本日の注目点
10日(土)は国慶節の連休の振替で、一部の職場は出勤日にあたる。ただし取引所は週末休場として公表されており、本土・香港とも取引はない(同花順)。国慶節の休場は10月1日〜7日で、8日に再開済みである。次の取引日は12日(月)で、米長期金利、中東情勢(米国とイランの動向)、原油価格が焦点となる。中国の主要な経済指標の発表予定は、今回確認できなかった。

