前回からの変化

前回(2026-10-09)との比較。前回は10月8日引け後に発表されたファーストリテイリングとセブン&アイを扱った。

変わったこと(変化・新規)

  • 前回は日本の小売2社(増益基調・来期も最高益見通し)だったが、今回は米国の航空大手デルタ航空で、売上は予想超えでも利益は予想未達、通期見通しは下方修正という逆の構図になった(SEC 8-K)
  • 前回の「次の注目決算」に挙げたデルタ航空が、10月9日の寄り前に発表した。発表日が未確認だった前回から、日付が確定した

昨日と同じこと(継続)

  • 数字そのものよりも先行きの見通しが評価を左右する構図は続く。ファストリは今期の最終益の伸びが3.2%に鈍る見通しだったが、デルタも通期EPS見通しの引き下げが焦点になった
  • ファストリとセブン&アイの9日の株価反応は、今回の出典でも確認できていない

要因の連続性

  • 継続要因: 前回に続き、会社見通しが市場でどう受け止められるかが焦点である。前回は円安による国内ユニクロの粗利率低下というコスト面の逆風が指摘されたが、今回も燃料費というコスト面の逆風が主因となっている
  • 新規要因: 燃料価格の高騰(平均単価は1ガロン3.61ドルで60%上昇)が通期見通しの引き下げ要因として加わった
  • 解消した要因: 前回の焦点だったファストリ・セブン&アイの決算発表そのものは通過した。個別の株価反応は未確認のため、解消とは言い切れない

1. 本日のハイライト

企業名 売上高 調整後EPS 予想比 株価反応
デルタ航空(DAL) 約202億ドル(21%増) 1.72ドル(前年1.70ドル) 売上高は上振れ、EPSは未達 寄り前に2.1%安(終値は未確認)

(出典: SEC 8-K、Investing.com、Benzinga)

2. 個別決算

デルタ航空(DAL) — 2026年9月期の四半期(7〜9月期)

売上高(GAAP)は約202億ドルで前年同期比21%増だった。第三者への製油所製品の販売(約26億ドル)を除いた調整後の売上高は約176億ドルで16%増である。旅客収入は約155億ドル(15%増)、プレミアム商品は約68億ドル(18%増)、メインキャビンは約68億ドル(12%増)、ロイヤルティ収入は約13億ドル(18%増)だった(SEC 8-K)。

利益は、調整後EPSが1.72ドル(前年1.70ドル、1%増)、GAAPのEPSが1.15ドル(前年2.17ドル、47%減)だった。GAAPの減少には、ヘッジや投資の評価損益などの一過性要因が含まれる。調整後の営業利益は約16.6億ドル(2%減)、調整後の営業利益率は9.4%(1.7ポイント低下)である。

コンセンサス(市場予想)は報道によって数字が異なる。調整後EPSの予想は、Benzingaの報道では1.81ドル、Investing.comの決算説明会記録では1.92ドルとされ、いずれの場合も実績の1.72ドルは下回った。売上高の予想は、Benzingaで約176.5億ドル、Investing.comで約176.1億ドルで、実績の約202億ドルはいずれも上回った。予想の出所は両記事とも明記を確認できていない。

費用面では、調整後の燃料費が約41.4億ドルで62%増、平均単価は1ガロン3.61ドルで60%上昇した。設備投資は約14.1億ドル(27%増)、フリーキャッシュフローは約4.6億ドル(44%減)、四半期の債務返済は約12億ドルだった。

ガイダンス(会社見通し)は、2026年通期の調整後EPSを5.10〜5.60ドル、税引前利益を約45億ドル、フリーキャッシュフローを約25億ドルとした。報道では従来の6.50〜7.50ドルからの引き下げとされている(Benzingaの報道。従来値の一次情報は今回確認していない)。10〜12月期は売上高が約20%増、EPSが1.15〜1.65ドルの見通しで、燃料単価は1ガロン約4.25ドルを織り込む(SEC 8-K)。

株価反応は、確認できた範囲では、発表日(10月9日)の寄り前取引で2.1%安(前日終値82.14ドルから80.41ドル)だった(Investing.com)。通常取引の終値と騰落率は確認できていない。終値を上昇とする別の報告も見つかったが、内容に矛盾があり採用しない。

3. 経営陣が語ったこと

バスティアンCEOは、燃料費が通期で約60億ドル増えるなか、税引前利益は約45億ドルを見込むと説明した。7〜9月期の税引前利益は約15億ドルで、前年と同水準だったという(SEC 8-K)。

決算説明会の記録では、旅客需要は全分野で底堅く、ミッドウィークの法人需要はレイバーデー翌週が過去最高だったと説明された。プレミアム客室は約20%成長したとされる。10〜12月期の売上の6割超はすでに確保済みで、運航規模は利益を優先して抑える方針だという。質疑では、コスト上昇の持続性、競合の座席削減、ロイヤルティ事業の拡大が論点になった(Investing.com)。以上は自動要約を含む記録に基づくため、数字は一次の書き起こしでの確認が望ましい。

4. 業界トレンド

単一の企業の決算だが、旅客需要は強い一方で燃料費が利益を圧迫するという構図が明確である。売上高が2割増でも利益が横ばいにとどまるのは、燃料の価格上昇が運賃への転嫁より速いためとみられる(筆者の解釈を含む)。プレミアム席とロイヤルティ収入が下支えしており、航空業界全体で上位クラスの需要が収益の柱になっていることがうかがえる。他社の決算は今回確認できておらず、業界全体への一般化はしない。

5. 決算シーズンの進捗

暦年ベースの第3四半期決算シーズンは、デルタ航空が先陣を切る形で10月9日に始まった。S&P500の発表済み社数やEPS成長率の集計は、今回確認できていない。

6. 次の注目決算

  • 米国の大手銀行は、JPモルガン・チェースとウェルズ・ファーゴが10月13日(火)に第3四半期決算を発表する予定とされる(Stock Earnings Calendar)。ただし寄り前・引け後の別などは未確認である
  • ファーストリテイリングとセブン&アイの株価反応は、確認できる出典が得られ次第、フォローする