前回からの変化
前回(2026-10-07)との比較。前回は10月6日のNY終盤までを反映しており、本レポートは10月7日の東京・欧州・NY時間と8日未明のFOMC議事要旨までを反映している。
変わったこと(変化・新規)
- ドル円は前回の158円22銭を上抜け、7日の東京午前に158円51銭まで上昇した。200日移動平均線(158円50銭台)に到達したが、その後は押し戻された(みんかぶFX: 東京為替概況)。
- 前回の注目点だったFOMC議事要旨が公表された。19人全員が利上げの決定を支持し、大半の参加者が年内の追加利上げの可能性を見ていたと伝わったが、ドル円の反応は限られた(みんかぶFX: NY為替)。
- 8日未明の米10年債入札で最高落札利回りが発行前取引の水準を下回り、利回りが低下してドル円は一時157円台へ下げた(みんかぶFX: NY為替)。
- ユーロドルは前回の1.1244ドルから1.1197ドルへ下落した。独仏の10年債利回り差が2012年以来の水準に拡大し、仏債売りが再燃した(みんかぶFX: ユーロ)。
- ポンドドルは前回の1.3286ドルから1.3213ドルへ下落し、一時1.31ドル台を付けた。英国債の売りと10月28日の英予算発表への警戒が重なった(みんかぶFX: ポンドドル)。
昨日と同じこと(継続)
- ドル円は158円台に乗せても定着できない展開が続いた。前回の引け157円92銭に対し、8日午前6時ごろは157円96銭付近と、ほぼ同水準である(みんかぶFX: NY為替)。
- 日米当局が円安是正の必要性を共有しているとの見方から、158円台では介入への警戒が続いた。
要因の連続性
- 継続要因: 158円台での介入警戒と、200日移動平均線付近での上値の重さが前回に続き働いている。米長期金利が5%台前半の高水準にあることも、前回同様にドルを支えている。
- 新規要因: 原油高(中東ホルムズ海峡でのタンカー攻撃報道)と米長期金利の上昇が東京時間のドル買いを後押しした。8日未明には米10年債入札による利回り低下、FOMC議事要旨、欧州の財政懸念が新たに加わった。
- 解消した要因: 前回挙げた米貿易赤字の拡大による金利低下は、一巡して材料でなくなった。FOMC議事要旨を待つ構図も通過して解消した。
為替サマリー
| 通貨ペア | 10月7日の主な水準 | 動き | 備考 |
|---|---|---|---|
| ドル円 | 158円51銭 → 157円96銭 | 高値から反落 | 8日午前6時ごろの値 |
| ユーロドル | 1.1223 → 1.1197ドル | 下落 | 一時1.1165ドルまで下げた |
| ユーロ円 | 178円30銭 → 176円88銭 | 下落 | 朝の水準との比較 |
| ポンドドル | 1.3243 → 1.3213ドル | 下落 | 一時1.31ドル台 |
水準は日本時間10月8日午前6時時点で確認できた直近の値である(NY終盤)。前回引けとの比較では、ドル円は157円92銭から157円96銭と4銭(0.0%)の上昇にとどまる。ドル指数・人民元は信頼できる数値を確認できなかったため記載しない(みんかぶFX: NY為替、みんかぶFX: ユーロ)。
ドル円の動き
東京時間(10月7日): 朝は158円10銭台で始まり、前日高値の158円25銭を上抜けて午前に158円51銭を付けた。WTI原油が90ドルを超え、米長期金利が5.30%付近に上昇したことがドル買いを支えた。ただし158円台半ばからの買いは慎重で、午後は158円30銭付近に下げた。日米の通貨当局による円安けん制への警戒が背景にある(みんかぶFX: 東京為替概況)。
NY時間(10月7日〜8日未明): 序盤は158円台で推移し、原油と米国債利回りの上昇でドルが再び上昇する流れだった。1週間物のインプライド・ボラティリティ(市場が織り込む変動の大きさ)は7.06%と、年間平均を下回る水準にとどまった(みんかぶFX: NY為替序盤)。その後、8日午前3時にFOMC議事要旨が公表されたが反応は限定的で、午前5時台の米10年債入札で利回りが低下するとドル円は一時157円台へ下げた(みんかぶFX: NY為替)。
その他の主要通貨
- ユーロ: ユーロドルは1.12ドル近辺で推移し、一時1.1165ドルまで下げた。FRBの利上げでECBの追加利上げ観測が相対的に後退したことに加え、フランスの財政懸念で独仏10年債利回り差が約1.60ポイントと2012年以来の水準に拡大した。米国によるディーゼル禁輸の可能性や、冬場のガス供給への不安も重しとされる(みんかぶFX: ユーロ)。
- ポンド: ポンドドルは一時1.31ドル台に下落したが、1.32ドルが下値支持として意識されている。英国債の10年・30年利回りは6日ぶりの高水準に上昇し、10月28日の英予算発表を前に警戒が強い(みんかぶFX: ポンドドル)。
- 豪ドル・スイスフラン・アジア通貨: 信頼できる数値を確認できなかったため記載しない。
当局の姿勢と介入
10月7日から8日未明にかけて、新たな介入の事実は確認されていない。直近で確認済みの介入は7月31日の日米協調円買い介入である。ストラテジストの間では、日米間で円安是正の必要性が共有されていることは重要で、ドル円が160円を超えて円安が進めば介入警戒が強まる、との見方が出ている。これは市場の見方であり、当局が水準を示したものではない(みんかぶFX: ドル円157円台)。
財務相・財務官・日銀総裁からの新たな為替発言は、今回の調査では確認できなかった。FOMC議事要旨では、19人全員が利上げ決定を支持し、数人の高官が政策はまだ十分に引き締まっていないと指摘した。一方で将来の決定は「データ次第」とされた(ザイFX!: FOMC議事要旨)。
ポジションと相場観
日米金利差(日米の金利水準の差。差が大きいほど円を売ってドルを持つ動機が強まる)を巡り、米国債利回りは8日未明時点で2年債が4.779%、10年債が5.271%、30年債が5.653%だった(みんかぶFX: NY時間)。
円高派の主張として、あるストラテジストは、米経済の減速や米住宅ローン金利が7%を超えていることを理由に、ドル円は年末までに153円程度、2027年3月には150円まで下落するとの見方を示した。現在のドル高を行き過ぎとする見方も付記されている(発言者は記事中で特定されていない)。ドル円が159円に接近すれば、この見通しを見直す可能性にも触れている(みんかぶFX: ドル円157円台)。円安派の具体的な発言者による主張は確認できなかった。IMM通貨先物の投機筋ポジションは、最新の公表分を確認できなかった。
テクニカル分析(ドル円)
200日移動平均線(過去200日の終値平均で、長期の方向を見る指標)は158円50銭付近にあり、7日の高値158円51銭はちょうどこの水準で止まった。この線を上抜けられるかが当面の焦点で、159円に近づけば円高見通しの見直しにつながるとの指摘がある(みんかぶFX: ドル円157円台)。オプションの面では、8日のNYカットに159円00銭で20.6億ドルの権利行使価格があり、値動きの目安として意識されやすい(みんかぶFX: NY為替序盤)。RSIや下値の節目の最新値は確認できなかった。
今夜の注目イベント
前回挙げた日本の毎月勤労統計と、8日未明のFOMC議事要旨は結果が出ており、上記のとおり反映済みである。
確認できた今後の予定は次のとおりである(外為どっとコム)。
- 10月8日(木)夜: 個別の指標・要人発言の予定は今回確認できなかった。英国の10月28日予算発表を前に英国債とポンドの動きに注意が必要との見方がある
- 10月9日(金): 日本の家計調査、米ミシガン大学消費者態度指数速報値
当面は米長期金利の動き、原油価格、欧州の財政不安がドル円と主要通貨の方向を左右するとの見方がある。

