前回からの変化

前回(2026-10-07)との比較である。前回号は6日の香港市場までを扱っており、その後の取引日は7日(水)の香港市場のみである。

変わったこと(変化・新規)

  • ハンセン指数は前回の2万4280.56から2万4130.50へ、150.06ポイント(0.62%)下落し、3日ぶりに反落した(Investing.com(Fisco))
  • H株指数(ハンセン中国企業指数)は前回の8,128.97から8,082.40へ0.57%下落した。ハンセンテック指数は前回の4,223から約4,194へ0.7%下落した(The Standard)
  • 前回上昇を主導したバイオ医薬株とAI関連株が一転して売られた。一方、不動産株は急伸した
  • 前回「報道あり、未確認」とした人民銀行の追加緩和策が、人民銀行発表として確認できた。1年物PSL(担保付補完貸出)金利は1.75%から1.50%へ0.25ポイント下がった。前回号で「約1兆元」とした再貸出枠の追加は、実際には科学技術向け2,000億元と農業・中小企業向け5,000億元(うち民営企業向け3,000億元)の合計7,000億元である(同花順、Newsweek Japan(ロイター))

昨日と同じこと(継続)

  • 本土市場は7日まで休場で、取引再開は8日(木)という日程は変わらない。ストックコネクトも7日まで停止し、南向き資金(香港株に流れる本土の資金)は入っていない(China Stock Crowd)
  • ハンセン指数は2万4000を上回る水準を保った
  • 売買代金は低水準が続き、7日は約947億香港ドルと3営業日続けて1,000億香港ドルを下回った(Investing Cube)

要因の連続性

  • 継続要因: 本土資金の不在による薄商いが前回に続き相場の上値を抑えた
  • 新規要因: 原油高(NY原油先物が90ドル台)と米長期金利の高止まり、フランスの財政・政局不安が重しになった(みんかぶ)。前回は原油安と米金利低下が追い風だったので、方向が逆転した。香港の9月PMIが49.2と2か月連続で50を下回ったとも伝えられた
  • 解消した要因: 前回の追い風だった原油安・米長期金利の低下は、7日は逆に原油高・金利高に転じて後退した

市況サマリー

本土(上海・深セン)は10月1日から7日まで国慶節で休場で、7日も取引はない。香港は通常どおり開場した。

指数 終値 騰落率
上海総合指数 休場(最終取引日の9月30日は3,842.19) ―
CSI300(滬深300) 休場 ―
ハンセン指数 24,130.50(香港ドル建て) 0.62%安
ハンセンテック指数 約4,194 0.7%安

H株指数は8,082.40で0.57%安。売買代金は約947億香港ドルだった(The Standard)。

指数別動向

本土(上海・CSI300)

休場のため取引はない。再開は10月8日(木)の9時30分(北京時間)で、連休中に積み上がった材料をまとめて織り込む日になる。再開後の今週の取引日は8日と9日の2日だけである(China Stock Crowd)。

香港(ハンセン・ハンセンテック)

ハンセン指数は成長株への利益確定売りで3日ぶりに反落した。アリババが約2.6%安、テンセントが約1.8%安となり、華虹半導体(H株)は2.7%安、中国のAI開発企業MiniMaxは約5%安だった(Investing Cube)。半導体関連ではモンタージュ・テクノロジーが6.4%安、ASMPTが4.1%安、医薬関連ではクオンタム・ファーマが12.1%安、インシリコ・メディシンが10.6%安と下げが大きかった(Investing.com(Fisco))。通信サービスは堅調だった(みんかぶ)。

本土と香港の方向の割れ: 本土が休場のため比較できる値動きはない。

不動産株は急伸した。広州富力地産が32.3%高、世茂集団が22.6%高、旭輝控股が16.7%高だった。出典は大都市の住宅取引の改善を背景に挙げているが、住宅ローン補助との関係は出典に明示がなく、因果は憶測にとどまる。

当局・政策の動き

人民銀行は9月29日、1年物PSL金利を1.75%から1.50%へ0.25ポイント引き下げた。PSLは政策性金融機関向けの貸出制度で、対象に水利・送電網・コンピューティング・通信・都市地下管網・物流の「六つの網」を加えた。あわせて再貸出枠を増やした。科学技術イノベーション向けは2,000億元増の総額1.4万億元、農業・中小企業向けは5,000億元増(うち民営企業向け3,000億元)である(同花順)。

住宅ローン補助は10月1日に全国で始まった。初めて住宅を買う人が対象で、年1ポイント分の利息を最長5年間補助し、借入上限は1世帯100万元、対象は床面積120平方メートル以下かつ購入価格150万元以下の住宅とされる(Newsweek Japan(ロイター))。

7日に新たに発表された政策や、国家隊(国有系ファンドによる株の買い支え)の公表・観測は確認できなかった。上記は決定済みの措置で、前回号の「未確認」の扱いを解く。

経済指標

7日に発表された中国の主要統計は確認できなかった。香港の9月PMIは49.2で、50を下回るのは2か月連続だった。連休前半の消費データは「力強さに欠ける」との分析が伝えられている(Investing Cube)。

不動産・地方債務

香港上場の不動産株が大きく上昇した。広州富力地産32.3%高、世茂集団22.6%高、旭輝控股16.7%高である(Investing.com(Fisco))。出典は主要都市の住宅取引の改善を理由に挙げている。9月29日に決まった住宅ローン補助が10月1日から始まっており、需要の下支えを意識した買いとの見方もできるが、出典は明示していないため憶測である。

米中関係と注目銘柄

米中間の新たな規制の動きは、今回の調査では確認できなかった。

注目銘柄は、アリババが約2.6%安、テンセントが約1.8%安、華虹半導体(H株)が2.7%安、MiniMaxが約5%安だった(Investing Cube)。世茂集団は22.6%高と対照的だった。中国ADRは、ナスダック中国金龍指数などの最新の終値を出典から確認できなかった。

強気派 vs 弱気派

今回は発言者と根拠が明示された強気・弱気の主張を確認できなかった。7日の報道が伝える構図は、原油高と米長期金利の高止まりが成長株の重しとなる一方、8日の本土再開とストックコネクト再開が流動性の改善につながるかが焦点というものである(Investing Cube)。参考として、2026年の過去6回の休場明け初日のうち5回で、上昇銘柄の割合が5割を超えたとされる(China Stock Crowd)。バリュエーションと政策リスクに関する個別の主張は確認できなかった。

テクニカル分析(上海総合・ハンセン指数)

移動平均線(50日・200日)とRSIの新しい数値は、今回の出典から確認できなかった。ハンセン指数は7日に2万4130となり、2万4000の大台を3営業日続けて上回って引けた。2万4000は心理的な節目とされ、この水準を保てるかが焦点になる。あくまで参考であり、売買の推奨ではない。南向き資金は7日まで停止中で、AH株プレミアム指数の最新値も取得できなかった。

本日の注目点

本日8日(木)は、上海・深セン・北京の各取引所が9時30分(北京時間)に取引を再開する。ストックコネクトも双方向で再開し、香港に本土資金が戻る。連休中の材料(PSL金利の引き下げ、住宅ローン補助、香港市場の動き)をまとめて織り込む日になる。ただし政策発表は9月29日で連休前に出ており、新味に乏しいとの見方も成り立つ。上海総合指数が連休前の3,842.19(9月30日終値)からどう動くかが注目される。