前回からの変化
前回(2026-10-07)との比較。前回は10月6日発表のコンステレーション・ブランズを扱い、間に1日空いている。
変わったこと(変化・新規)
- 前回の「次の注目決算」に挙げたファーストリテイリングとセブン&アイが、予定どおり10月8日の引け後に決算を発表した。前回は日付が未確認だったが、10月8日の発表であることが確認できた(ファーストリテイリング IR、ToMO Blog)
- 前回は米国の消費財(コンステレーション・ブランズ)で、予想超えでも通期見通しの据え置きが焦点だった。今回は日本の小売で、通期は最高益、来期も最高益見通しという増益基調の決算である
- 日経225構成企業の大型決算が確認できたのは今回が初めてで、前回まで続いた「日経225の決算が確認できない」状態が解消した
昨日と同じこと(継続)
- 数字の上振れよりも先行きの見通しが評価を左右する構図は続く。ファストリは今期の最終益の伸びが3.2%と前期の25.3%から大きく鈍る見通しである
- 株価反応は引け後の発表のため、9日の取引にならないと確認できない点は前回と同様である
要因の連続性
- 継続要因: 前回に続き、通期見通しが市場でどう受け止められるかが焦点になっている
- 新規要因: 為替予約レートの円安影響によるユニクロ国内の粗利率の低下と、海外ユニクロの高成長が新たに加わった
- 解消した要因: 前回の焦点だったコンステレーション・ブランズの決算説明会(米国時間7日)は通過した。今回は反映していない
1. 本日のハイライト
| 企業名 | 売上収益 | 利益(前期比) | 会社の今期見通し | 株価反応 |
|---|---|---|---|---|
| ファーストリテイリング(9983) | 3兆9633億円(16.6%増) | 親会社帰属利益5425億円(25.3%増) | 最終益5600億円(3.2%増) | 9日の取引で確認 |
| セブン&アイ(3382) | 未確認 | 上期経常利益19%増益 | 未確認 | 9日の取引で確認 |
(出典: ファーストリテイリング IR、ToMO Blog)
2. 個別決算
ファーストリテイリング(9983) — 2026年8月期(2025年9月〜2026年8月、IFRS)
売上収益は3兆9633億円で前期比16.6%増、事業利益は7184億円で30.4%増、親会社帰属利益は5425億円で25.3%増だった。事業利益は同社が使う利益指標で、営業利益(7431億円と報じられている)とは別の定義である。コンセンサス(市場予想)との比較は、今回の出典から確認できなかった(ファーストリテイリング IR)。
セグメント別では、海外ユニクロ事業の売上収益が2兆4111億円(26.2%増)、事業利益が4398億円(44.1%増)と最大の牽引役になった。国内ユニクロ事業の売上収益は1兆848億円(5.7%増)、事業利益は1960億円(8.1%増)で、為替予約レートが円安だった影響で粗利率は若干低下した。ジーユー事業は売上収益3367億円(1.8%増)、事業利益315億円(11.0%増)、グローバルブランド事業は売上収益1285億円(2.3%減)、事業利益28億円(6.8%増)だった。
株主還元は、年間配当が850円で前期比350円の増配である。株探は「前期配当を210円増額」と報じており、比較の基準が異なるとみられる(株探)。今期(2027年8月期)の会社見通しは、売上収益4兆4500億円(12.3%増)、事業利益8300億円(15.5%増)、親会社帰属利益5600億円(3.2%増)、年間配当900円(50円増配予想)で、7期連続の最高益を見込む(ファーストリテイリング IR)。
株価反応は引け後の発表のため、8日の終値(日経平均は993円安)は決算前の水準である。9日の取引での反応は本レポート時点で確認できない(マネックス証券)。
セブン&アイ・ホールディングス(3382) — 2026年度第2四半期(2026年3〜8月)
上期の経常利益は19%増益で着地した(ToMO Blog)。売上高、営業利益、事業別の内訳、通期見通しの修正有無、コンセンサスとの比較は、一次情報(決算短信)を確認できなかったため記載しない。
3. 経営陣が語ったこと
両社とも決算説明会や記者会見での発言は、本レポート時点の出典から確認できなかったため、記載しない。
4. 業界トレンド
ファストリは海外ユニクロの利益が44.1%増と国内(8.1%増)を大きく上回り、成長の源泉が海外に移っていることがうかがえる。国内ユニクロは円安による為替予約レートの悪化で粗利率が下がっており、円安が輸入コストに響く内需型の事業にとっては逆風となる構図が見える。セブン&アイは詳細が不明なため、小売の業界横断の結論は出せない(筆者の解釈を含む)。
5. 決算シーズンの進捗
暦年ベースの第3四半期決算シーズンは、米国では例年10月中旬の大手銀行から本格化する。S&P500の発表済み社数やEPS成長率の集計は、今回確認できなかった。
6. 次の注目決算
- 前回挙げたデルタ航空の発表日(10月9日前後とされる)は、今回も一次情報で確認できなかった。正式な日程は各社のIRで確認する
- ファーストリテイリングとセブン&アイの株価反応は、9日の東京市場で確認する
- 米国の大手銀行決算は例年10月中旬に始まるが、具体的な日程は未確認である

