前回からの変化

前回(2026-10-08、10月7日の取引)との比較である。

変わったこと(変化・新規)

  • S&P500は前回の7,801.77から7,765.36へ36.41ポイント(0.47%)下落し、ナスダック総合は27,538.69から27,193.34へ345.35ポイント(1.25%)下落した。前回はほぼ同率(0.22%安)の下げだったが、ナスダックの下げ幅が大きく広がった(Yahoo Finance: 10/8 市況)
  • NYダウは前回の0.66%安から一転して0.10%高(51,179.87から51,231.64)になった。ラッセル2000も前回の1.31%安から横ばい(2,793.20から2,794.13、0.03%高)に落ち着いた
  • 新規材料として、フィナンシャル・タイムズの報道を受けたOpenAIの売上推計の下方修正が加わり、AI関連株の売りを招いた。SOX指数は日中に最大4%下落した
  • 前回予告した注目点のうち、米新規失業保険申請件数(10月3日週)は19万7,000件と前週より2,000件減少し、労働市場の底堅さが確認された

昨日と同じこと(継続)

  • 原油高が物価の警戒を強める構図は前回と同じ。WTIは91ドル(3.19%高)、ブレントは104ドルだった
  • AI関連への資金集中とその割高感が相場の焦点である点は変わらない

要因の連続性

  • 継続要因: 原油高とインフレ懸念、高水準の長期金利という上値抑制要因は前回に続いて働いた
  • 新規要因: OpenAIの売上推計をめぐる報道が、AI関連株の下落要因として新たに加わった
  • 解消した要因: 前回の重しだった議事要旨の年内利上げへの言及は一巡した。10年債利回りも前回の5.3%台から5.23%へ低下し、ダウとラッセル2000の下落は止まった

市況サマリー

指数 終値 騰落率 前回終値
S&P500 7,765.36 マイナス0.47% 7,801.77
NASDAQ総合 27,193.34 マイナス1.25% 27,538.69
NYダウ 51,231.64 プラス0.10% 51,179.87
ラッセル2000 2,794.13 プラス0.03% 2,793.20

取得時点は2026年10月8日のNY市場引け値(Yahoo Finance: 10/8 市況)。ナスダック100の終値は確認できなかったため、ナスダック総合を記載する。

指数別動向

S&P500

S&P500は2日続落した。日中は午前11時37分(米東部時間)時点で7,771と0.39%安にとどまっていたが、AI関連株の売りが広がって引けにかけて下げ幅を広げた(Yahoo Finance: 昼の市況)。

ナスダック総合・ナスダック100

ナスダック総合は1.25%安と3指数の中で下げが最も大きかった。OpenAIの年換算売上高が従来の推計より200億ドル低かったとの報道を受けて半導体株が売られ、NVIDIAは2.94%安、インテルは5.34%安、マイクロンは5%超下落した(Yahoo Finance: 10/8 市況)。このほかマーベル・テクノロジーとAMDも売られた。ナスダック100の騰落率は未確認。

NYダウ

NYダウは51.77ドル高の51,231.64ドル(0.10%高)で、3指数で唯一上昇した。AI関連の比率が低く、売りの影響を受けにくかったとみられる(推測)。

強気派 vs 弱気派

弱気派・警戒派: ブリッジウォーター・アソシエイツ創業者のレイ・ダリオ氏は、AIの上昇に1929年やドットコム期のバブルの兆候があると7月の番組で指摘しており、8日の市況記事もAI市場の過熱への懸念を重ねて指摘したと伝えた。根拠は、ファンダメンタルズ(企業の実力)と乖離した高い株価、経験の浅い投資家の参加、レバレッジの多用である(Fortune、Yahoo Finance: 昼の市況)。

強気派: 8日分では、発言者と根拠を確認できる強気の主張を見つけられなかった。個別材料としては、みずほがマラソン・ペトロリアムの目標株価を引き上げたと伝わった。前回は強気側の根拠に第3四半期の増益見通しが挙がっていたが、今回はAI関連株の売りが前面に出ている。強気・弱気とも、3サイト以上の網羅はできていない。

経済ニュース

主な指標は米新規失業保険申請件数で、10月3日週は19万7,000件(市場予想20万0,000件)と、前週から2,000件減った。卸売在庫の確報値(8月)は0.5%(予想0.7%)だった(みんかぶFX: NY時間の発言)。

個別では、チポトレ・メキシカン・グリルが買収報道で上昇し、ユニバーサル・ディスプレイはシティの格下げで下落した(Yahoo Finance: 昼の市況)。米30年債入札は最高落札利回りが5.618%で、前回の9月入札の5.308%から31bp上昇した(Yahoo Finance: 10/8 市況)。

金利・為替が株に効いた分

10年債利回りは5.23%と、前日の5.3%台から低下した。30年債は5.61%だった。長期金利の低下はグロース株に追い風だが、この日はAI関連の売りが勝った。原油高によるインフレ懸念も重しだった(Yahoo Finance: 10/8 市況)。VIX(恐怖指数)は15.41(2.19%上昇)と、警戒感は限定的な水準にとどまった。ドル円は終盤に157円台半ばへ下げた(詳細はfxを参照)。

テクニカル分析(S&P500・ナスダック100・NYダウ)

移動平均線・RSIなどの数値は、今回の出典では確認できなかった(未確認)。確認できる範囲では、S&P500の終値7,765.36は10月7日の終値7,801.77を下回り、2日続けて最高値圏から離れた。VIXは15.41で、「恐怖」とされる水準には遠い。SOX指数が日中に最大4%下げた点は、半導体株の売りの強さを示すが、引けにかけての戻しの幅は確認できなかった。断定はできず、金利と原油の動き次第で調整が続くか、押し目買いが入るかが分かれる。

今夜の注目イベント

9日(金)の具体的な予定は今回の出典で確認できなかった。為替カテゴリの予定では、米ミシガン大学消費者態度指数の速報値が出る。OpenAIをめぐる報道の続報とAI関連株の反応、原油の動きに引き続き注意が必要である。