前回からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • 千葉・神奈川両県の死者は前回の11人から12人へ増加した。千葉県鴨川市西町で土砂崩れにより倒壊した住宅から、行方不明だった60代男性とみられる遺体が25日午後に見つかり、死亡が確認された(NHKニュース)。
  • 千葉県市原市で新たに60代男性1人の行方不明が判明した。22日午前9時半ごろ、市原市石川の川で所有者不明の白い軽乗用車が見つかり、警察は転落した可能性があるとみて捜索している(Yahoo!ニュース/TBS NEWS DIG)。この結果、行方不明者は前回の3人から変わらず3人(鴨川市分が市原市分に置き換わる形)となっている。
  • 政府は台風25号による被害を、梅雨前線から続く千葉豪雨などの一連の気象現象とあわせて激甚災害(本激)に指定する方針を固めた。木原稔官房長官は「調査中の方を含め、死者12人との報告を受けている」と述べた(Yahoo!ニュース/毎日新聞)。
  • 国土交通省は25日、印旛沼・長門川の堤防決壊箇所で緊急復旧工事に着手した。台風26号の接近を踏まえ、1週間程度をめどに応急復旧と浸水地区の排水完了を目指す方針(ライブドアニュース)。
  • 千葉県内で台風の強風・倒木による停電が新たに発生し、25日11時時点で約1万世帯(市原市・君津市・木更津市・鴨川市など)が停電した(NHKニュース)。土砂崩れ・倒木で道路が寸断された地域では復旧作業に着手できず、長期化のおそれがある(NHKニュース)。
  • 政府は災害対応の司令塔となる新組織「防災庁」を11月2日に発足させることを25日の閣議で決定した(KSB瀬戸内海放送)。
  • 26日は秋雨前線の影響で関東を中心に警報級の大雨となるおそれがあり、気象庁が土砂災害への警戒を呼びかけている(Yahoo!ニュース)。

昨日と同じこと(継続)

  • 千葉県長柄町の70代男性と神奈川県三浦市の20代女性の行方不明者の捜索が、自衛隊・警察・消防により引き続き行われている。
  • 印旛沼周辺(成田市・栄町)では冠水・浸水が続いており、排水作業が継続している。
  • JR内房線(姉ケ崎〜木更津間)の運転見合わせは続いており、復旧には少なくとも3カ月程度かかる見通しに変わりはない。
  • 台風26号「スリゲ」は引き続き沖縄への接近が警戒されている。

要因の連続性

  • 継続要因: 台風25号による記録的大雨で緩んだ地盤と、印旛沼周辺の排水の遅れが、引き続き被害拡大・復旧の遅れの主因となっている。
  • 新規要因: 台風26号の接近という時間的制約により、印旛沼堤防の復旧を1週間程度に急ぐ方針が加わった。また26日の秋雨前線による大雨が、被災地への追加リスクとして新たに加わった。
  • 解消した要因: 交通面ではJR外房線の全線運転再開により支障の一部が解消したが、停電は新規発生分があり全体としては解消していない。

1. 被害サマリー

項目 千葉県 神奈川県
死者 8人 4人
行方不明 2人(長柄町70代男性・市原市60代男性) 1人(三浦市20代女性)
住家被害 625棟(全壊22・半壊10・床上浸水408など、24日9時時点から更新未確認) 複数の家屋被害(横須賀市・三浦市中心)
停電 約1万世帯(25日11時時点、市原市・君津市・木更津市・鴨川市など) 情報なし

(死者12人・行方不明3人は2026年9月25日時点、政府発表・報道各社による。このほか宮崎県で1人が死亡しており、これを含めた全国の死者は13人となる。数字は速報であり今後変わりうる)

2. 災害別の状況

台風25号による死者・行方不明者の更新(千葉県・神奈川県)

千葉県鴨川市西町で21日に土砂崩れに巻き込まれ行方不明となっていた60代男性とみられる遺体が、25日午後1時半ごろに見つかり死亡が確認された。これにより千葉・神奈川両県の死者は計12人となった。一方、千葉県市原市では22日午前9時半ごろ、石川の川で所有者不明の白い軽乗用車が発見され、所有者の60代男性と連絡が取れなくなっていることが新たに判明し、警察は転落の可能性を視野に捜索している。結果として行方不明者は千葉県長柄町の70代男性・市原市の60代男性、神奈川県三浦市の20代女性の計3人となっている(NHKニュース、Yahoo!ニュース/TBS NEWS DIG)。

政府、激甚災害への指定方針を固める

木原稔官房長官は25日の会見で、台風25号による被害について「梅雨前線から千葉豪雨までの一連の気象現象と一連性がある判断をされ、農地等にかかる本激の指定が見込まれている」と述べ、政府として激甚災害(本激)に指定する方針を固めたことを明らかにした。死者数については「調査中の方を含め、死者12人との報告を受けている」と説明し、千葉・神奈川両県で3人の行方が分かっていないとした。指定対象は当面、農地等の復旧事業に関する国庫補助率の引き上げ(通常より約1割上乗せ)で、道路・河川堤防などの公共土木施設や福祉施設については被害状況の調査を踏まえて判断するとしている(Yahoo!ニュース/毎日新聞、日本経済新聞)。

印旛沼堤防、緊急復旧に着手

国土交通省は25日、印旛沼(成田市・北印旛沼)および長門川(栄町)の堤防決壊箇所で緊急復旧工事に着手した。台風26号の接近が見込まれる中、1週間程度をめどに応急復旧および浸水地区の排水完了を目指す方針を示している。決壊箇所は北印旛沼(船形干拓地区)と角川、長門川の計3カ所で、周辺ではなお冠水が続いている(ライブドアニュース、千葉県)。

新たに接近する台風26号「スリゲ」

台風26号「スリゲ」は25日午後9時時点で中心気圧998ヘクトパスカル、中心付近の最大風速23メートル、最大瞬間風速35メートルとなり、沖縄の南を遅い速度で進んでいる。27日には「強い」勢力まで発達する見込みで、沖縄への影響が長引くおそれがある。その後は進路を北から東寄りへ変える予想もあり、本州への影響の有無・時期にはなお幅がある(ウェザーニュース)。

3. 生活・交通・インフラへの影響

  • 停電: 台風による強風・倒木で千葉県内に新たな停電が発生し、25日11時時点で市原市(約5,600戸)、君津市(約5,090戸)、木更津市(約2,450戸)、鴨川市(約2,510戸)など合計約1万世帯が停電した。東京電力パワーグリッドは千葉県内に人員を重点配置して復旧を急いでいるが、土砂崩れ・倒木で道路が寸断され作業の見通しが立っていない地域もあり、長期化のおそれがある(NHKニュース、日本経済新聞)。
  • 鉄道: JR内房線(姉ケ崎〜木更津間)は土砂流入被害により運転見合わせが続き、復旧には少なくとも3カ月程度かかる見通しに変わりはない。外房線は24日始発で全線運転を再開済み。
  • 道路: 印旛沼周辺(成田市・栄町)の通行止めが継続しているほか、千葉県内の一部地域で土砂崩れ・倒木による道路寸断が停電復旧作業の妨げにもなっている。

4. 産業・経済への影響

印旛沼周辺や河川流域の水田で冠水被害が拡大しており、農業被害の全容はなお集計中とみられる。政府が検討する激甚災害指定では、農地等の復旧事業について国庫補助率を通常より約1割引き上げる方針が示されている(日本経済新聞)。工場の操業停止など製造業への具体的な新規被害情報は本レポート作成時点で確認できていない。

5. 行政の対応と支援

政府は台風25号による被害を、梅雨前線から続く一連の大雨(千葉豪雨など)とあわせて激甚災害(本激)に指定する方針を固めた。国土交通省は印旛沼・長門川の堤防決壊箇所で緊急復旧工事に着手し、台風26号の接近を踏まえて1週間程度をめどに応急復旧を急いでいる。あわせて政府は25日の閣議で、災害対応の司令塔となる新組織「防災庁」を11月2日に発足させることを決定した。全国2カ所に地方拠点「防災局」を設置する予定で、細野防災庁設置準備担当大臣は新組織の体制整備を進める考えを示した(KSB瀬戸内海放送)。千葉県では引き続き罹災証明書の申請受け付けが進められている。

6. 今日の警戒情報

26日は停滞する秋雨前線の影響で、東北南部から九州にかけて広く雨となり、関東では警報級の大雨となるおそれがある。台風25号の被災地では地盤が緩んでいる箇所が多く、追加の降雨による土砂災害・浸水の再発に厳重な警戒が必要である(Yahoo!ニュース)。

台風26号「スリゲ」は27日に「強い」勢力で沖縄に接近する見込みで、沖縄では暴風・高波への備えが必要な段階に入っている。その後の進路には幅があり、本州への影響が及ぶ可能性も含め、気象庁・気象各社の最新情報を確認しておきたい。