前回からの変化
変わったこと(変化・新規)
- 原油は前回(24日)、フーシ派のサウジ攻撃を受け急伸(WTI+2.82%・94.76ドル、ブレント+3.83%・107.03ドル)していたが、25日は一転して急反落した。WTIは92.43ドル(前日比-2.29%)、ブレントは104.50ドル(-2.09%)となり、週間ベースではWTIが約7.4%安となった。イランが米国に対し6月の暫定合意への復帰を求めたと伝わり、ホルムズ海峡再開への思惑が広がったことが下落要因となった(新規、TradingEconomics: WTI原油、TradingEconomics: ブレント原油)。
- 米・イラン間の協議は、前回報じられた「ホルムズ海峡の段階的再開と米国による経済封鎖緩和」の枠組みに沿った動きとみられ、ロイター報道によれば両国は引き続き段階的な合意を模索している段階にある(新規・詳細判明、Bloomberg)。
- 前回続落していた金・銀は、25日は小幅ながら上昇に転じた。金は4,285.00ドル(前日比+0.24%)、銀は64.28ドル(+0.72%)となった。もっとも週間では金が1%超安とされ、方向感としては引き続きドル高・米金利高の重しが意識される局面にある(新規、TradingEconomics: 金、TradingEconomics: 銀)。
- 天然ガスは前回の3.22ドル(7月来の高値)から一転して3.20ドル(前日比-3.02%)まで反落した。前日までの急伸を受けた利益確定売りが優勢となった(新規、TradingEconomics: 天然ガス)。
- 大豆は1,319.57セント/bu(前日比+0.19%)と小幅高となり、2023年12月以来の高値圏で推移している。米中首脳会談(24日)での貿易休戦延長を受け、中国の米国産大豆需要への期待が意識されている(新規、TradingEconomics: 大豆)。
昨日と同じこと(継続)
- 銅は6.71ドル/ポンド(前日比-0.18%)とほぼ横ばいで、記録的な高値圏を維持している。前回既報のSprott Asset Managementによる世界の鉱山銅生産の構造的減少見通しに新たな進展は確認できなかったが、高値圏の値動きは供給不安観測と整合的である(継続)。
- ドル高・米金利高を背景とした金・銀への逆風という基本構図自体は、25日の小幅高があっても大きくは変わっていない。
要因の連続性
- 継続要因: 銅の供給逼迫観測(Sprott指摘)は前回に続き高値圏の背景として働いている。
- 新規要因: イランによる米国への「6月の暫定合意への復帰」要求、米中首脳会談を受けた大豆の中国需要期待が新たに加わった。
- 解消した要因: 前回、原油急伸の主因だった「フーシ派のサウジ攻撃」による地政学リスクプレミアムは、イランの提案報道を受けて25日はいったん大きく後退した。天然ガスの急伸も利益確定売りで一服した。
1. 価格サマリー
| 商品 | 価格(目安) | 変化 | 限月・指標 |
|---|---|---|---|
| 金 | 4,285.00ドル(9/25) | 前日比+0.24% | スポット目安 |
| 銀 | 64.28ドル(9/25) | 前日比+0.72% | スポット目安 |
| WTI原油 | 92.43ドル(9/25) | 前日比-2.29% | NYMEX期近 |
| ブレント原油 | 104.50ドル(9/25) | 前日比-2.09% | ICE期近 |
| 銅 | 6.71ドル/ポンド(9/25) | 前日比-0.18%、高値圏を維持 | Comex目安 |
| 天然ガス | 3.20ドル/MMBtu(9/25) | 前日比-3.02% | Henry Hub |
| 大豆 | 1,319.57セント/bu(9/25) | 前日比+0.19% | CBOT目安 |
原油はイランの提案報道を受けて急反落し、金・銀は小幅高、天然ガスは急伸の反動で下落した(TradingEconomics: WTI原油、TradingEconomics: ブレント原油)。
2. 商品別動向
金・銀
金は前日比0.24%高の4,285.00ドル、銀は0.72%高の64.28ドルと、前回までの続落から小幅に切り返した。もっとも週間では金が1%超安とされ、ドル指数の高止まりと米長期金利の高水準(2007年6月以来19年ぶり)が引き続き重しとなっている(詳細はecon_indicatorsカテゴリ参照)。
原油
原油は25日、前日までの急伸から一転して急反落した。イランが米国に対し、6月に合意した暫定枠組みへの復帰を求めたと伝わり、ホルムズ海峡再開に向けた思惑が広がった。ロイター報道によれば、米国とイランはホルムズ海峡の再開と米国による経済封鎖緩和を組み合わせた段階的な合意を引き続き模索している段階にある。WTIは前日比2.29%安の92.43ドル、ブレントは2.09%安の104.50ドルとなり、週間ではWTIが約7.4%安となった(TradingEconomics: WTI原油、Bloomberg)。
銅
Comex銅はおよそ1ポンド6.71ドル(前日比-0.18%)とほぼ横ばいで、記録的な高値圏を維持している。前回既報のSprott Asset Managementの指摘(世界の鉱山銅生産が2017年以来初めて年間ベースで減少する可能性)に新たな続報はないが、高値圏での底堅い値動きが続いている(TradingEconomics: 銅)。
天然ガス・農産物
天然ガス(Henry Hub)は3.20ドル/MMBtu(前日比-3.02%)まで反落した。前日までの急伸(13週間ぶりの高値)を受けた利益確定売りが優勢となった。大豆(CBOT目安)は1,319.57セント/bu(前日比+0.19%)と小幅高で、2023年12月以来の高値圏を維持している。24日の米中首脳会談で貿易休戦の延長が決まったことを受け、中国の米国産大豆需要への期待が引き続き意識されている(TradingEconomics: 天然ガス、TradingEconomics: 大豆)。
3. 急変動の特集
特集なし。25日は前日のフーシ派攻撃を受けた急伸の反動で原油が反落する場面が目立ったが、目安として定めている「1日で±3%超」の急変動には(騰落率ベースで)一部の商品(原油・天然ガス)が該当する。もっとも背景は前日から続く地政学リスクの綱引きの範囲内であり、独立した特集というより「前回からの変化」の項で扱う位置づけとした。
4. 強気派 vs 弱気派
原油
- 弱気: イランが米国に暫定合意への復帰を求めたと伝わったことで、ホルムズ海峡再開への思惑が広がり、地政学リスクプレミアムが後退したとの見方が広がった(新規、Bloomberg)。
- 強気: もっとも、イランの要求(海上封鎖の全面解除、制裁解除、周辺米軍の撤収など)は米国にとってハードルが高く、交渉が難航すれば地政学リスクプレミアムが再び積み上がるとの見方も残る。
金・銀
- 弱気: ドル高・米金利高・FRBの追加利上げ観測が金・銀の重しになっているとの見方は前回から継続している(継続)。
- 強気: 25日は小幅ながら金・銀がそろって上昇しており、値ごろ感からの押し目買いが入ったとの見方もある(新規)。
大豆
- 強気: 米中首脳会談での貿易休戦延長を受け、中国の米国産大豆需要が回復するとの期待が相場を下支えしているとの見方がある(新規)。
5. 地政学・物価関連ニュース
イランが米国に対し6月の暫定合意への復帰を求めたと伝わったことで、ホルムズ海峡再開・米国による経済封鎖緩和に向けた協議進展への思惑が広がり、原油価格は急反落した。エネルギーコストの変動は電気代・ガソリン価格を通じた物価への波及が見込まれ、FRBの金融政策運営にも影響しうる(詳細はecon_indicators・fxカテゴリ参照)。もっとも、イランの要求内容(海上封鎖の全面解除・制裁解除・米軍撤収)は米国にとって受け入れやすいものではなく、交渉の帰趨は依然不透明である。
6. テクニカル分析
金: 4,285.00ドルまで小幅に切り返したが、週間ベースではなお1%超安とされる。4,300ドル台が目先のレジスタンスとして意識される水準に変わりはない。
銀: 64.28ドルまで反発した。金銀レシオは前回のおよそ67倍からやや低下しているとみられる(精密な最新値は確認できず)。
WTI原油・ブレント原油: いずれも急反落し、WTIは週間で約7.4%安となった。地政学リスクの綱引きにより振れ幅の大きい展開が続いており、次の材料(米・イラン協議の進展有無)を睨んだレンジ内での上下動が見込まれる。
銅: 6.71ドル近辺で高値圏を維持しており、前回既報の6.00〜6.10ドル帯という従来の抵抗帯が新たな下値支持帯として意識される構図に変わりはない。
天然ガス: 13週間ぶりの高値からの反落となったが、季節要因(高温予想)・供給要因(生産減少)自体は残っており、押し目としての性格が強いとの見方もある。
農産物: 大豆は2023年12月以来の高値圏で推移しており、中国の需要動向次第でさらに上値を試す可能性がある。

