前回からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • 死者数が前回の9人から11人へ増加した(千葉7人・神奈川4人)。神奈川県横須賀市で土砂崩れに巻き込まれ行方不明だった70代女性の死亡が24日午後4時時点で新たに確認された(時事通信)。
  • 行方不明者は前回の4人から3人へ減少した(千葉2人・神奈川1人)。
  • 印旛沼の堤防決壊は前回の成田市内2カ所から、印旛郡栄町の長門川を加えた3カ所へ拡大した(ジモはる)。
  • 千葉県の住宅被害は前回の約500棟から625棟(全壊22棟・半壊10棟・床上浸水408棟など)へ拡大し、全国(千葉・神奈川・茨城・東京・宮崎の1都4県)では687棟、負傷者43人が新たに消防庁まとめで判明した(24日午前9時時点)。
  • 千葉県で災害救助法が適用され、八千代市・船橋市など複数の市で24日から罹災証明書の受付が始まった。
  • 国土交通省が緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)を印旛沼堤防の復旧支援に派遣した。
  • JR外房線(千葉〜安房鴨川)が24日始発で全線運転を再開した(NHKニュース)。

昨日と同じこと(継続)

  • 千葉・神奈川両県で自衛隊・警察・消防による行方不明者の捜索が引き続き行われている(朝雲デジタル)。
  • JR内房線は姉ケ崎〜木更津間などで運転見合わせが続いており、復旧には少なくとも3カ月以上かかる見通しに変わりはない(ジモはる)。
  • 印旛沼周辺の排水作業が続いている。水位は24日時点で3.51メートルまで下がったものの、氾濫注意水位(3.40メートル)を依然として上回っている。
  • 地盤の緩みによる土砂災害への警戒が引き続き必要な状況が続いている。

要因の連続性

  • 継続要因: 台風25号がもたらした記録的大雨による地盤の緩みと、利根川上流の増水が印旛沼の排水を妨げている状況が、前回に続き被害拡大の主因として働いている。
  • 新規要因: 印旛郡栄町・長門川での堤防決壊という新たな被害要因が加わったほか、フィリピン東で発生した台風26号「スリゲ」が今後の新たな警戒対象として加わった。
  • 解消した要因: JR外房線の全線運転再開により、交通面での支障は一部解消した。

1. 被害サマリー

項目 千葉県 神奈川県
死者 7人 4人
行方不明 2人(長柄町・鴨川市) 1人(三浦市)
住家被害 625棟(全壊22棟・半壊10棟・床上浸水408棟など) 複数の家屋被害(横須賀市・三浦市中心)
特記 印旛沼(成田市・栄町)で堤防が3カ所決壊 横須賀市で土砂崩れの70代女性の死亡確認

(時点: 千葉・神奈川の死者11人・行方不明3人は2026年9月24日午後4時時点、時事通信による。住家被害・負傷者数は総務省消防庁まとめの24日午前9時時点(TBS NEWS DIG)で、千葉県625棟・全国[千葉・神奈川・茨城・東京・宮崎の1都4県]687棟・負傷者43人。同時点で宮崎県でも1人が死亡しており、これを含めた全国の死者は12人となる。数字は速報であり今後変わりうる)

2. 災害別の状況

台風25号による死者・行方不明者の更新(千葉県・神奈川県)

神奈川県横須賀市では、21日に自宅が土砂崩れに巻き込まれて行方不明となっていた70代女性の死亡が24日、新たに確認された。これにより神奈川県の死者は3人から4人に増え、千葉・神奈川両県の死者は計11人となった。行方不明者は千葉県長柄町の70代男性・鴨川市の60代男性、神奈川県三浦市の20代女性の計3人で、自衛隊・警察・消防による捜索が続いている(時事通信、朝雲デジタル)。

印旛沼の堤防決壊が3カ所に拡大(千葉県成田市・栄町)

千葉県成田市の北印旛沼(船形干拓地区、約100メートル)と角川の農業排水路に加え、下流の印旛郡栄町酒直を流れる長門川でも堤防の一部決壊が確認され、決壊箇所は計3カ所となった。周辺では河川の水があふれる洪水と沼の逆流による浸水が同時に進行した。北印旛沼の水位は21日夜に観測開始(1969年)以来最高の4.84メートルに達したのち、成田市によるポンプ車11台での緊急排水や水資源機構の印旛機場・大和田機場のフル稼働により、24日時点で3.51メートルまで低下した。ただし氾濫注意水位の3.40メートルは依然として上回っており、上流の利根川の増水が排水の妨げとなっている(ジモはる)。

新たに接近する台風26号「スリゲ」

フィリピン東で23日夜に発生した台風26号「スリゲ」は、24日午後3時時点で中心気圧1002ヘクトパスカル、最大風速20メートルで西よりに進んでいる。今後発達しながら向きを北寄りに変え、27日に暴風域を伴い、28日には「強い」勢力で沖縄の南へ達する見込み。その後の進路には幅があり、来週にかけて本州への影響の可能性も含めて今後の情報に注意が必要である(ウェザーニュース)。

3. 生活・交通・インフラへの影響

  • 鉄道: JR東日本によると、23日まで終日運休していた外房線(千葉〜安房鴨川)は24日始発で全線運転を再開した。一方、内房線は姉ケ崎〜木更津間の土砂流入被害が大きく運休が続いており、復旧には少なくとも3カ月以上かかる見通し。久留里線の一部区間も復旧の見込みが立っていない(NHKニュース、ジモはる)。
  • 道路: 印旛沼周辺の成田市・栄町では堤防決壊に伴う通行止めが継続している。
  • 住宅: 千葉県は床上浸水した家屋について、罹災証明書申請に向けた被害写真の撮影(洗浄前)と、その後の消毒・乾燥を呼びかけている。

4. 産業・経済への影響

印旛沼周辺や高崎川流域の水田で冠水被害が広がっており、農業被害の拡大が懸念されている。工場の操業停止など製造業への具体的な被害情報は本レポート作成時点で確認できていない。損害保険各社は水災補償の請求受け付けを進めており、罹災証明書・被害届出証明書があわせて必要になる場合があると案内されている(日本損害保険協会)。

5. 行政の対応と支援

千葉県では台風25号による災害に災害救助法が適用されており、八千代市・船橋市など複数の市で24日から罹災証明書・被害届出証明書の申請受け付けが始まった(千葉県)。国土交通省関東地方整備局は印旛沼堤防の復旧支援のため緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)を派遣し、排水ポンプ車を追加配置している(ジモはる)。神奈川県・千葉県では自衛隊による行方不明者の捜索も引き続き行われている(朝雲デジタル)。

6. 今日の警戒情報

印旛沼は水位が氾濫注意水位を依然として上回っており、成田市・栄町周辺では追加の浸水への警戒が必要である。台風25号がもたらした大雨で地盤が緩んでいる地域では、引き続き土砂災害への注意も欠かせない。

また、新たに発生した台風26号「スリゲ」は28日ごろ「強い」勢力で沖縄の南へ達する見込みで、気象庁・気象各社の最新の進路情報に注意したい。沖縄では来週にかけて暴風・高波への備えを進める段階であり、本州への影響が及ぶ可能性についても今後の情報を確認しておきたい。