前回からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • 大手暗号資産取引所Bitgetで9月25日午前3時31分(日本時間)、不正な送金が検知された。攻撃者は秘密鍵を盗んだのではなく、ウォレット基盤を支える重要なバックエンドシステムに侵入して送金データを偽装し、Bitgetの正規の承認プロセスを不正に起動させる手口を使ったとされる。当初の被害推計は約3億5,160万ドル(約558億円)だったが、ジーキャッシュ・トロン上の資産の集計漏れが判明し、25日に約3億8,750万ドル(約610億円)へ上方修正された(追加の盗難が発生したわけではないと説明されている)。同社は北朝鮮系ハッカー集団の関与を疑っていると明らかにした(新規、あたらしい経済、CRYPTO TIMES、JinaCoin)。
  • 被害はホットウォレット・ウォームウォレットの一部に限られ、コールドウォレットへの影響はないとされる。口座残高の記録は正確で、入金・取引は通常どおり継続しているが、出金は安全確認のため一時停止された。損失は保護基金(ビットコイン5,500枚、被害判明時点で約4億6,400万ドル相当)で全額補填する方針で、出金再開の計画は日本時間26日13時までに発表するとしている。あわせて資金回収に協力した場合に凍結・回収額の5%を支払う報奨金プログラムも開始した(新規、CRYPTO TIMES)。
  • FRBは9月24日、ステーブルコイン規制法(GENIUS法)の実施に向けた2つの規則案を公表した。準備資産を現金・一定の預金・残存期間93日以内の米国債などGENIUS法が認める適格資産に限定するほか、保有者への利息・利回り支払いを禁じる規定について、関連会社や特定の第三者を通じた支払いも「禁止と推定」する枠組みを新たに盛り込んだ。パブリックコメント期間は連邦官報掲載から60日間(新規、JinaCoin)。
  • ビットコイン現物ETFは24日、1億9,070万ドルの資金純流入を記録し6営業日連続の流入となった。累計純流入額は574億8,100万ドルに達し、イーサリアム・ソラナ関連ETFも資金流入が継続している(新規、JinaCoin)。
  • CFTCは、ブロックチェーン上の記録保存によって法定の記録保存義務を満たせるとの見解を新たに示した(新規、JinaCoin)。

昨日と同じこと(継続)

  • 米金利動向への感応度の高さは前回から継続しており、ビットコインは米長期金利の高止まり・上昇観測を意識した値動きが続いている。
  • SECの「Regulation Crypto Assets」(パブリックコメント期限10月20日)は引き続き審議中で、25日時点で新たな進捗の発表は確認できなかった。
  • 日本の金商法移行に関する改正法についても、25日時点で新たな進捗の発表は確認できなかった。

要因の連続性

  • 継続要因: 米金利・利上げ観測への感応度の高さは前回に続きビットコイン相場の重しとして働いている。
  • 新規要因: Bitgetの大規模ハッキング事件、FRBのステーブルコイン規則案の公表という、セキュリティ・規制両面での新たな材料が加わった。
  • 解消した要因: 前回懸念されていた「利上げ確率上昇による一段安」は、25日は限定的な下げにとどまり、ETFの資金流入継続もあって値動きは底堅さを取り戻した。

1. 価格サマリー

取得時点: 日本時間2026年9月25日夜(米国市場9月25日の取引を反映)。

銘柄 価格(ドル建て) 24時間騰落率
ビットコイン(BTC) 8万4,000ドル前後(安値8万2,875ドル・高値8万4,942ドル) ほぼ横ばい(-0.34%〜+1.51%、情報源により幅あり)
イーサリアム(ETH) 2,687ドル前後 ほぼ横ばい

出典: Investing.com

2. 銘柄別動向

ビットコイン(BTC)

25日は米長期金利の急上昇(2007年6月以来19年ぶりの高水準、詳細はecon_indicatorsカテゴリ参照)と、Bitgetの大規模ハッキング発覚という2つの重荷を抱えつつも、8万2,875ドル近辺で下げ止まり、その後8万4,942ドルまで値を戻すなど底堅さを見せた。週間ベースでは約3.4%の上昇を維持している(Investing.com)。

イーサリアム(ETH)

2,687ドル前後で推移し、大きな方向感は出なかった。現物ETFへの資金流入は継続しており、需給面での下支えが続いている(詳細な24時間騰落率は確度の高い情報を確認できなかった)。

その他アルトコイン

25日時点で確度の高い個別の値動き材料は確認できなかった(次回以降で補う)。

3. 強気派 vs 弱気派

強気派

  • ビットコイン現物ETFへの資金流入が24日に6営業日連続となり、累計純流入額は574億8,100万ドルに達した。機関投資家の需要が下支えとなっているとの見方がある(新規、JinaCoin)。
  • ビットコインがBitgetの大規模ハッキング発覚後も8万2,875ドル近辺で下げ止まり、その後値を戻したことは、需給の底堅さを示すとの見方もある。

弱気派

  • Bitgetの不正流出事件は「2026年に明らかになった取引所流出事件として最大」とされ、取引所の内部システムの脆弱性を突かれたことは業界全体のセキュリティへの懸念材料となる(CRYPTO TIMES)。
  • ビットワイズの調査では、機関投資家はビットコインを中核保有とする一方、イーサリアム・ソラナは「値上がりしなければ売却する」という条件付き保有戦略を取っているとされ、アルトコインへの信頼は限定的との見方が示された(新規、JinaCoin)。

4. 社会実装ニュース

25日時点で、新たな社会実装(実利用)ニュースの確度の高い情報は確認できなかった。前回既報の大手商業銀行による「トークン化預金ネットワーク」(2027年上半期稼働予定)からの進捗はない。

5. 法改正・規制ニュース

米国

FRBは9月24日、GENIUS法の実施に向けた2つの規則案を公表した。決済用ステーブルコイン発行体に対し、準備資産を現金・一定の預金・残存期間93日以内の米国債など適格資産に限定するよう求めるほか、信用・オペレーショナルリスクに対応する標準化された資本要件を設ける。保有者への利息・利回り支払い禁止についても、関連会社・第三者経由の支払いを「禁止と推定」する枠組みを新設した。パブリックコメント期間は連邦官報掲載から60日間(JinaCoin)。

CFTCは、ブロックチェーン上の記録保存によって法定の記録保存義務を満たせるとの見解を示した(JinaCoin)。SECの「Regulation Crypto Assets」(パブリックコメント期限10月20日)については、25日時点で新たな進捗は確認できなかった。

日本

金融庁が所管する暗号資産取引の金商法移行に関する改正法について、25日時点で新たな進捗の発表は確認できなかった。

6. テクニカル分析

ビットコイン(BTC)

25日は8万2,875ドル近辺を安値に反発し、8万4,942ドルまで値を戻した。前回既報の365日移動平均線突破(8万900ドル近辺)の水準は維持している。移動平均線・RSIの25日時点の確度の高い最新値は確認できなかった(次回以降で補う)。

イーサリアム(ETH)

2,687ドル前後で推移。移動平均線・RSIなど詳細なテクニカル指標の確度の高い最新値は本レポート作成時点で確認できなかった。

7. 業界トピック

  • Bitgetの不正流出事件: 約3億8,750万ドル(約610億円)相当が流出し、2026年に判明した取引所ハッキング事件として最大規模となった。北朝鮮系ハッカー集団の関与が疑われており、出金再開の計画は26日13時までに発表される予定(CRYPTO TIMES、JinaCoin)。
  • ビットコイン現物ETFの資金流入継続: 24日の純流入1億9,070万ドルにより6営業日連続の流入となり、累計は574億8,100万ドルに達した(JinaCoin)。