前回からの変化
変わったこと(変化・新規)
- 世界21金融機関のステーブルコイン新会社設立発表(新規): バンク・オブ・アメリカ、シティ、ゴールドマン・サックス、ウェルズ・ファーゴ、ドイツ銀行、UBS、サンタンデール、MUFG銀行など北米・欧州・アジア・中東を横断する21の金融機関が、ドル建てステーブルコイン発行専門の新会社を2026年後半に設立すると発表した。2027年上半期の稼働開始を目指し、その後ユーロなどG7通貨への拡大も視野に入れる。現時点では設立発表の段階で、実際の発行・流通はまだ始まっていない(PYMNTS)。
- FRB9月利上げ確率のさらなる上昇: 前回57.5〜60%だった9月FOMCの利上げ確率が、本日66.4%まで切り上がった。金・原油など他のリスク資産とともに、ビットコイン・イーサリアムの上値を抑える要因として継続・強化されている(Yahoo Finance)。
- BTC・ETHともに反発: BTCは前回のおよそ7万8,500ドル(+0.6%)から、本日は寄り付きおよそ7万8,595ドル(+1.2%)まで切り返した後、7万7,600〜7万7,900ドル圏まで上げ幅を縮小した。ETHも前回のおよそ2,420〜2,450ドル(-1.6%)から、本日は寄り付きおよそ2,465〜2,467ドル(+2.0〜2.1%)まで反発した後、2,430〜2,454ドル圏まで軟化した(CoinGabbar)。
- ゴールデンクロス接近の判明(新規): 前回は「具体的なテクニカル指標の確定値が確認できなかった」としていたが、本日新たに、BTCの50日EMA(7万30.42ドル)と200日EMA(7万2,323.67ドル)の乖離が3.17%まで収縮し、方向性としては強気のゴールデンクロス形成に近づいていることが判明した(CoinSpectator)。
- SEC・CFTCがForm PF開示義務を延期(新規): 米SECとCFTCが、ヘッジファンド等向けForm PF開示義務の適用を2027年7月まで延期したことが判明した。コンプライアンスコスト削減と追加検討の時間確保が理由とされる(CoinGabbar)。
- Lazarusグループの資金移動を確認(新規): 北朝鮮関連とされるハッカー集団Lazarusに関連するアドレスへ、分散型取引所Hyperliquid経由で3,000万ドル超がBTC・ETH・SOLなど複数チェーンにわたり移動したことが確認された(KuCoin)。
- Telegramが「Gram Wallet」を始動(新規): メッセージアプリTelegramが、非カストディアル型の暗号資産ウォレット「Gram Wallet」を初期ユーザー向けに立ち上げた。今後段階的に10億人超のユーザーへ展開する計画(KuCoin)。
昨日と同じこと(継続)
- CLARITY法案(暗号資産市場構造法案)は、上院で9月15日に討論終結(クローチャー)の手続き採決が予定されたまま日程に変更はない。不正資金対策(AML)条項・倫理条項を巡る対立も未解決で継続している(CoinDesk)。
- XRP現物ETFへの資金流入は継続しており、累計流入額は18億ドルに達した。価格が軟調な中でもゴールドマン・サックスなど機関投資家の保有継続が確認されている(CoinGabbar)。
- 日本の金融庁による暗号資産の金融商品取引法(金商法)移行に向けた制度整備について、本日新たな進展の確認はできなかった。
要因の連続性
- 継続要因: FRBの9月利上げ観測(前回57.5〜60%→本日66.4%)がリスク資産全般の重しとして継続し、むしろ強まっている。
- 新規要因: 世界21金融機関によるステーブルコイン新会社設立発表、ゴールデンクロス接近という強気テクニカル材料が新たに加わった。
- 解消した要因: 特になし(前回挙げたTectonic/Cronosハッキング事件の被害縮小は既に反映済みで、本日新たな進展はない)。
価格サマリー
取得時点: 日本時間2026年9月2日早朝(米国9月1日火曜の取引データに基づく)。
| 銘柄 | 価格(ドル建て) | 24時間騰落率 |
|---|---|---|
| ビットコイン(BTC) | 寄り付きおよそ78,595ドル、その後77,600〜77,900ドル圏まで軟化 | 寄り付き+1.2%、上げ幅は縮小 |
| イーサリアム(ETH) | 寄り付きおよそ2,465〜2,467ドル、その後2,430〜2,454ドル圏まで軟化 | 寄り付き+2.0〜2.1%、上げ幅は縮小 |
その他アルトコイン(ソラナ・XRPなど)の当日個別値動きについては、本日確認できる出典が見つからなかった。参考として、暗号資産市場全体の時価総額は2兆7,300億ドル(24時間+1.7%)、ビットコインドミナンスは57.8%、DeFi市場の時価総額は744億ドル(+2.3%)だった(CoinGabbar)。
銘柄別動向
ビットコイン(BTC)
火曜(9月1日)の寄り付きはおよそ7万8,595ドル(24時間+1.2%)と、前日の反落から切り返した。仮想通貨取引所ビットフィネックスは上昇の背景として現物買いと現物ETFへの資金流入を指摘している。もっとも、FRBの9月利上げ確率が66.4%まで上昇したことが重しとなり、その後はおよそ7万7,600〜7万7,900ドル圏まで上げ幅を縮小した。テクニカル面では、50日線と200日線の乖離が縮小しゴールデンクロス形成に接近しており、方向性としては強気に転じつつある(詳細はテクニカル分析を参照)。 出典: CoinGabbar、Yahoo Finance
イーサリアム(ETH)
火曜の寄り付きはおよそ2,465〜2,467ドル(24時間+2.0〜2.1%)とビットコインを上回る上昇を見せたが、その後はおよそ2,430〜2,454ドル圏まで上げ幅を縮小した。現物ETFへの資金流入が価格の下支えとなっている構図は前回から変わっていない。 出典: CoinGabbar、Yahoo Finance
その他アルトコイン
- リップル(XRP): 現物ETFへの資金流入が継続し、累計流入額は18億ドルに達した。価格自体は軟調とされるが、ゴールドマン・サックスなど機関投資家の保有継続が確認されている。当日の具体的な価格・騰落率は本日確認できる出典が見つからなかった。
- ソラナ(SOL)など他の主要アルトコインについても、当日の具体的な価格動向を確認できる出典が見つからなかった。
出典: CoinGabbar
強気派 vs 弱気派
強気派
- スタンダードチャータードのアナリスト、ジェフ・ケンドリック氏は2026年末目標としてビットコイン10万ドルを掲げ、8月時点で「自分の予想が低すぎるリスクが今年初めて出てきた」と述べ、上方修正の可能性を示唆している。
- ファンドストラットのトム・リー氏は主要アナリストの中で唯一、2026年末に20万〜25万ドルという強気予想を崩していない。50%規模の下落を経てもなお強気姿勢を維持している。
- バーンスタインは2026年末目標を15万ドルとし、現状の下落幅(54%)は過去のベア相場(75〜90%)より浅く、市場の成熟を示すものと評価している。JPモルガンも15万〜17万ドルを予想し、ETF資金フローの回復を根拠に挙げる。
出典: CoinGecko
弱気派
- シティグループは2026年の基本シナリオを8万2,000ドル、弱気シナリオを5万3,000ドルへ引き下げた。従来ETF純流入を100億ドル規模と見込んでいたが、これをゼロと想定する保守的な前提に転換したことが理由とされる。
- NYDIGは、過去の弱気相場(2014年・2018年・2022年)の平均下落率(およそ70%)を機械的に当てはめた場合、10月ごろに3万8,000〜3万9,000ドルまで下落しうるとの試算を示した(予報ではなくシナリオとして提示)。
- ピーター・ブラント氏は「デスクロス」の確定を根拠に、最低2万5,000ドルまでの下落を想定する。
- 直近の値動きとしては、FRBの9月利上げ確率が66.4%まで上昇したことが、株式・金と並びリスク資産全般への重しとして働いている。
社会実装ニュース
- 世界21金融機関、ドル建てステーブルコイン新会社設立を発表: バンク・オブ・アメリカ、シティ、ゴールドマン・サックス、ウェルズ・ファーゴ、フィデリティ、ドイツ銀行、UBS、サンタンデール、MUFG銀行など北米・欧州・アジア・中東・アフリカの主要金融機関21社が、ドル建てステーブルコイン発行専門の新会社を設立すると発表した。国際送金・機関投資家向け決済・リテール向け商品を計画しており、2027年上半期の稼働開始を目指す。現時点では設立発表の段階であり、実際の発行・流通は始まっていない(PYMNTS)。
- Telegramが非カストディアル型ウォレット「Gram Wallet」を始動: 利用者10億人超を抱えるメッセージアプリTelegramが、暗号資産の非カストディアル管理を可能にするウォレット「Gram Wallet」を初期ユーザー向けに立ち上げた。今後段階的に全ユーザーへ展開する計画で、発表のみでなく実際の提供が始まっている点で実利用に近い事例といえる(KuCoin)。
- NYSE親会社ICE、証券トークン化インフラのtZEROへ出資: NYSEを傘下に持つICEが、トークン化証券市場向けインフラを手がけるtZEROに出資し、インフラ開発で提携したことが判明した。RWA(実物資産のトークン化)分野での大手取引所グループの本格関与を示す事例だが、インフラ開発段階であり商用サービスの本番運用はまだ始まっていない(KuCoin)。
法改正・規制ニュース
米国
CLARITY法案(暗号資産市場構造法案)は、上院で9月15日に討論終結(クローチャー)の手続き採決が予定されたまま日程に変更はない。不正資金対策(AML)条項・倫理条項(政府高官の暗号資産事業からの利益取得を禁じる規定)を巡る対立が未解決のまま続いており、議会再開(9月14日)から10月の休会前までの審議可能日数はおよそ14日間と限られる(CoinDesk)。 また、SEC・CFTCはヘッジファンド等向けForm PF(プライベートファンド情報開示)義務の適用開始を2027年7月まで延期したことが判明した。コンプライアンスコスト削減と追加検討時間の確保が理由とされる(CoinGabbar)。
日本
前回既報の金融庁による暗号資産の金融商品取引法(金商法)移行に向けた制度整備について、本日新たな進展の確認はできなかった。
テクニカル分析
ビットコイン(BTC)
50日EMA(指数移動平均線、7万30.42ドル)と200日EMA(7万2,323.67ドル)の乖離が3.17%まで収縮しており、いわゆる「ゴールデンクロス」(短期線が長期線を上抜く強気シグナル)にはまだ達していないものの、方向性としては強気の収束が続いている。レジスタンス(上値抵抗)は8万1,500〜8万4,400ドルのゾーンにあり、8万4,400ドルを日足終値で上抜けば、9万8,068〜10万ドルへの上昇シナリオが視野に入るとされる。サポート(下値支持)は7万5,338ドル、200日EMA(7万2,323ドル)、50日EMA(7万30ドル)の順に控える。RSI(14日)はおよそ53と中立圏にあり、過熱感は一服している。市場心理を示すFear&Greed指数は69(「強気」水準)で、前日の62から上昇した(CoinSpectator、Newhedge、CoinGabbar、InvestingLive)。
イーサリアム(ETH)
現在の価格帯(およそ2,430〜2,470ドル)から、レジスタンスの2,555ドルを明確に奪回できるかが当面の焦点とされる。サポートの2,400ドルを維持できれば2,500ドル再試験の展開もあり得るが、割り込めば2,340ドルまで下落するリスクがあるとされる。日足RSIは買われすぎ圏に入っているとの指摘があり、短期的な反落リスクも意識される。値動きは現物ETFへの資金流入に支えられており、9月11日発表の米インフレ指標と、9月15〜16日のFOMCが次の材料として注目されている(Bitcoin Foundation)。
業界トピック
- Lazarusグループの資金移動を確認: 北朝鮮関連とされるハッカー集団Lazarusに関連するアドレスへ、分散型取引所Hyperliquidを経由して3,000万ドル超がビットコイン・イーサリアム・ソラナなど複数チェーンにわたり移動したことが確認された。
- Ontologyがメインネットを一時停止: ブロックチェーンプロジェクトOntologyが、セキュリティ上の懸念を特定したためメインネットのブロック生成を一時停止した。現時点で資産の喪失は確認されておらず、検証作業が進められている。
- Peach Bitcoin、スイスでカストディアル機能を一時停止: ビットコイン向けサービスのPeach Bitcoinが、規制審査を理由にスイスでのカストディアル機能を一時停止し、新たなKYC要件と取引制限を導入した。
- Strategy社、MSCI指数の組み入れ基準案に異議: ビットコイン大量保有企業のStrategy社が、MSCIが検討する指数組み入れ適格基準案の撤回を求めた。デジタル資産の保有状況が事業会社としての適格性判定に影響すべきではないと主張している。
出典: KuCoin、CoinGabbar

