前日からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • Strategyのビットコイン購入再開が正式確認: 前回レポートではSaylor氏の「We're ₿ack」投稿を受けた「示唆」段階だったが、本日、月曜提出の書類で正式に4,603BTC(3億6,970万ドル、平均取得単価8万318ドル)を購入したことが確認された。保有総数は84万5,050BTCに拡大。資金は普通株売却(6億280万ドル)と優先株買い戻し(1億5,180万ドル)を通じて調達し、純レバレッジはゼロになったとされる。10週間ぶりの購入再開で、同社は「守りから攻めに転じられるほど財務基盤が強固になった」と判断したとみられる(Bloomberg、The Block)。
  • 9月FOMC利上げ確率の一段の上昇: 前回56%前後(CME)だった9月利上げ確率が、本日57.5〜60%まで切り上がった。ウォーシュ議長のジャクソンホール講演に加え、市場全体でインフレ再燃への警戒が続いていることが背景。ビットコインは金利感応資産として株式・金とともに上値を抑えられている(COINOTAG)。
  • BTC価格(反落継続): 先週付けた8万1,000ドル超の高値から反落し、本日はおよそ7万8,500ドル(24時間ではプラス0.6%)で推移。8月月間ではなおプラス24%と大幅高を維持している(COINOTAG)。
  • Tectonic/Cronosハッキング事件の被害額が精査: 前回は推定6,600万〜7,500万ドルの流出と報じられていたが、本日の詳報で、攻撃者はガバナンストークンTONICの価格を20分で300倍に吊り上げる担保操作により7,400万ドル超を借り入れたものの、Cronosの検証者が取引を即座に凍結したため、実際に流出した被害額はおよそ600万ドルにとどまったことが判明した。被害規模は前回報告より大幅に縮小した(Bloomberg)。
  • 8月の暗号資産被害額が集計判明: CertiKの集計により、2026年8月の確認済み被害額は合計およそ2億1,500万ドルで、うちDeFi関連が1億4,460万ドル、フィッシングが4,150万ドルだったことが新たに判明した。前回まで個別事件(Coldcard・Fogo・Tectonic)ごとに報告していたが、月間集計値が確定した(CryptoTimes)。
  • Worldpay・BVNKのステーブルコイン即時決済提携(新規): 決済大手Worldpayが暗号資産インフラ企業BVNKと提携し、米国・欧州の法人顧客向けにステーブルコインによるほぼ即時の支払い(ペイアウト)を提供すると発表した。前回未報告の新規の社会実装ニュース(GlobeNewswire)。
  • XRP・SOLの続落: XRPは1.35ドル(24時間-3.0%、週間-10.2%)へ続落。ソラナ(SOL)も心理的節目の100ドル前後まで下げ、前日の3%安に続く軟調地合いとなった(FXStreet)。

昨日と同じこと(継続)

  • ETH現物ETFへの資金流入は継続。8月28日には1億221万ドルが流入し10営業日連続の流入となり、直近週の暗号資産ETF全体の流入額(合計およそ50億ドル)のうち15億ドルをETHが占めた。
  • SOL・XRP現物ETFへの資金流入も継続(SOLは9営業日連続でおよそ2億ドル、XRPは9営業日連続でおよそ1億5,000万ドル)。 出典: The Market Periodical
  • BTC現物ETFは8月28日に2億180万ドルの流出で9営業日連続の流入streakが途切れた状態が継続。8月月間の累計流入額は30億3,000万ドルで、2025年10月の最高記録には3億9,000万ドル届かない水準。
  • CLARITY法案(暗号資産市場構造法)は、上院で9月15日に討論終結(クローチャー)の手続き採決が予定されたまま日程に変更はない。倫理条項・不正資金対策条項を巡る対立も未解決のまま継続。

要因の連続性

  • 継続要因: 9月FOMCの利上げ観測(前回56%→本日57.5〜60%へさらに上昇)は、金利感応資産としてのビットコインへの重しとして継続、むしろ強まっている。
  • 新規要因: Strategyの購入再開確認という機関投資家需要の復活、Worldpay・BVNKのステーブルコイン決済提携という新たな社会実装材料が加わった。
  • 解消した要因: Tectonic/Cronosハッキング事件は、被害額が当初推定(最大7,500万ドル)から実際の流出額(およそ600万ドル)へ大幅に下方修正され、業界への打撃としての深刻度は前回想定より後退した。

価格サマリー

取得時点: 日本時間2026年9月1日早朝(米国8月31日の取引データ)。

銘柄 価格(ドル建て) 24時間騰落率
ビットコイン(BTC) およそ78,500ドル プラス0.6%程度(先週高値81,000ドル超から反落、8月月間ではプラス24%)
イーサリアム(ETH) およそ2,420〜2,450ドル マイナス1.6%程度(月曜寄り付き基準)
リップル(XRP) およそ1.35ドル マイナス3.0%(週間ではマイナス10.2%)
ソラナ(SOL) およそ100ドル 前日はマイナス3%程度、心理的節目を試す展開

出典: COINOTAG、Yahoo Finance、FXStreet

銘柄別動向

ビットコイン(BTC)

先週付けた8万1,000ドル超の高値から反落し、およそ7万8,500ドル(24時間+0.6%)で推移している。9月FOMCの利上げ確率が57.5〜60%まで上昇したことが金利感応資産としての重しとなっている一方、Strategyが10週間ぶりに購入を再開し4,603BTC(3億7,000万ドル)を取得したことが機関投資家需要の下支え材料として意識されている。8月月間ではなおプラス24%の大幅高を維持している。 出典: COINOTAG、Bloomberg

イーサリアム(ETH)

月曜の寄り付きは2,417.98ドルと前日比マイナス1.6%だったが、その後2,453.78ドル前後まで持ち直した。現物ETFへの資金流入は10営業日連続で継続しており、直近週の暗号資産ETF流入額(合計およそ50億ドル)のうち15億ドルをETHが占めるなど、資金フロー面での底堅さは変わっていない。 出典: Yahoo Finance、The Market Periodical

その他アルトコイン

  • リップル(XRP): 1.35ドル前後(24時間-3.0%、週間-10.2%)へ続落。現物ETFへの資金流入自体は9営業日連続で継続しているが、価格面では上値の重さが目立つ。
  • ソラナ(SOL): 心理的節目の100ドル前後で推移。前日の3%安に続き軟調だが、現物ETFへの資金流入(9営業日連続、累計およそ2億ドル)は途切れていない。

出典: FXStreet、The Market Periodical

強気派 vs 弱気派

強気派

  • Strategyの購入再開(4,603BTC・3億7,000万ドル)は、機関投資家の需要が底堅いことを示す事実として、市場心理の下支え材料になっている。同社は純レバレッジをゼロまで引き下げたうえでの再開であり、財務基盤の健全性を根拠にした「攻めの姿勢」への転換と位置づけられる(Bloomberg)。
  • ETH・SOL・XRPの現物ETFへの資金流入がいずれも9〜10営業日連続で続いていることは、金利観測の悪化にもかかわらず中長期的な機関投資家需要が途切れていないことを示す強気材料として挙げられる(The Market Periodical)。

弱気派

  • 9月FOMCの利上げ確率上昇(57.5〜60%)は、ビットコインを含むリスク資産全般への重しとして働いており、株式・金と同様に金利観測の悪化を受けた売りが出ている(COINOTAG)。
  • BTC現物ETFは8月28日に9営業日ぶりの流出に転じており、月間の累計流入額も過去最高だった2025年10月には届いていない。短期的な資金フローの勢いには陰りも見える。

社会実装ニュース

  • Worldpay・BVNKのステーブルコイン即時決済提携(新規): 決済大手Worldpayが暗号資産インフラ企業BVNKと提携し、米国・欧州の法人顧客向けにステーブルコインによるほぼ即時の支払い(ペイアウト)を提供すると発表した。国際送金・企業間決済の実運用に直結する事例。 出典: GlobeNewswire
  • ステーブルコイン市場全体の時価総額は8月13日時点で3,080億ドル(前年同月比+14.3%)に達したが、5月のピークからは4.5%低い水準。GENIUS法(米国の決済用ステーブルコイン連邦規制の枠組み)は成立済みで、規制の整備が実利用の広がりを後押ししているとされる。

法改正・規制ニュース

米国

CLARITY法案(暗号資産市場構造法)は、上院で9月15日に討論終結(クローチャー)の手続き採決が予定されたまま日程に変更はない。不正資金対策(AML)条項・農業関連条項・倫理条項(政府高官の暗号資産事業からの利益取得を禁じる規定)を巡る協議が続いており、与野党対立も未解決。9月14日の議会再開から10月の休会前までの審議可能日数は14日間と限られており、タイトな日程が続く。 出典: CoinDesk

日本

前回既報の金融庁「暗号資産・ステーブルコイン課」を軸にした制度整備(ステーブルコイン決済上限緩和、税制改正検討)について、本日新たな進展の確認はできなかった。

テクニカル分析

ビットコイン(BTC)

先週高値(8万1,000ドル超)から反落し、7万8,000〜7万8,500ドル圏での推移が続いている。9月FOMCの利上げ確率上昇という重し材料が解消しない限り、上値の重さが意識されやすい地合いが続くとみられる。具体的なRSI等の確定値は、本日確認できる出典が見つからなかったため次回レポートで改めて取り上げる。

イーサリアム(ETH)

価格は2,420〜2,450ドル圏で方向感に乏しいが、現物ETFへの資金流入が10営業日連続で続いている点から、資金フローの面ではなお底堅さが続いているとみられる。

業界トピック

  • Tectonic/Cronosハッキング事件(続報・被害額下方修正): ガバナンストークンTONICの価格を20分で300倍に吊り上げる担保操作により、攻撃者は7,400万ドル超を借り入れたが、Cronosの検証者が取引を即座に凍結したため、実際に流出した被害額はおよそ600万ドルにとどまったことが判明した。 出典: Bloomberg
  • 2026年8月の暗号資産被害額集計(新規): CertiKの集計により、8月の確認済み被害総額はおよそ2億1,500万ドル(うちDeFi関連1億4,460万ドル、フィッシング4,150万ドル)だったことが判明した。7月30日以降続いたColdcardハードウェアウォレット事件(1,816BTC、およそ1億1,600万ドル相当、5,200超のアドレスから4波にわたり流出)がこの中でも最大級だった。 出典: CryptoTimes