前回からの変化
前回(2026-10-20付、19日の取引)との比較である。前回は19日(月)、今回は20日(火)の取引を扱う。
変わったこと(変化・新規)
- 日経平均は前回の6万4916.70円から6万4075.42円へ、841.28円(1.30%)下落し、2日連続の下げとなった。前回は朝の急落から戻して終えたが、今回は一時1100円超下げたまま戻りきれなかった(日本経済新聞)
- TOPIXは前回の4067.48から4009.21へ58.27ポイント(1.43%)下落した。前回は小幅続伸で日経平均と逆行したが、今回は全面安に転じた。グロース市場250指数は766.91から745.91へ21.00ポイント(2.74%)下落し、下げ幅が前回の0.6%台から拡大した(ロイター(Infoseek))
- 前回は買われた鉱業・海運・石油石炭が主役だったが、今回は非鉄金属・銀行・ガラス土石が売られ、小売・医薬品・精密機器・その他製品が買われる内需株への資金移動が目立った(世界一やさしい投資の学校)
- 前回予告した「21日のメタ決算」を前に、前回は明確でなかった韓国株の急落(韓国総合株価指数が4.5%超の下げ)と、新規上場したAIデータセンター企業の急落が加わり、不安がアジア全体へ広がった(同上)
昨日と同じこと(継続)
- AI関連の資金繰りへの警戒と、半導体株の売りが続いた。前回に続き東京エレクトロンとソフトバンクグループが指数を押し下げた
- 日経平均は6万4000円近辺を下値の目安とする見方が続き、終値は63,831円の前回安値を上回って維持した
- 市場が米大手の決算を見極めたいという慎重姿勢は変わっていない
要因の連続性
- 継続要因: 米AIクラウド企業コアウィーブを巡る信用不安。前回は米SOX指数の下落として表れたが、今回は同社の債務保証コストの上昇報道を受けて再燃した(世界一やさしい投資の学校)
- 新規要因: 韓国株の急落とAI関連の新規上場株の急落、米長期金利の高止まり(米10年債利回りは5.13%台)、原油の1バレル100ドル超(ザイ・オンライン)
- 解消した要因: 前回の重しだった「FRB議長が利上げ可能性を示唆しなかったこと」は今回の主要な材料としては出ていない
市況サマリー
20日(火)の東京市場の終値は次のとおり。
| 指標 | 終値 | 前営業日比 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 日経平均株価 | 64,075.42円 | 841.28円安(1.30%安) | 続落、前引けは64,512.35円 |
| TOPIX | 4,009.21 | 58.27ポイント安(1.43%安) | 値下がり約76% |
| グロース市場250指数 | 745.91 | 21.00ポイント安(2.74%安) | 大幅続落 |
プライム市場の売買代金は約6兆7990億円、値上がり335銘柄(21%)に対し値下がり1181銘柄(76%)だった(ロイター(Infoseek))。取引時間中は日経平均が一時1100円超下げた(ゴールドオンライン)。
指数別動向
日経225
AI向けの投資を借り入れで支える企業の信用への不安が蒸し返され、半導体と通信を中心に売りが広がった。日経平均への寄与度では、ソフトバンクグループが約235円、東京エレクトロンが約134円、アドバンテストが約125円の押し下げとなった。ソフトバンクグループは6.01%安、フジクラは6.47%安だった。ファーストリテイリングは約122円分指数を押し上げ、テルモやコナミも堅調だった(世界一やさしい投資の学校、ゴールドオンライン)。
前場は米ナスダックの反発を受けてアドバンテストなどが買われ、日経平均は404円安にとどまったが、後場に半導体株が上げ幅を失い下げが拡大した(ザイ・オンライン)。業種別では、非鉄金属、銀行、ガラス・土石が下落し、その他製品、小売、医薬品、精密機器が上昇した。
東証グロース市場
グロース市場250指数は745.91と大幅続落した。値下がり469銘柄、値上がり85銘柄だった。米長期金利の上昇で成長株の割高感が意識され、AI・半導体関連に加え、直近に急騰したサイバーセキュリティ関連株に利益確定売りが出た。下落率上位はGRCSが16.35%安、TWOSTONE&Sonsが17.27%安で、オンデックは38.21%高と買われた(財経新聞(Fisco))。
グロース市場250指数先物は23ポイント安の737ポイントで引けた。日足の一目均衡表(過去の値動きから支持・抵抗帯を雲として示す指標)の雲の上限を割り込み、短期資金の損失確定売りが出たとの観測がある(財経新聞(Fisco))。
強気派 vs 弱気派
強気派は、短期の不安と業績の強さを分けて見る。SBI証券のストラテジストは、コアウィーブ懸念でAI株が重い状況でも、7月と同様に米大手クラウド企業や日本の半導体企業の決算を受けて地合いが変わりうると述べた(ロイター(Infoseek))。野村證券のストラテジストは8月時点で、EPS拡大と自社株買いの需給を根拠に、2026年末の日経平均を7万円とする見通しを示している(長期の見方で、20日時点の更新は確認できていない)(野村證券)。
弱気派は、氏名のある専門家の発言は確認できなかった。報道ベースの懸念は、AI関連企業の資金調達への不安、中東情勢と原油高、欧州の財政不安である。日本経済新聞は市場を取り巻く不透明感が増し、AI株から資金が逃げていると伝えた(日本経済新聞)。
経済ニュース
20日に日本の主要な経済指標の発表は確認できなかった。決算では、個別の好決算でも売られる銘柄が目立ち、増配と最終利益72%増の上方修正を発表しながら急落した銘柄があった。下落率上位はトーメンデバイスが11.84%安、レゾナック・ホールディングスが10.80%安だった(ゴールドオンライン)。
原油は1バレル100ドル超の高値圏にあり、鉱業・石油関連の買い材料である一方、素材や景気敏感株の重しになった。韓国総合株価指数は4.5%超下落し、新規上場したAIデータセンター企業の急落が不安を強めた(世界一やさしい投資の学校)。
日銀・金利・為替
ドル円は1ドル=158.16円で、前営業日のニューヨーク終値より0.34円の円高だった。日本国債の新発10年物利回りは2.895%で、0.010%低下した。OANDA証券は、日銀が10月会合で政策調整を見送る公算が大きいと伝えている。次の金融政策決定会合は10月29日・30日の予定である(OANDA証券)。
日本の長期金利が低下する一方、米長期金利は高止まりしており、前場時点で米10年債利回りは5.13%台だった(ザイ・オンライン)。円高の方向は輸出株にはやや逆風になりうるが、20日は半導体・通信の売りが相場全体を決めた。為替の詳細はfxを参照。
テクニカル分析(日経225・グロース市場250指数)
日経平均の終値6万4075円は、19日の安値6万3831.78円を約240円上回る位置にある。解説では6万4000円が下値の目安として意識されており、これを割り込むかが焦点とされる。一方、グロース市場250指数は先物ベースで一目均衡表の雲の上限を割り込み、チャート上の支えが弱まったとの見方が出ている(財経新聞(Fisco))。移動平均線(25日・75日・200日)、RSI、騰落レシオ、日経平均VIの値は取得できなかった。売買の推奨ではない。
本日の注目点
21日(水)は、前日のニューヨーク市場でダウ平均が529.85ドル高の5万2495.88ドルと反発し、エスアンドピー500が0.28%上昇した流れで始まる。米国とイランの協議進展を伝える未確認情報で原油と米長期金利が低下した。ただしその後「合意が近い」との情報は不正確と訂正されており、材料としては不安定である(みんかぶ)。
引き続き、コアウィーブなどAI関連企業の信用不安が和らぐかが焦点となる。21日に予定されるメタ・プラットフォームズの決算(米国時間、引け後)でAI投資の方針がどう示されるかと、日本の半導体関連企業の決算発表を見極めたい。あわせて、日銀会合(29日・30日)に向けた発言や、原油と円相場の動きにも注意が必要である。

