前回からの変化
変わったこと(変化・新規)
- トランプ大統領が9月4日、SNS上で「利下げしなければ貿易赤字国との取引を停止する」とFRBに向けて異例の通告を行った。強い雇用統計を受けて利上げ観測が強まったことへの対抗措置とみられる(Yahoo Finance)(新規)。なお同記事は、大統領の関税停止権限の法的根拠自体には疑義があるとも指摘している。
- FRBが9月6日から9月17日まで(FOMC翌日まで)の「沈黙期間」に正式に入ったことが判明した(前回は9月5日開始・FOMCまでと概算表示)。ウォラー理事はインフレが2%目標に近づけば「政策金利を現状維持する」余地に言及する一方、ウォーシュ議長は「基調的なインフレが目標に向かって明確かつ十分な速さで進んでいるとの確信が必要だ。そうでなければ、まだやるべき仕事がある」と述べ、利上げも辞さない姿勢を崩していない(The National)(新規・具体化)。
- 9月16日のFOMCで0.25%の利上げが決定される確率は、前回のおよそ58%からおよそ60%へさらに上昇した。実現すればフェデラルファンド金利の誘導目標は3.75〜4.0%となる(The National)(新規・具体化)。
- アップルが9月9日(米国時間)に新製品発表イベントを開催し、iPhone18 Proと折りたたみ型の新型端末「iPhone Ultra」を披露する見通しであることが分かった(MacRumors)(新規)。
- 3営業日連続(9/5・9/6の週末、9/7のレイバーデー)で取引がなかった。前回レポート時点では「9/8から取引再開」と見込んでいたが、実際には9/7がレイバーデー当日(休場)であったことが確認され、取引再開は本日9/8夜(日本時間)にずれ込む(継続・具体化)。
昨日と同じこと(継続)
- 主要3指数の水準は前回から変わらず: S&P500は7,718.60ドル、ナスダック100は29,544.16ドル、NYダウは53,414.25ドル(いずれも9/4引け値を継続表示)。直近の実取引日である9/4(金)は、強い雇用統計を受けた長期金利上昇で3指数そろって下落し、NYダウが271.86ポイント(0.51%)安と下げが最大だった(TheStreet)。
- テクニカル配置も前回と同一で、NYダウのみ200日移動平均線を下回る形が継続。VIXは14.32前後、Fear & Greed指数は42前後(「恐怖」ゾーン)で変化なし(CNN)。
- テスラの無人ロボタクシー「サイバーキャブ」に対するNHTSAの安全性調査(Audit Query)は継続中で、週末を通じて大きな進展の報道はない。
- 強気派(ブラックロック、トム・リー氏、ダン・アイブス氏、ライアン・デトリック氏、アジェン・オデン氏)、弱気派(ランス・ロバーツ氏、ジェイソン・ハンター氏、アンドリュー・タイラー氏、ポール・シアナ氏、ウェルズ・ファーゴ)の顔ぶれ・論拠はいずれも継続。週末に新たな有力アナリストの見方は確認できなかった。
- エヌビディアの時価総額はおよそ5兆6,000億ドル前後で世界首位を維持し、マグニフィセント7への資金集中リスクが引き続き意識されている。
- 来週9月10日のPPI(卸売物価指数)・オラクル/アドビ/メイシーズ決算、9月11日のCPI(消費者物価指数)・クローガー決算という日程は、複数の新しい情報源でも再確認された(Yahoo Finance)。
要因の連続性
- 継続要因: 強い雇用統計(非農業部門雇用者数16万2,000人増)を受けた利上げ観測、マグニフィセント7への資金集中というAI関連の構造的リスク、FRBの沈黙期間はいずれも継続。
- 新規要因: (1) トランプ大統領がFRBに利下げを迫り関税停止を持ち出した異例の圧力、(2) 利上げ確率の58%→60%への上昇、(3) アップルの9月9日新製品発表イベントという新たな注目材料。
- 解消した要因: 特になし。3営業日連続の休場でファンダメンタルズの材料自体は積み上がっているが、実際の値動きとしては未消化のまま本日夜の取引再開を待つ状態が続いている。
1. 市況サマリー
| 指数 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| S&P500 | 7,718.60ドル | 0.00ドル(休場) | 0.0%(変化なし) |
| ナスダック100 | 29,544.16ドル | 0.00ドル(休場) | 0.0%(変化なし) |
| NYダウ | 53,414.25ドル | 0.00ドル(休場) | 0.0%(変化なし) |
(取得時点: 2026-09-04(金)米国市場引け値を継続表示。9/5(土)・9/6(日)の週末に続き、9/7(月)はレイバーデーで米国株式・債券市場とも休場となり、3営業日連続で新規の取引が発生していない。本レポート作成時点(9/8朝・日本時間)ではニューヨーク市場の9/8(火)取引はまだ始まっておらず、次回の取引再開は本日夜(日本時間)となる。直近の実取引日である9/4(金)は、強い雇用統計を受けた長期金利上昇により3指数そろって下落しており、NYダウが271.86ポイント(0.51%)安と下げが最大、S&P500は0.38%安だった。出典: TheStreet)
2. 指数別動向
S&P500
7,718.60ドルのまま3営業日連続の休場入りが続く。直近の実取引日(9/4)は0.38%安。トランプ大統領の利下げ要求とFRBの利上げ観測がせめぎ合う構図が続いており、本日夜の取引再開後、この綱引きがどちらに傾くかが最初の焦点になる(Yahoo Finance)。
ナスダック100
29,544.16ドルで休場が継続。アップルが9月9日に新製品発表イベントを開催し、iPhone18 Proや折りたたみ型「iPhone Ultra」を披露する見通しで、大型テック株の材料として意識され始めている(MacRumors)。エヌビディアの時価総額はおよそ5兆6,000億ドル前後を維持しており、マグニフィセント7への資金集中というナスダック指数全体の脆弱性は変わらず続いている。
NYダウ
53,414.25ドルで休場が継続。直近の実取引日(9/4)は271.86ポイント(0.51%)安と3指数の中で最大の下げとなった。200日移動平均線割れの配置は変わらず継続しており、消費関連銘柄の弱さが引き続き重しとなっている。
3. 強気派 vs 弱気派
今週末は相場観そのものを更新する有力な新規発言は確認できなかったが、トランプ大統領のFRBへの利下げ圧力・関税をちらつかせた通告(Yahoo Finance)が、強気派・弱気派双方の議論に新たな軸を加えている。
強気派(ブル)
- ブラックロック・インベストメント・インスティテュート: 9月も「リスクオン」の姿勢を継続し、米国株を「オーバーウェイト」と表明。AIインフラの供給制約(希少性)が価値を生んでいるとの見方は継続。
- トム・リー氏(ファンドストラト)、ダン・アイブス氏(ウェドブッシュ)、ライアン・デトリック氏(カーソン・グループ)、アジェン・オデン氏(JPモルガン・チェース・ウェルス・マネジメント)の楽観論も継続。
弱気派(ベア)
- ランス・ロバーツ氏(リアル・インベストメント・アドバイス): 9月が過去100年で最も軟調な月であること、自社株買いが禁止期間入りすること、MACDの弱さを根拠にした防御的スタンスは継続。
- ジェイソン・ハンター氏・アンドリュー・タイラー氏(JPモルガン)、ポール・シアナ氏(バンク・オブ・アメリカ)、ウェルズ・ファーゴの警戒論も継続。フェド議長ウォーシュ氏がインフレへの警戒を崩していない点(The National)も、弱気派の根拠を補強する材料として引き続き意識されている。
4. 経済ニュース
経済指標
- 前回報告した8月雇用統計(非農業部門雇用者数16万2,000人増、市場予想の3倍近く)の内容に変わりはなく、市場は依然としてこれを消化中。
- 週末を通じて新規の経済指標発表はなかった。来週9月10日にPPI(卸売物価指数)、9月11日にCPI(消費者物価指数)が発表される日程が改めて確認された(Yahoo Finance)。
政策
- トランプ大統領が9月4日、SNS上でFRBに利下げを要求し、「応じなければ貿易赤字国との取引を停止する」と通告した。強い雇用統計を受けて利上げ観測が強まったタイミングでの異例の圧力で、大統領の関税停止権限の法的根拠自体には疑義も指摘されている(Yahoo Finance)。
- FRBは9月6日から9月17日まで沈黙期間に入った。ウォーシュ議長は「基調的なインフレが目標に向かって明確かつ十分な速さで進んでいるとの確信が必要だ。そうでなければ、まだやるべき仕事がある」と発言しており、大統領の圧力にもかかわらず利上げも辞さない姿勢を維持している(The National)。9月16日のFOMCで0.25%利上げが決定される確率はおよそ60%まで上昇した。
注目された個別銘柄・決算
- テスラ: 無人型ロボタクシー「サイバーキャブ」への米運輸当局(NHTSA)の安全性調査は継続中。週末を通じて大きな進展はない。
- エヌビディア: 時価総額がおよそ5兆6,000億ドル前後で世界首位を維持し、マグニフィセント7への資金集中というAI関連の構造的リスクを引き続き裏付けている。
- アップル: 9月9日(米国時間)に新製品発表イベントを開催し、iPhone18 Proと折りたたみ型の新型端末「iPhone Ultra」を披露する見通し。大型テック株の新たな材料として意識され始めている(MacRumors)。
- オラクル・アドビ: 9月10日に決算発表を予定。AIインフラ需要とソフトウェア企業への競合圧力の両面から注目される(Yahoo Finance)。
5. 金利・為替が株に効いた分
米長期金利(10年債利回り)は9月4日の雇用統計後に4.79%まで上昇し、1年ぶりの高水準をつけた。トランプ大統領の利下げ要求にもかかわらず、市場は利上げ確率をむしろ引き上げており、金利上昇に敏感なグロース株・高PER銘柄への重しとなり得る局面が続いている(TheStreet)。ドル指数(DXY)は99前後で推移しており、雇用統計後の金利上昇によるドル高圧力と、日銀の追加利上げ観測に伴う円高圧力がせめぎ合っているとの見方がある(Trading Economics)。ドル円は9月4日に付けた155円台後半〜156円台前半のレンジを維持したまま休場入りしており、多国籍企業の業績見通しへの影響は前回から大きくは変わっていない。
6. テクニカル分析
S&P500
50日移動平均線(7,697.90前後)・200日移動平均線(7,674.57前後)をいずれも上回る配置を維持したまま休場が続く。RSI(14日)は54.1の中立圏で変化なし。支持線7,710ドル前後・レジスタンス7,722ドル前後の目安も据え置き(Investing.com)。
ナスダック100
50日線(29,370.64前後)・200日線(29,275.86前後)をいずれも上回る配置を維持。RSI(14日)は58.6でやや買われ気味の水準のまま変化なし。支持線29,464ドル前後・レジスタンス29,531ドル前後も据え置き(Investing.com)。
NYダウ
50日線(53,302.88前後)は上回るものの200日線(53,560.57前後)を下回る配置のまま変化なし。RSI(14日)は52.2の中立圏。支持線53,384ドル前後・レジスタンス53,439ドル前後も据え置き。3指数のうちNYダウのみテクニカル面の弱さが残っている状態が続く(Investing.com)。
センチメント指標(補助)
- VIX(恐怖指数): 14.32前後で前回からほぼ横ばい。落ち着いた水準を維持している。
- Fear & Greed Index: 42前後で「恐怖」ゾーンに変化なし(CNN)。
7. 今夜の注目イベント
- 本日9月8日(火)夜(日本時間)、米国株式市場は9月5日以来3営業日ぶりに取引を再開する。休場中に積み上がった材料(トランプ大統領のFRBへの利下げ圧力、強い雇用統計後の利上げ観測上昇)をどう消化するかが最初の焦点になる。
- 経済指標の発表は本日予定されていない。次の焦点は9月10日のPPI、9月11日のCPIで、コアインフレの高止まりが続くかどうかが9月16日のFOMC(利上げ確率およそ60%)の判断材料になるとみられている(Yahoo Finance)。
- FRBは9月6日から9月17日まで沈黙期間中で、高官発言は当面聞かれない見通し(The National)。
- アップルが9月9日(米国時間)に新製品発表イベントを予定しており、大型テック株の新たな材料として注目される(MacRumors)。

