前回からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • ゲームストップについて、前回は「9月8日に決算発表」とだけ把握していたが、本日新たに、同社が8月31日付で第2四半期(5〜8月、8月1日締め)の予備数値を適時開示していたことが判明した。売上高は7億8,000万〜8億ドル(前年同期9億7,220万ドルから減少、ニンテンドースイッチ2の前年発売反動・店舗閉鎖・フランス事業売却が要因)にとどまる一方、純利益は2億9,000万〜3億1,000万ドルへ急増(前年同期1億6,860万ドル)する見通し。ただしこの急増は、保有するイーベイ株式(約4,340万株、公正価値約49億4,700万ドル)に絡むデリバティブ資産の評価益約2億3,800万ドルによるところが大きく、デジタル資産関連では約7,500万ドルの損失も計上しており、小売事業そのものの実力ベースの改善とは区別が必要な一過性要因である。正式な本決算は本日9月8日の取引終了後に発表予定。 出典: StockTitan
  • シエナについて、前回はJPモルガン・UBS・バークレイズ・BofA・ロゼンブラット証券・TDコーウェンの6社による目標株価引き下げを把握していたが、本日TipRanksの集計で、これに加えてB.ライリー証券(413→347ドル、Hold)、エバコアISI(550→375ドル、Hold)、モルガン・スタンレー(490→425ドル、Hold)、ニーダム(600→520ドル、Buy維持)の引き下げが新たに確認できた。一方でレイモンド・ジェームズは530ドルから600ドルへ目標株価を逆に引き上げ(Buy維持)ており、AI・データセンター向け光通信需要の評価そのものは強気と弱気で見方が割れていることが分かった。 出典: TipRanks
  • ゼットスケーラーについて、前回はニーダム(215ドル)・TDコーウェン(200ドル)・ロバート・W・ベアード(230ドル)の目標株価引き上げを把握していたが、本日新たに、ステファンズ(200→225ドル、Overweight)・バークレイズ(192→200ドル、Overweight)・スコシアバンク(175→200ドル、Sector Outperform)も目標株価を引き上げていたことが判明した。FY2027のARR成長率減速懸念より、第4四半期の実績評価を優先する声が広がりつつある。 出典: Benzinga
  • ルルレモンについて、前回は「新CEOヘイディ・オニール氏が9月8日付で就任予定」と報じたが、本日その就任日を迎え、SEC提出資料でも発効日が2026年9月8日であることが確認できた。暫定共同CEOを務めていたミーガン・フランク氏とアンドレ・マエストリーニ氏は、本来の役職に戻る。 出典: SEC EDGAR、The Globe and Mail

昨日と同じこと(継続)

  • 日本市場は本日もセルソース・スバル興業・ストリーム・きんえい・ミライアル・グリーンエナジーカンパニー・アスカネット・ナデックスの8社が決算発表予定だが、いずれも時価総額・業界影響の大きい主要企業ではなく、閑散期の状態が引き続き続いている。 出典: 株式ちゃんねる
  • オラクル・アドビの9月10日(木)引け後決算発表という日程に変更はなく、市場予想(オラクル: 売上高191億3,000万ドル・EPS1.299ドル、アドビ: EPS4.86ドル)も前回から変わっていない。 出典: StockTitan、Yahoo Finance
  • ルルレモンの株価水準(100ドル前後)、シエナの株価水準(315〜329ドルのレンジ)自体は前回報告からほぼ変わっていない。

要因の連続性

  • 継続要因: シエナのAI・データセンター向け光通信需要の強さ自体は今回も否定されておらず、ルルレモンの需要不振・通期見通し下方修正を受けた新体制での立て直し途上という見立ても継続している。
  • 新規要因: シエナでは目標株価改定の輪が10社に拡大する一方、レイモンド・ジェームズの逆行的な引き上げという新しい材料が加わり、強気・弱気の見方の分岐がより明確になった。ゲームストップでは、イーベイ株評価益という一過性要因による最終利益急増という、前回までは把握していなかった論点が新たに加わった。ゼットスケーラーでは、追加の証券会社による目標株価引き上げが強気材料として積み上がった。
  • 解消した要因: ルルレモンの新CEO就任時期を巡る不透明感は、本日の正式就任により解消した。

1. 本日のハイライト

銘柄 直近決算・発表状況 本日新たに判明した動き
ゲームストップ(GME) 本日引け後に本決算発表予定 予備開示で純利益2.9〜3.1億ドルへ急増(イーベイ株評価益が主因)
シエナ(CIEN) 9/3発表 目標株価改定が10社に拡大、レイモンド・ジェームズは逆に600ドルへ引き上げ
ゼットスケーラー(ZS) 9/3発表 ステファンズ・バークレイズ・スコシアバンクが新たに目標株価引き上げ
ルルレモン(LULU) 9/4発表 新CEOヘイディ・オニール氏が本日付で正式就任

出典: StockTitan、TipRanks、Benzinga

2. 個別フォロー

ゲームストップ(GME)

8月31日付の予備開示によれば、2026年度第2四半期(5〜8月、8月1日締め)の売上高は7億8,000万〜8億ドルの見通しで、前年同期の9億7,220万ドルから減少する。ニンテンドースイッチ2の前年発売による反動、計画済みの店舗閉鎖、フランス事業の売却が主な要因である。一方、営業利益は1億5,000万〜1億7,000万ドル(前年同期6,640万ドル)、純利益は2億9,000万〜3億1,000万ドル(前年同期1億6,860万ドル)へ大きく伸びる見通しだが、これは保有するイーベイ株式(約4,340万株、公正価値約49億4,700万ドル)に絡むデリバティブ資産の評価益約2億3,800万ドルによる押し上げが主因であり、デジタル資産関連では約7,500万ドルの損失も計上している。小売事業そのものの収益力改善というより、金融資産評価という一過性要因が最終利益を押し上げた構図であり、正式な決算説明会でこの点がどう説明されるかが焦点になる。正式な本決算は本日9月8日の取引終了後に発表予定。 出典: StockTitan、TipRanks

シエナ(CIEN)

前回までにJPモルガン・UBS・バークレイズ・BofA・ロゼンブラット証券・TDコーウェンの6社による目標株価引き下げを把握していたが、TipRanksの集計で新たにB.ライリー証券(413→347ドル、Hold)、エバコアISI(550→375ドル、Hold)、モルガン・スタンレー(490→425ドル、Hold)、ニーダム(600→520ドル、Buy維持)の引き下げが確認できた。他方でレイモンド・ジェームズは530ドルから600ドルへ目標株価を引き上げており(Buy維持)、目標株価の改定は合計10社に拡大しつつも、方向性は一致していない。株価水準(直近315〜329ドルのレンジ)自体に大きな変化はなく、AI・データセンター向け光通信需要の強さという評価軸は各社ともおおむね共有している一方、現在のバリュエーション水準(PER約105倍)をどう見るかで判断が分かれている。 出典: TipRanks

ゼットスケーラー(ZS)

9月3日発表の第4四半期決算(FY2026)を受け、前回まではニーダム(215ドル)・TDコーウェン(200ドル)・ロバート・W・ベアードの目標株価引き上げを把握していたが、本日新たにステファンズ(200→225ドル、Overweight)、バークレイズ(192→200ドル、Overweight)、スコシアバンク(175→200ドル、Sector Outperform)も目標株価を引き上げていたことが判明した。FY2027のARR成長率が16.6〜17.5%へ減速する見通しへの懸念は残るものの、第4四半期のARRが前年比25%増と予想を上回った実績を評価する声がアナリスト層でより広がっている。 出典: Benzinga

ルルレモン(LULU)

後任として指名されていたナイキ出身のヘイディ・オニール氏が、本日9月8日付で正式にCEOに就任した。SEC提出資料でも発効日が2026年9月8日であることが確認できる。暫定共同CEOを務めていたミーガン・フランク氏とアンドレ・マエストリーニ氏は本来の役職に戻る予定。就任は、FY2026通期見通しの2度目の下方修正(売上高ガイダンス103億5,000万〜105億ドル)発表の直後というタイミングであり、株価水準(100ドル前後)自体に大きな動きは出ていないが、市場の関心は新体制がどのような立て直し戦略を打ち出すかへ移っている。 出典: SEC EDGAR、The Globe and Mail

3. 業界トレンド

  • シエナを巡る目標株価改定が10社に拡大しつつも、大半は引き下げの一方でレイモンド・ジェームズのみが引き上げに動くなど、AI・データセンター投資の持続性への評価が業界横断で割れ始めている。
  • ゼットスケーラーでは決算から数日を経て目標株価引き上げの動きがむしろ広がっており、サイバーセキュリティ関連の需要そのものへの信認は底堅い。
  • ゲームストップの利益急増が本業ではなく保有株式の評価益という金融要因に依存している点は、伝統的小売企業が投資有価証券の含み益を業績に取り込む近年の傾向を象徴しており、正式決算での本業(ゲーム・グッズ販売)の実態開示が今後の焦点になる。
  • レイバーデー明けの今週はゲームストップ(9/8)、チューイー(9/9)、オラクル・アドビ・メイシーズ(9/10)、クローガー(9/11)と決算発表が集中しており、閑散期から決算シーズン後半戦への切り替わりが本格化する。 出典: Seeking Alpha

4. 次の注目決算

  • ゲームストップ(GameStop): 本日9月8日(火)引け後(日本時間9月9日早朝)に2026年度第2四半期の正式決算を発表予定。予備数値(売上高7.8〜8億ドル、純利益2.9〜3.1億ドル)は既に判明しているが、小売事業の実態やイーベイ株評価益の位置づけについて経営陣がどう説明するかが焦点。 出典: StockTitan
  • オラクル(Oracle): 米国時間9月10日(木)引け後(日本時間9月11日早朝)に2027年度第1四半期(2026年6〜8月)決算を発表予定。市場予想は売上高191億3,000万ドル、EPS1.299ドル。クラウド収益の伸び率ガイダンス(前年比58〜64%)の達成度と、AI関連の設備投資・資金調達計画が焦点。 出典: StockTitan
  • アドビ(Adobe): 米国時間9月10日(木)引け後、オラクルと同日に2026年度第3四半期決算を発表予定。市場予想はEPS4.86ドル(前年同期4.29ドルから13.3%増)。生成AI関連ツールの浸透度が引き続き焦点。 出典: Yahoo Finance
  • このほか、チューイー(9/9)、メイシーズ(9/10)、クローガー(9/11)など小売関連の決算も今週に集中しており、消費動向を見るうえで併せて注目される。 出典: Seeking Alpha
  • 日本では9月8日時点でセルソース・スバル興業など中小型株8社の発表にとどまり、主要企業の発表予定はなく、今週も閑散期の状態が続く見通し。 出典: 株式ちゃんねる