前回からの変化
変わったこと(変化・新規)
- 新規: 前回(9/7付)レポート作成時点は取引開始前で9/4終値を継続表示していたが、9/7(月)の実際の取引結果が判明した。日経平均は前週末比1,378.90円高(+2.12%)の66,399.84円、TOPIXは同22.57pt高(+0.55%)の4,125.80ptと大幅続伸し、前回懸念されていた「上値の重い展開」を大きく上回る強い値動きとなった(財経新聞)。
- 新規: 上昇は半導体株への集中買いが主因で、ソフトバンクグループ(+462円、+7.6%の6,052円)とアドバンテスト(+1,600円、+4.8%の34,690円)の2銘柄だけで日経平均を約757円押し上げた。東京エレクトロンも+2,610円(+4.9%)の55,930円まで買われた(財経新聞)。
- 新規: 東証グロース市場250指数は791.61pt(前日比5.21pt安、-0.65%)と反落し、プライム市場の値がさ半導体株に資金が集中する裏側で内需系の新興株から資金が流出する構図が新たに生じた(財経新聞)。
- 新規: テクニカル面では前回「25日線・50日線を下回る」弱含みの位置づけだったが、主要な移動平均線を上抜けて回復し、一目均衡表の雲上限(66,061円)も突破した。RSI(9日)も前回の43.8%から55.2%へ上昇し、日経平均VIは21.86(前日比19.6%低下)まで沈静化した(外為どっとコム、財経新聞)。
- 新規: 前回「本日14時発表予定」としていた7月分景気動向指数(一致指数)は前月比+1.7ptとなり、内閣府は「改善」の基調判断を据え置いた。本日はさらに8時30分に7月分毎月勤労統計、8時50分に4-6月期GDP2次速報の発表を控える(日本経済新聞)。
昨日と同じこと(継続)
- 日銀の9月17・18日会合が最大の焦点である点は変わらない。井上審議委員の9月10日講演が会合前最後の要人発言の機会という位置づけも継続している。
- ベッセント米財務長官が植田総裁に円安是正への断固たる対応を求めていたことが判明した件は、対外圧力として引き続き意識されている。
- 米8月CPI(9月11日発表、コア前年比+2.4%予想)への注目、米長期金利の高止まり(10年債利回り4.8%近辺)も前回から継続している論点。
要因の連続性
- 継続要因: 日銀9月利上げ観測というタカ派材料、米長期金利の高止まり、米CPI発表待ちの様子見ムード、ベッセント発言による円安是正圧力。
- 新規要因: (1) 実際の取引再開で半導体株への資金集中が確認されたこと、(2) それに伴うグロース市場からプライム市場への資金シフトが観測されたこと、(3) 7月景気動向指数の結果判明。
- 解消した要因: 「取引開始前で数値が更新されない」という前回特有の制約は本日解消した。中東(イラン)情勢への警戒は個別の材料としては後退し、金利・半導体の需給要因が前面に出ている。
1. 市況サマリー
| 指数 | 終値(9/7) | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| 日経平均株価 | 66,399.84円 | +1,378.90円 | +2.12% |
| TOPIX | 4,125.80pt | +22.57pt | +0.55% |
| 東証グロース市場250指数 | 791.61pt | -5.21pt | -0.65% |
9月5日・6日の2日連続休場を経て9月7日(月)に取引を再開し、休場前の9月4日終値を基準に大幅続伸した(財経新聞)。
2. 指数別動向
日経225
寄り付きから579円高で始まった後、時間の経過とともに上げ幅を拡大し、ザラ場高値66,347円台から終値66,399.84円まで水準を切り上げる「陽の寄り付き坊主」型の強い値動きとなった。上昇業種は海運業、ガラス・土石製品、電気機器で、原油価格の上昇を背景にした海運・非鉄金属への資金流入と、値がさの半導体関連への買い集中が指数を押し上げた。半面、水産・農林業、医薬品、銀行業は下落し、業種間の物色にはばらつきが見られた(財経新聞)。
グロース市場250指数
日経225とは対照的に反落した。値上がり276銘柄・値下がり262銘柄と拮抗しており全面安ではないものの、米株安を受けた小安いスタートの後、プライム市場の値がさ半導体株に資金が集中する裏で内需中心のグロース市場から売りが加速した。日足の一目均衡表では転換線が上値抵抗として意識され、下値を模索する展開になった(財経新聞)。
3. 強気派 vs 弱気派
強気派
- ザイ・オンラインの村瀬智一氏(ラカンリチェルカ)は、キオクシアなどAI・半導体株が底堅く推移していることを強気材料に挙げ、一目均衡表の雲を突破すれば戻りを試す展開が意識されるとした(ザイ・オンライン)。
- 実際に本日の半導体関連株への集中買いは、この底堅さの見方を裏付ける結果となった(財経新聞)。
弱気派
- 村瀬智一氏は同時に、中東情勢の緊迫化によるWTI原油価格の上昇や、国内長期金利が約30年ぶりに3%を突破したこと、米長期金利が4.8%近辺で高止まりしていることを弱気材料として挙げ、AI・半導体関連株の値動きが引き続き不安定になりやすいと指摘した(ザイ・オンライン)。
- 一方でグロース市場250指数は資金が値がさ半導体株に流出する形で反落しており、金利敏感な新興株にとっては村瀬氏の指摘通り値動きが不安定になりやすい地合いが続いている(財経新聞)。
4. 経済ニュース
経済指標・政策
- 内閣府が発表した7月分景気動向指数(一致指数)は前月を1.7ポイント上回り、内閣府は「改善を示している」との基調判断を維持した。市場予想との具体的な乖離幅は確認できていない(NHK)。
- 本日8時30分に7月分毎月勤労統計(実質賃金)、8時50分に4-6月期GDP2次速報(改定値)の発表を控えている。1次速報時点の実質GDPは前期比0.3%増・年率1.1%増と3四半期連続のプラスだったが、民間予測の中心値(年率2.2%増)を下回る弱い内容で、個人消費が8四半期ぶりの前期比マイナスとなるなど内需の弱さが目立った。外需がこれを補う形となっており、2次速報でどこまで上方修正されるかが注目される(日本経済新聞)。いずれも本レポート作成時点では未発表。
- ベッセント米財務長官が8月30日のG20会談で植田総裁に「円の大幅な過小評価に対処するための日本による決然とした市場・金融面での措置」を支持する意向を伝えていたことが引き続き意識されており、対米通商・為替政策の文脈で日銀の利上げ加速を促す外圧として働いている(日本経済新聞)。
注目された個別銘柄
- ソフトバンクグループ: 6,052円(+462円、+7.6%)。半導体・AI関連の見直し買いを主導(財経新聞)。
- アドバンテスト: 34,690円(+1,600円、+4.8%)。ソフトバンクGと合わせ指数を約757円押し上げた(財経新聞)。
- 東京エレクトロン: 55,930円(+2,610円、+4.9%)。半導体製造装置株にも買いが波及した(財経新聞)。
- ソニーグループ、中外製薬、リクルートHDなどは下落し、値がさ半導体株への資金集中の裏で売られる銘柄も目立った(財経新聞)。
5. 日銀・金利・為替
日銀
9月17・18日の金融政策決定会合が引き続き最大の焦点。市場が織り込む9月利上げ確率は8割超まで高まっているとされ、井上審議委員が9月10日に行う講演が会合前最後の要人発言の機会として注目される。ベッセント米財務長官の円安是正圧力も、対外的に利上げを後押しする材料として意識され続けている(日本経済新聞)。
金利
日本の長期金利(新発10年国債利回り)は約30年ぶりの高水準からやや低下し、2.9%近辺で推移しているとみられる。米長期金利(10年債利回り)は雇用統計を受けた上昇から4.8%近辺の高止まりが続いており、日米金利差の観点から円安圧力が残る構図に変化はない(ザイ・オンライン)。
為替
ドル円は東京市場で大幅安となり、本日安値155円54銭まで下値を切り下げる場面があった。米国・カナダがレーバーデーの祝日で休場となったこともあり、値動きは限定的で155円台後半~156円台半ばでのもみ合いにとどまった。市場では米CPI(9月11日発表)と日銀の利上げ観測の綱引きが引き続きドル円の方向性を左右するとみられている(投資経済)。
6. テクニカル分析
日経225
10日移動平均線(65,714円)・50日移動平均線(66,514円)を上回って終え、一目均衡表の雲上限(66,061円)も突破した。8月14日高値(69,608円)からの下落局面と8月19日安値(65,133円)からの反発局面が収れんする三角パターンを形成しており、その上値抵抗線を上放れたことが買い材料と分析されている。75日移動平均線(66,798円)を超えられるかが次の焦点で、超えれば調整局面脱却が視野に入る。RSI(9日)は43.8%から55.2%へ上昇し、売られ過ぎ・買われ過ぎのいずれでもない中立圏で改善傾向にある。上値メドは68,000円・69,000円、下値メドは9月3日安値(63,772円)・63,000円・62,000円とされる。日経平均VIは前日比19.6%低下の21.86まで沈静化し、過度な警戒感は和らいだ(外為どっとコム、財経新聞)。
グロース市場250指数
791.61ptと反落し、日足一目均衡表では転換線が上値抵抗として意識されている。値上がり276銘柄・値下がり262銘柄とほぼ拮抗しており、指数全体としては方向感に乏しい状態。金利敏感な新興株が多いため、日米長期金利の高止まりが続く限り上値の重さが残りやすいとみられる(財経新聞)。
7. 本日の注目点
- 本日8時30分に7月分毎月勤労統計、8時50分に4-6月期GDP2次速報の発表を控えており、1次速報(年率1.1%増)から民間予測(年率2.2%増)に近づく上方修正となるか、市場予想との乖離が今後の相場観に影響しうる(日本経済新聞)。
- 9月17・18日の日銀会合を前に、9月10日の井上審議委員講演の内容が次の相場材料として注目される。
- 前日大幅高の反動で戻り待ちの売りが出やすいか、半導体株への資金集中が続くかが東京市場の実質的な最初の判断材料になる(財経新聞)。
- ドル円は155円台後半~156円台半ばのレンジで推移しており、米CPI(9月11日)発表待ちのなか方向感の乏しい展開が続くか注目される(投資経済)。

