前回からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • 変化: 日経平均は前回(9/10、128円17銭高、+0.20%で3日ぶり反発)→本日(9/11、1259円61銭安、-1.93%)の6万4011円34銭へ急反落し、地合いは大きく暗転した。朝方には下げ幅が2,000円を超える場面もあった(財経新聞)。
  • 変化: TOPIXも前回(+7.94pt、+0.20%)→本日4,028.30pt(-26.28pt、-0.65%)で反落した。東証グロース市場250指数先物も前回783pt台→本日753pt(高値756pt・安値744pt)へさらに水準を切り下げた(財経新聞、財経新聞)。
  • 新規: 下落の主因は、前回までの「TSMC好決算を手がかりにした半導体株の押し目買い」から一変し、中東情勢の激化に伴う原油急伸と、米8月PPI上振れを受けた米長期金利上昇への警戒(いわゆる「トランプ・インフレ」懸念)に移った。前回は押し上げ役だった半導体株(アドバンテスト、東京エレクトロン、キオクシアホールディングス)が、本日は一転して日経平均の押し下げ主因となった(財経新聞、財経新聞)。
  • 新規: 日銀は8月の企業物価指数(速報)を発表し、前年同月比+7.6%(市場予想の+7.4%程度を上回る)となった。前回レポートで「9/10公表予定だが本レポート作成時点では未確認」としていた指標が本日確定し、原油高由来のインフレ圧力の強さが改めて示された(時事エクイティ)。
  • 新規: 米国では8月CPIが発表され、総合は前年比+3.4%・前月比+0.4%(いずれも予想通り)、コアCPIは前年比+2.4%(7月の+2.5%から鈍化)ながら前月比+0.3%は予想(+0.2%)を上回り4月以来の加速となった。ドル円はCPI発表後、利上げ観測の高まりから一時154円48銭まで買われたが、その後原油安を受けて153円44銭まで反落する乱高下となった(財経新聞)。

昨日と同じこと(継続)

  • 日銀の9月17・18日会合待ちのムードと、政策金利を現行の1.0%から1.25%へ引き上げるとの観測は、前回に続き市場の中心的な関心事であり続けている。
  • 米長期金利の上昇、トランプ政権の関税政策、中国の景気減速懸念は、前回に続き弱気材料として意識されている(財経新聞)。
  • 自社株買いの活発化と東証による企業価値向上要請は、前回に続き相場の下支え材料として機能している(財経新聞)。
  • エアトリは前回の増配・株主還元方針発表の余波を引き継ぎ、本日も1,073円(+150円、+16.25%)と2日連続ストップ高・値上がり率1位となった(THE GOLD ONLINE)。

要因の連続性

  • 継続要因: 日銀9月会合を控えた利上げ観測、米長期金利上昇・トランプ関税政策・中国減速懸念という弱気材料、自社株買いの活発化という下支え材料。
  • 新規要因: (1) 中東情勢激化による原油急伸、(2) 米8月PPI上振れ・CPIコア前月比上振れを受けた「トランプ・インフレ」警戒、(3) 半導体株(アドバンテスト・東京エレクトロン・キオクシアホールディングス)が押し上げ役から押し下げ役に転換、(4) 日銀発表の8月企業物価指数(+7.6%、予想上回る)という新たな確定データ。
  • 解消した要因: 前回の押し上げ要因だったTSMC好決算を手がかりにした半導体株の押し目買いの流れは一巡し、本日は逆に半導体株安が相場の重荷となった。

1. 市況サマリー

指数 終値(9/11) 前日比 騰落率
日経平均株価 64,011.34円 -1,259.61円 -1.93%
TOPIX 4,028.30pt -26.28pt -0.65%
東証グロース市場250指数(先物) 753pt前後 -17pt(前営業日比) -2.2%程度

日経平均は前日比1,259円61銭安の6万4011円34銭と大幅反落し、朝方には下げ幅が2,000円を超える場面もあった。東証プライムの値上がり銘柄は95、値下がりは128、変わらずは2と売りが優勢だった(財経新聞、財経新聞)。

2. 指数別動向

日経225

中東情勢の激化による原油急伸と、米8月PPI上振れを受けた米長期金利上昇への警戒(「トランプ・インフレ」懸念)から、朝方は幅広い銘柄に売りが先行し、下げ幅は2,000円を超える場面があった。終値は前日比1,259円61銭安の6万4011円34銭で、値上がり95銘柄・値下がり128銘柄・変わらず2銘柄と売りが優勢だった。押し下げ寄与度上位はアドバンテスト(3万1720円、-2,200円、寄与度-530.99)、ソフトバンクグループ(6,540円、-270円、寄与度-217.22)、東京エレクトロン(5万1460円、-1,350円、寄与度-135.76)、キオクシアホールディングス(5万4030円、-4,060円、寄与度-95.27)で、AI・半導体関連の値がさ株が下落を主導した。一方、京セラ(3,551円、+82円)やコナミグループ(2万730円、+380円)など内需・ディフェンシブ色の強い銘柄には資金が向かった(財経新聞)。

グロース市場250指数

先物(9月限)は753pt(高値756pt・安値744pt、前営業日比17pt安)で3営業日ぶりに反落した。前回レポート時点の783pt台からはさらに水準を切り下げている。原油価格の上昇、米国株安、金利高を受けて売りが先行したが、下値では押し目買いも入った。個別ではGO、タイミーなどが下落した(財経新聞)。

3. 強気派 vs 弱気派

強気派

  • 財経新聞の「9/11の強弱材料」では、企業による活発な自社株買いと、東京証券取引所による企業価値向上要請の継続が、引き続き下支え材料として挙げられている(財経新聞)。
  • 株探ニュースの伊藤智洋氏(テクニカルアナリスト)は、7月29日安値(6万448円)がサポートとして意識される中、直近安値の6万4186円を維持できれば、自律反発を狙った押し目買いの好機になりうるとの見方を示した(株探ニュース)。

弱気派

  • 財経新聞の「9/11の強弱材料」では、前日のNYダウ(5万2064.10、-316.56)・ナスダック総合(2万6081.73、-171.62)・SOX指数(1万1614.17、-317.15)の下落、シカゴ日経225先物の下落(6万3860、-1,230)、米長期金利の上昇、トランプ政権の関税政策、中国の景気減速懸念が弱気材料として指摘されている(財経新聞)。
  • 伊藤智洋氏は、9月3日安値(6万3772円)を明確に下抜ければ下落トレンドを再確認し、一直線に7月29日安値(6万448円)を試す展開もあり得ると警告した。本日の終値(6万4011円)はその伊藤氏が挙げた直近安値6万4186円をすでに下回っており、次の節目である6万3772円が今後の焦点となる(株探ニュース)。

4. 経済ニュース

経済指標・政策

  • 日銀が9/11に発表した8月の企業物価指数(速報)は前年同月比+7.6%(市場予想の+7.4%程度を上回る)、前月比-0.2%だった。非鉄金属(+43.3%)、情報通信機器(+19.5%)、石油・石炭製品(+14.7%)などが押し上げに寄与し、515品目中446品目が上昇した。中東情勢の混迷を背景とした資源高が幅広い品目に波及していることが改めて示された(時事エクイティ)。
  • 米国では8月CPIが発表され、総合は前年比+3.4%・前月比+0.4%(いずれも予想通り)、コアCPIは前年比+2.4%(7月の+2.5%から鈍化)ながら前月比+0.3%は予想(+0.2%)を上回り4月以来の加速となった。CPIを受けて9月FOMCでの利上げ確率は9割近くに織り込まれた(財経新聞)。
  • 日本の政府・国会の経済政策について、本レポート作成時点で9/11固有の新たな動きは確認できなかった。

注目された個別銘柄

  • エアトリ: 1,073円(+150円、+16.25%)。増配・株主還元方針発表の余波が続き、2日連続ストップ高で値上がり率1位となった(THE GOLD ONLINE)。
  • アドバンテスト: 3万1720円(-2,200円、-6.5%程度)。日経平均の押し下げ寄与度トップ(-530.99)となった(財経新聞)。
  • ソフトバンクグループ: 6,540円(-270円、-4.0%程度)。押し下げ寄与度2位(-217.22)(財経新聞)。
  • 東京エレクトロン: 5万1460円(-1,350円、-2.6%程度)。押し下げ寄与度3位(-135.76)(財経新聞)。
  • キオクシアホールディングス: 5万4030円(-4,060円、-7.0%程度)。押し下げ寄与度4位(-95.27)(財経新聞)。

5. 日銀・金利・為替

日銀

9月17・18日の金融政策決定会合が引き続き最大の焦点で、政策金利を現行の1.0%から1.25%へ引き上げるとの観測が前回に続き市場で有力視されている。日銀が9/11に発表した8月の企業物価指数(速報)は前年同月比+7.6%となり、市場予想(+7.4%程度)を上回った。原油高を起点とするインフレ圧力の強さが改めて意識され、利上げ観測を支える材料となった(時事エクイティ)。

金利

国内長期金利(新発10年物国債利回り)について、本レポート作成時点で確定した引け値を示す一次情報は確認できなかったが、企業物価指数の上振れや原油高を受けて上昇圧力がかかりやすい地合いが続いているとみられる。米長期金利は前日のNY市場で米8月PPIの上振れを受けて上昇しており、日米金利差の観点からもドル円の下値を支える方向に働いた(外為どっとコム)。

為替

外為どっとコムによれば、東京時間のドル円は米長期金利の高止まりが支える一方、国内長期金利の上昇や日経平均株価の急落を嫌気した円買いが交錯し、154円台半ばを中心に方向感の出にくい展開となった(外為どっとコム)。日本時間21時30分に発表された米8月CPIを受けて相場は乱高下し、コアCPI前月比の上振れによる利上げ観測の高まりから一時154円48銭まで買われたが、その後原油安を受けて153円44銭まで反落した(財経新聞)。輸出関連株には円安メリットの持続、内需株には物価高への逆風という構図が引き続き意識されている。

6. テクニカル分析

日経225

外為どっとコムのテクニカル分析によれば、日足は長い下ヒゲのある陰線を形成し、売り一巡後は下げ幅を縮小する展開となった。RSI(9日)は前日の40.1%から33.4%へ低下し、売られすぎの領域に近づいている。10日移動平均線(6万5218円)、25日移動平均線(6万6149円)、75日移動平均線(6万6827円)をいずれも下回っており、上値の重い状態が続く。下値メドは心理的節目の6万3000円・6万2000円のほか、7月17日安値(6万2704円)・7月29日安値(6万448円)が意識される。一方、一目均衡表の雲下限の下げが一巡するタイミングでもあり、来週にかけて反転上昇を通じて75日移動平均線などへの持ち直しがあるかが注目されるとしている(外為どっとコム)。

グロース市場250指数

先物は753pt(高値756pt・安値744pt)で3営業日ぶりに反落した。原油高・米国株安・金利高を受けて売りが先行したものの、下値では押し目買いが入り下げ渋った。金利敏感な新興株には、日経225同様に神経質な値動きが続いている(財経新聞)。

7. 本日の注目点

  • 9月12日(土)・13日(日)は東京市場休場。次回の取引は9月14日(月)となる。同週は9月15・16日に米FOMC、9月17・18日に日銀金融政策決定会合が重なる「日米中銀ウィーク」となり、相場の変動要因が集中する(財経新聞)。
  • 日経平均は直近安値の6万4186円をすでに下回っており、9月3日安値(6万3772円)を維持できるかが目先の焦点となる。割り込めば7月29日安値(6万448円)を試す展開も意識される(株探ニュース、外為どっとコム)。
  • 米CPIを受けて9月FOMCでの利上げ確率は9割近くに織り込まれており、結果次第では日米金利差を通じてドル円・東京市場のセンチメントに影響しうる(財経新聞)。
  • 中東情勢の緊迫化と原油価格の動向が、米長期金利・ドル円を通じて東京市場のセンチメントに引き続き影響しうる。
  • 本レポート作成時点で、来週固有の主要決算発表・新規上場に関する確定情報は確認できなかった。