前回からの変化
前回(2026-10-16、10月15日の値)との比較である。金・銀・天然ガス・小麦はTradingEconomicsの10月16日の表示値、原油は10月16日の清算値(報道)で、確定終値でないものを含む。
変わったこと(変化・新規)
- WTIは前回の97.55ドルから101.41ドルへ(3.86ドル高)上げ、100ドルを超えた。ブレントは105.68ドルから109.86ドルへ(4.18ドル高)で、5月以来の110ドル近辺に達した(BNN Bloomberg、TradingEconomics: Crude Oil)
- 前回は反発した銀が、今回は57.42ドルから56.97ドルへ(0.45ドル安)下げ、月間では12.61%安となった(TradingEconomics: Silver)
- 金は前回の4,170.81ドルから4,165.52ドルへ(5.29ドル安)ほぼ横ばいだった(TradingEconomics: Gold)
- 天然ガスは3.21ドルから3.12ドルへ下げ、1週間超ぶりの安値を付けた。小麦は669.25セントから659.75セントへ下げ、2か月ぶりの安値圏に入った(TradingEconomics: Natural gas、TradingEconomics: Wheat)
昨日と同じこと(継続)
- フーシ派によるサウジアラビアの施設への攻撃と、ホルムズ海峡での船舶への攻撃という中東の供給不安が続いている
- 米国の物価高が連日意識され、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測が貴金属の上値を抑える構図は変わらない(Kitco: Latest News)
- 米原油在庫の大幅減少が、原油の支えとして続いている
要因の連続性
- 継続要因: 中東の供給不安、米原油在庫の減少、物価高とFRBの政策をめぐる不透明感
- 新規要因: イランによるホルムズ海峡でのタンカー攻撃の拡大(日曜以降で少なくとも9隻が攻撃を受けたと報じられた)と、ウクライナによるロシアの製油所攻撃を続ける方針の表明。豪州の作柄が良好との評価が、小麦の新たな下げ要因になった
- 解消した要因: 前回の貴金属高の材料だった「株安と長期金利低下」は、金が小動きにとどまったことから、この日は影響が限られた
価格サマリー
| 商品 | 価格(2026年10月16日) | 騰落率(前日比) | 前回値(10月15日) |
|---|---|---|---|
| 金(スポット) | 1オンス4,165.52ドル | 0.13%安 | 4,170.81ドル |
| 銀 | 1オンス56.97ドル | 0.75%安 | 57.42ドル |
| WTI原油 | 1バレル101.41ドル | 3.5%高 | 97.55ドル |
| ブレント原油 | 1バレル109.86ドル | 3.7%高 | 105.68ドル |
| 天然ガス(Henry Hub) | 1MMBtu 3.12ドル | 3.66%安 | 3.21ドル |
小麦は1ブッシェル659.75セント(1.53%安、前回669.25セント)。金・銀・天然ガス・小麦はTradingEconomicsの表示値(取得時刻は確認できず)、原油はBNN Bloombergなどが伝えた清算値である。TradingEconomicsの原油ページはWTIを101.84ドルと表示しており、清算値と差がある。金は報道により値が異なり、Yahoo Financeは当日の金がわずかに上昇したと伝えている(Yahoo Finance)。
商品別動向
金・銀
TradingEconomics: Goldによると、金は4,165.52ドルで0.13%安、月間では4.05%安である。株式の下落で国債や貴金属に安全資産需要が出た一方、中東の緊張を背景に物価高とFRBの政策への警戒が続く。Kitcoは、金が4,170ドル近辺で推移し、12月のFRBの動きが焦点だと伝えている(Kitco: Latest News)。
FinanceFeedsによると、FRBのウォーシュ議長が10月16日のIMF関連の行事で「会合を事前に判断しない」と述べ、利上げを示唆しなかったことで、ドルが約0.7%下げ、金は4,178ドル前後まで戻した場面があった。10月27〜28日の会合での利上げ確率の見方は、情報源により約34〜42%と分かれている(FinanceFeeds)。
銀はTradingEconomics: Silverによると56.97ドルで0.75%安、月間では12.61%安である。
原油
ブレントは109.86ドルで3.7%高となり、取引時間中に5月以来初めて110ドルに触れた。WTIは3.5%高の101.41ドルで清算した(報道による)。ホルムズ海峡では、イランによる攻撃で週の平均通過量が日量1,162万バレルと、基準の1,715万バレルから落ち込んだ。米原油在庫は856万バレル減り、ウクライナによるロシアの製油所へのドローン攻撃も燃料供給を圧迫している(TradingEconomics: Crude Oil、TradingEconomics: Brent oil)。
米国のガソリンの全米平均は1ガロン4.33ドルだった(BNN Bloomberg)。エネルギー株は上昇し、エクソンモービルが2.5%高、シェブロンが2.6%高だった(同上)。
天然ガス
TradingEconomics: Natural gasによると、Henry Hubは3.12ドルで3.66%安、1週間超ぶりの安値である。10月の米本土48州の生産は日量110.8億立方フィートと、8〜9月の過去最高113.3億立方フィートを下回る。ハリケーンによるメキシコ湾の停止やパイプラインの障害が影響した。一方、LSEGは寒さが近づき、今後数週間で需要が強まると予測している。月間では7.47%高である。
農産物
TradingEconomics: Wheatによると、小麦は659.75セントで1.53%安となり、2か月ぶりの安値を付けた。豪州ビクトリア州の穀物業界団体が、作柄調査で「地域全体で収量が高く、水害の兆候は限られる」と報告し、豊作観測が広がった。黒海の混乱による供給不安は残るが、この日は豊作観測が上回った。
急変動の特集
原油、ホルムズ海峡の攻撃拡大で3%超の上昇
ブレントとWTIはともに、目安の1日3%超の上昇となった。ブレントは取引時間中に110ドルに触れ、5月以来の高値である。週間では、TradingEconomicsはWTIが11%超上昇したと伝えている(TradingEconomics: Crude Oil)。
要因は、イランによるホルムズ海峡での攻撃の拡大、フーシ派によるサウジアラビアへのミサイル攻撃、ウクライナによるロシアの製油所攻撃の継続方針である。調査会社エナジー・アスペクツは、サウジの石油施設への攻撃のうわさで原油が下げから反転したと説明した(報道による)。
生活への波及は、ガソリンの全米平均が1ガロン4.33ドルとなった点に表れている。ディーゼルや運賃を通じて、食品や日用品の価格にも波及し得る(推測)。
強気派 vs 弱気派
原油(強気): エナジー・アスペクツは、攻撃の拡大や、イランが先制攻撃を準備しているとのイスラエル側の報道(未確認)が「持続的な緊張の拡大リスクが原油価格を支える」との見方を補強していると説明した(報道による)。
金(強気): ジェフリーズは、短期の弱さは買い場だとし、2027年に1オンス5,000ドルを目標としている。Kitcoは、中国人民銀行が先月、金準備を23トン積み増し、金の上場投資信託(ETF)の保有が過去最高になったと伝えている(Kitco: Latest News)。FinanceFeedsは、10月の利上げが織り込まれなくなれば4,330ドルまで上げるとの強気の道筋を挙げている(FinanceFeeds)。
金(弱気): FinanceFeedsは、FRBのタカ派的な発言とドルの反発で4,073ドルの週間安値と4,002ドルの上昇トレンド線を割れば、4,000ドルが視野に入ると整理している(同上)。OANDAのケルビン・ウォン氏は、金が4,075ドルを底とするレンジに閉じ込められていると指摘した(報道による)。
原油の弱気派・天然ガス・農産物: 発言者と根拠が確認できる弱気の見解は、今回確認できなかった。
地政学・物価関連ニュース
ホルムズ海峡では、日曜以降に少なくとも9隻のタンカーや貨物船が攻撃を受けたと報じられている。イランは原油輸出を妨げようとしているとされ、通過量の落ち込みが原油を押し上げた(TradingEconomics: Crude Oil)。フーシ派はサウジアラビアに向けてミサイルを撃ち、ウクライナはロシアの製油所への攻撃を続ける方針を示した(報道による)。
米国では、9月の消費者物価と生産者物価が強く、FRBが利上げに動くかどうかが貴金属の焦点である。ガソリンは全米平均で1ガロン4.33ドルとなり、物価への波及が意識される(BNN Bloomberg)。米10年債利回りは5.09%だった。
テクニカル分析(金・銀・原油・天然ガス・農産物)
金以外の商品の移動平均線とRSIの当日値は、今回の出典で確認できなかった。確認できた金について解説する。断定的な売買判断ではない。
金: FinanceFeedsによると、RSIは約46で、買われすぎでも売られすぎでもない中立圏にあり、下げの勢いが弱まりつつあることを示すとされる。21日移動平均線は4,201ドル、100日移動平均線は4,242ドルで、この4,200〜4,240ドルが上値の抵抗帯とされる。下値は4,073ドルの週間安値と4,002ドルのトレンド線が支えとされる。200日移動平均線は4,522ドルで、1月の高値5,597ドルからは約25%低い水準である(FinanceFeeds)。
原油・銀・天然ガス・小麦: 確認できた範囲では、小麦が2か月ぶりの安値圏にあること、銀が月間で12.61%下げていることが、位置を示す手がかりである。

