前回からの変化
前回(2026-10-16、前日)との比較である。
変わったこと(変化・新規)
- ビットコインは前回の82,323.52ドルから81,570.40ドルへ(753.12ドル安、24時間で0.95パーセント安)、イーサリアムは2,460.57ドルから2,411.03ドルへ(49.54ドル安、24時間で1.96パーセント安)。前回の小幅高から反転した。取得時刻は異なる(CoinDesk: Bitcoin price today、CoinDesk: Ethereum price today)
- 前回は見出しだけだったBBVAとサンタンデールの協調融資基盤について、本文を確認でき、稼働と実際の融資の実行が分かった(Ledger Insights)
- 特集は、ステーブルコインによる国際送金の事前積み立てから、銀行間の協調融資をブロックチェーン上で管理する仕組みへ移った
昨日と同じこと(継続)
- 銀行や決済事業者が、ブロックチェーンを自社の業務に組み込む動きが続いている
- 前回のEBAによるUSDCの重要分類、ビザとマスターカードのステーブルコイン対応の続報は、今回確認できなかった
- 新たな大規模ハッキングや取引所の破綻は確認できなかった
要因の連続性
- 継続要因: 銀行・決済大手による実利用への組み込みと、MiCAなどの枠組みの整備
- 新規要因: 欧州の大手銀行2行が、ブロックチェーンを使った融資業務を実案件で動かした。中東では、ユーロクリアの基盤を使ったデジタル債の発行が続いている
- 解消した要因: なし
市況ひとこと
ビットコインは81,570.40ドルで、24時間では0.95パーセント安だった。イーサリアムは2,411.03ドルで、24時間では1.96パーセント安である。数値は10月17日朝(日本時間)に価格サイトで確認した表示値で、いずれも変動は5パーセント未満のため、特記する理由は付けない(CoinDesk: Bitcoin price today、CoinDesk: Ethereum price today)。
社会実装・インフラへの採用
BBVAとサンタンデール、協調融資の全工程をブロックチェーン上で運用
- 誰が・何を: スペインのBBVAとサンタンデールが、電力会社イベルドローラ向けの協調融資(複数の銀行が同じ条件で資金を出す融資)で、この基盤を使った。基盤はioBuildersが構築し、実行から利払い、返済、満期、参加持ち分の譲渡までの全工程を扱う
- 技術・規模: 分散型台帳と、条件を自動で実行するスマートコントラクトを使う。使うチェーンの名称は、確認した範囲では明示されていない。融資額は1.5億ユーロである。他の金融機関も参加できる共通の場にしたい考えが示された
- 段階: 本番運用(融資の実行が完了)。2行以外の参加機関は未定
- トークンの扱い: 暗号資産のトークンが使われるかは明示されていない。ブロックチェーン技術が業務管理に使われた事例である(Ledger Insights)
アブダビ首長国第一銀行、デジタルグリーン債を発行
- 誰が・何を: アブダビ首長国第一銀行(FAB)が、ユーロクリアの分散型金融市場インフラ「D-FMI」を使い、デジタルグリーン債(環境事業向けの債券)を発行した。同行のデジタル債は2回目である
- 規模・条件: 10億ディルハム(約2.72億ドル)、期間3年、利率5.75%で、アブダビ証券取引所に上場した
- 段階: 発行完了。中東・北アフリカ・トルコの銀行がD-FMIで発行するデジタル債は、この1年で4件目と記事は伝える。掲載日は出典ページ上で確認できなかった(Ledger Insights)
各国の法改正・規制
米国
- 通貨監督庁(OCC)のゴールド長官は、ステーブルコイン規制法(GENIUS法)の実施規則について「11月までに最終規則を出し、年明けに申請の受け付けを始めたい」と述べた(8月20日付の報道)。法律上の期限は2027年1月18日である。段階は、提案規則の意見募集が終わり、最終規則を待つ状態である。最終規則の公表は、今回確認できていない(Decrypt)
EU
- 前回報じたとおり、EBAはUSDCをMiCAの下で「重要な電子マネートークン」に分類した。重要と分類されると、準備金のうち銀行に置く割合が30%から60%に上がる。新しい動きは今回確認できなかった(Ledger Insights)
日本・その他
- 新たに確認できた制度の動きはない。
特集: 新しいビジネスの形
協調融資の事務を、ブロックチェーン上の共通台帳に置く
直近2週間の特集は、標準ウォレット、小規模銀行のトークン、担保ミラーリング、トークン化MMF、国債トークンを担保にしたレポ、国際送金の事前積み立てなどだった。今回は、前回見出しだけ触れたBBVAとサンタンデールの事例を、本文を確認できたため掘り下げる。
- 仕組み: 協調融資では、複数の銀行が一つの融資に資金を出す。従来は、幹事銀行が各行へ利払いや返済の通知を個別に送り、各行が自行の台帳に記録していた。この事例では、全参加者が同じ分散型台帳を見て、利息の計算や返済の分配をスマートコントラクトで自動化する
- 誰がどう稼ぐのか: 収益の分け方は公表されていない。参加銀行は事務の手間と誤りを減らせるとみられる。基盤を作ったioBuildersは、構築や運用の対価を得る立場にある(推測)
- 既存のやり方との違い: 持ち分の譲渡や利払いの確認が、書類や電子メールのやり取りではなく共通の記録で済む点が変わる。ただし、融資の契約自体は従来どおり法的な契約である
- 課題・リスク: 参加銀行が増えないと共通台帳の利点は小さい。使うチェーンや、他の銀行の基盤との接続は明示されていない
- 具体例: BBVA、サンタンデール、イベルドローラ(Ledger Insights)
業界トピック
- 前日〜現在に、新たな大規模ハッキングや取引所の破綻は確認できなかった。

