前回からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • ドル円は前回(23日NY引け)の158円40銭から、24日は159円04銭まで上昇し、円安が一段と進んだ。前回時点で意識されていた200日移動平均線(158.46円)を上抜けて引けており、次の節目は9月2日高値の160円39銭、一目均衡表の雲下限(159円14銭)が意識される展開になった。
  • 前回「今夜の注目イベント」に挙げた米中首脳会談は24日にホワイトハウスで実現し、トランプ大統領・習近平国家主席は貿易「休戦」延長やAI・台湾問題などを協議した(日本経済新聞)。会談自体は為替の直接材料とはならず、ドル円の値動きは米指標・金利要因が主導した。
  • 前回「次回以降で補う」としていたIMM投機筋の円ポジションについて、9月15日時点(9月19日公表)のCFTC建玉報告で円は120,359枚の買い越しとなり、前週から109,563枚の急拡大が確認できた(みんかぶ)。現物相場は円安が進む一方、投機筋は円買い越しを積み増しており、方向感が分かれている点は次回以降も追う。

昨日と同じこと(継続)

  • 財務省・日銀からの新たな公式介入の事実は確認できず、口先牽制と警戒感による上値の重さという構図が続いている。
  • 米長期金利の高止まり・上昇基調がドル買い・円安の主因として働く構図も継続している。

要因の連続性

  • 継続要因: 米長期金利の上昇基調(前回はPMI速報値・FRB高官発言が材料)が、24日も引き続きドル買い・円安の主因として働いている。
  • 新規要因: 24日は米新規失業保険申請件数・新築住宅販売件数・カンザスシティ連銀製造業活動指数がそろって市場予想を上回ったこと、米7年債入札が低調だったことが新たな金利上昇・ドル高材料として加わった。
  • 解消した要因: 前回挙げていた日銀レートチェック水準超えへの警戒感は、24日にドル円がさらに上値を伸ばしたことで一段と強まっており、解消はしていない(むしろ強まった要因)。

1. 為替サマリー

通貨ペア 水準(取得時点) 前日比
ドル円 159.04円(9/24 NY引け) 158.40円→159.04円(+0.64円、+0.4%)
ユーロ円 180.42〜180.76円(9/24 NY) 180.39円台からほぼ横ばい
ユーロドル 1.1359ドル(9/24 NY引け) 1.1410ドル→1.1359ドル(-0.0051、-0.4%)
ドル指数(DXY) 100.9pt台(9/24 日中) 100pt台を維持しドル高基調
人民元(オフショアCNH) 1ドル=6.71元近辺(9/24) 元高一服、利益確定の元売り

(取得時点: 日本時間2026年9月25日早朝〔NY時間9月24日引け値中心〕。出典: みんかぶ、財経新聞)

2. ドル円の動き

東京時間の24日は、連休明けでやや円買いが優勢となり、朝方に一時158円を割り込む場面があった(仲値は158円01銭)。その後は介入警戒感がくすぶる中で158円台前半でのもみ合いが続いた(みんかぶ)。

欧州時間には158円40銭近辺、ユーロドルは1.1390ドル近辺で推移し、方向感の乏しい展開だった。

NY時間に入ると、米労働省が発表した新規失業保険申請件数が19万7000件(市場予想20万1000件)と予想を下回って減少し労働市場の底堅さを示したほか、新築住宅販売件数(68万4000戸、予想61万6000戸)、カンザスシティ連銀製造業活動指数(14、予想9)もそろって予想を上回った。加えて米財務省が実施した7年債入札が低調(最高落札利回り5.085%、テール+0.7bp、応札倍率2.42倍)となり、長期国債買戻しの未達も重なって長期金利が上昇、ドル買いが加速した。ドル円は序盤に158円60銭まで弱含む場面もあったが、その後は買いが優勢となって158円80銭で上値抵抗とされてきた200日移動平均線(158.46円)を上抜け、159円04銭まで上値を伸ばして引けた(みんかぶ、財経新聞)。

25日の東京市場は、158円60銭〜159円60銭のレンジで159円台前半を軸にもみ合う見通しが示されている。原油高・米金利上昇の勢いが一服する中、明確なトレンドは出にくいとみられている(株式新聞Web)。

3. その他の主要通貨

ユーロドルはNY時間に1.1392ドルへ上昇した後、1.1359ドルまで反落して引けた。ポンドドルも1.3240ドルへ強含んだ後、1.3204ドルまで下落し、ドル全面高の様相となった。ドル・スイスは0.8265〜0.8297フランのレンジで推移した(財経新聞)。

ドル指数(DXY、主要通貨に対するドルの総合的な強さを示す指数)は24日に100.9pt前後まで上昇し、ドル高基調が続いている。

人民元については、人民銀行が基準値を元高方向に設定し3日続伸となったが、オンショア・オフショアともに1ドル=6.71元台で利益確定の元売りが出て上値が抑えられた(BigGoファイナンス)。24日にホワイトハウスで実現した米中首脳会談は、貿易「休戦」延長やAI・台湾問題を議題としたが、具体的な合意内容は本レポート作成時点では確認できていない(詳細はchina_stock・world_affairsカテゴリ参照)(日本経済新聞)。

韓国ウォンは対円で軟化し(1ウォン=0.1148〜0.1150円、前日比マイナス圏)、対ドルでも1365円台から1368円台へウォン安が進んだ。豪ドル円は111円29銭〜112円15銭のレンジで、前日とほぼ同水準にとどまった。

4. 当局の姿勢と介入

財務省・片山さつき財務相から9月24日時点の新たな公式発言は確認できなかった。一方、9月18日深夜から19日未明にかけて日銀が実施したとみられるレートチェックの水準(市場推定で1ドル=156円台後半)を、24日のドル円は159円台まで大きく上回って推移しており、介入への警戒感は前回よりも強まっている。もっとも、政府・日銀による実際の介入実施は本レポート作成時点で確認できていない(外為どっとコム)。

市場では、投機筋の円売りポジションが膨らんでおらず、直近のドル円上昇はドル高主導であることから、円買い介入の再発動は難しいとの見方も出ている(ザイFX!)。7月31日に実施された日米協調介入(2011年以来15年ぶり)以降の「必要な場合は断固たる措置をちゅうちょしない」との基本姿勢に変化は見られない。

5. ポジションと相場観

CFTC(米商品先物取引委員会)が公表したIMM通貨先物の投機筋ポジション(9月15日時点、9月19日公表)では、円は120,359枚の買い越しとなり、前週から109,563枚拡大した。ユーロは26,993枚の売り越し(前週比15,623枚縮小)、ポンドは58,715枚の売り越し(同121枚縮小)、スイスフランは28,988枚の売り越し(同997枚縮小)だった(みんかぶ)。現物市場では円安が進む一方、投機筋(ヘッジファンドなど)は円買い越しを積み増しており、ポジションと実勢の方向がねじれている点が特徴である。

円安派は、9月米PMI速報値の強さと追加利上げ観測を根拠に、月初来高値の160円39銭(9月2日)を意識する展開を見込む。一方、上値抑制派は、片山財務相の円安けん制姿勢と日銀のレートチェック水準超えによる介入警戒を根拠に、上値の重さが続くとみている(みんかぶ、ザイFX!)。

6. テクニカル分析(ドル円)

24日2時時点のデータでは、5日移動平均線は157円19銭、21日移動平均線は156円72銭、200日移動平均線は158円46銭(いずれも直近でドル円が上回る位置)、90日移動平均線は159円72銭(上値抵抗の目安)だった。RSI(14日、買われすぎ・売られすぎを測る指標で70%超で買われすぎの目安)は56.67%と、まだ過熱感の強い水準ではない。24日のNY市場で159円04銭まで上昇したことで200日線を明確に上抜けており、次の抵抗帯として一目均衡表(将来の相場の方向性を面〔雲〕で示す指標)の雲下限159円14銭・上限159円61銭、その先に9月2日高値の160円39銭が意識される。下値のサポートは9月23日安値の157円34銭とされる(外為どっとコム)。

7. 今夜の注目イベント

  • 9月25日(金、日本時間21時30分): 米8月耐久財受注(前回は速報値+2.9%。強い内容ならさらなるドル買い材料になりうる)
  • 9月25日(金、日本時間夜): ミシガン大学消費者態度指数確報値など米消費関連指標(詳細はecon_indicatorsカテゴリ参照)
  • 10月FOMCでの追加利上げの織り込みは8割超とされ、FRB高官の発言が引き続きドル円を動かしやすい地合いが続く
  • ドル円が160円台に接近する場面では、財務省・日銀による牽制発言や介入観測が一段と強まる可能性がある