前回からの変化

前回(2026-10-18)との比較である。前回は16日に決算を出した地銀3社の通常取引の終値を整理した。月曜の本日は、前営業日(16日)に決算を出した同じ地銀グループのうち、前回まで扱っていなかったエムアンドティー銀行を加える。

変わったこと(変化・新規)

  • 16日発表の地銀として、エムアンドティー銀行を新たに取り上げる。調整後EPSは5.08ドルで、コンセンサスの4.93ドル(Finviz掲載の記事による。Zacksの集計では4.98ドル)を上回った(Finviz: 決算発表、Finviz: 株価の反応)
  • 前回の3社は寄り前の下げが通常取引で縮んだのに対し、同社は逆に、寄り前の1.53%高から通常取引では2.79%安(215.28ドル)に転じた(Yahoo Finance: MTB)

昨日と同じこと(継続)

  • 地銀各社の決算で「EPSは予想を上回るが、株価は素直に上がらない」構図が続いた。前回の地銀3社の数字に修正は確認していない
  • 週明け19日の米国は、前回の予告のとおり20日のネットフリックスから大手テックの決算が本格化する(TheStreet)

要因の連続性

  • 継続要因: 市場が足元のEPSより、利益率や先行きを重く見る構図。16日はAI投資の資金調達への不安でナスダックが2.1%下落しており、地銀にも売りが及んだ可能性があるが、同社の下落理由を直接示した報道は確認できなかった(BNN Bloomberg)
  • 新規要因: 純金利マージン(貸出金利と預金金利の差から生まれる利ざやの指標)が前四半期から0.05ポイント低下して3.65%になった点が、同社固有の論点である
  • 解消した要因: 前回の地銀3社で目立った売上高の未達は、同社では見られなかった(売上高25.4億ドルは予想25.3億ドルをわずかに上回った)

1. 本日のハイライト

企業名 会計期間 EPS(調整後) 予想比 16日の株価
エムアンドティー銀行 2026年7〜9月期 5.08ドル(希薄化後5.04ドル) 予想4.93ドルを上回る 寄り前1.53%高、終値2.79%安

予想の出所はFinvizの記事に引用された集計で、Zacksの予想は4.98ドルである。終値はYahoo Financeの株価履歴ページの表示値を読み取ったもので、正式な終値は取引所のデータで確認してほしい。寄り前の値(時間外取引)と終値(通常取引)は別物であり、同じ日の中で方向が逆になった。

2. 個別決算

エムアンドティー銀行 — 2026年7〜9月期

純利益は7.75億ドルで、前四半期比・前年同期比とも2%減った。希薄化後EPSは5.04ドルで、前四半期比5%減、前年同期比5%増である。前年同期は、CIT事業の売却に伴う2,800万ドルの追加対価と、リース機器の売却益1,200万ドルが利益を押し上げていたが、今期はそれがない(Finviz: 決算発表)。

純金利収入は17.93億ドルで前年同期比2%増。純金利マージンは3.65%と前四半期から0.05ポイント低下した。貸出残高は1,448億ドルで前年同期比6%増(前四半期比2%増)、商工業向けが664億ドル、商業用不動産向けが256億ドルである。預金残高は1,675億ドルで前年同期比2%増だった。融資の延滞が増えていないかを示す不稼働貸出の比率は0.90%で、前年同期の1.11%から改善した(同上)。

自己資本の指標である普通株式Tier1比率(CET1)は推定10.16%。株主還元は、自社株買い3.23億ドル(130万株)と、1株1.50ドルの配当である(同上)。

同社は明示的な業績見通し(ガイダンス)を示していない。株価は、寄り前に1.53%上昇と伝えられたが、通常取引は前日の218.65ドルから215.28ドルへ下げ、2.79%安で終えた。下落の理由を示した報道は確認できず、純金利マージンの低下や、同日のテック株安が背景にあるとの見方は筆者の推測にとどまる(Finviz: 株価の反応、Yahoo Finance: MTB)。

3. 経営陣が語ったこと

ダリル・ビブルCFO(最高財務責任者)は、貸出と預金が堅調に伸び、信用の質は安定し、資本も十分だったと説明した。カンファレンスコールの質疑の内容は、今回確認できていない(Finviz: 決算発表)。

4. 業界トレンド

地銀の今季決算は、これまで取り上げたトゥルーイスト、リージョンズ、シチズンズ、エムアンドティー銀行の4社で、いずれもEPSは予想を上回った一方、株価の反応は割れた(筆者の整理)。貸出残高は増える傾向だが、利ざやの動きは社ごとに違い、トゥルーイストとリージョンズでは前四半期比で拡大、エムアンドティー銀行では縮小した。市場がEPSの上振れより、利ざやと先行きを見ている様子がうかがえる。

5. 決算シーズンの進捗

FactSetの10月9日版では、7〜9月期のS&P500の利益成長率は前年同期比29.6%の見通しで、発表済み19社のうち84%がEPSの予想を上回った。10月16日版の数字は、今回も確認できていない。今週は発表社数が一気に増える。

6. 次の注目決算

日付は米国時間である。引け後の発表は日本時間では翌朝になる。

  • 10月20日(火): ネットフリックスが引け後に発表予定で、予想はEPS0.82ドル(前年比40%増)、売上高129億ドル(12%増)。インテュイティブ・サージカルも同日の予定(Hargreaves Lansdown、TheStreet)
  • 10月21日(水): メタとテスラが予定されている。メタは売上高633億ドル(24%増)の予想、テスラはEPSが14%減の0.43ドルの予想で、利益面の説明が焦点とされる(Hargreaves Lansdown)
  • 日本では23日(金)にファナックが発表予定(財経新聞)