前回からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • 死者数が前回の7人から9人へ増加、行方不明者は5人から4人へ減少した(千葉県印西市で60代男性、神奈川県三浦市で30代女性の死亡がそれぞれ新たに確認された)。
  • 千葉県成田市の印旛沼で北印旛沼の堤防が2か所決壊し、周辺の田畑・住宅地に新たに浸水が広がった(北印旛沼の最高水位は観測開始以来最高の4.84メートル)。
  • 佐倉市の住宅被害は前回の424棟以上から約500棟へ拡大し、道路上で約120台が水没したことが新たに判明した。
  • 新たに台風26号「スリゲ」がフィリピン東で発生し、26日ごろに沖縄の南へ達する見込みとなった。

昨日と同じこと(継続)

  • 千葉・神奈川両県で行方不明者の捜索が引き続き行われている。
  • JR内房線・外房線の一部区間など複数路線で運転見合わせが継続し、一部区間は復旧に1週間以上かかる見通し。
  • 地盤の緩みによる土砂災害への警戒が引き続き必要な状況が続いている。

要因の連続性

  • 継続要因: 台風25号がもたらした記録的大雨による地盤の緩みと河川の増水が、前回に続き土砂災害・浸水被害の主因として働いている。
  • 新規要因: 北印旛沼の堤防決壊という新たな被害要因が加わり、成田市周辺で浸水域が拡大した。また新たに発生した台風26号が今後の警戒対象として加わった。
  • 解消した要因: 台風25号本体による直接の暴風・高波の影響は後退した(23日中に日本のはるか東で温帯低気圧に変化)。

1. 被害サマリー

項目 千葉県 神奈川県
死者 5人(佐倉市・鴨川市・茂原市・印西市など) 4人(横須賀市・三浦市)
行方不明 2人 2人(三浦市・横須賀市)
住家被害 約500棟(佐倉市中心)、印旛沼堤防決壊で浸水拡大 複数の家屋全壊(横須賀市・三浦市)
特記 印旛沼(成田市)の堤防2か所決壊、道路上約120台水没 三浦市で行方不明だった30代女性の死亡確認

(時点: 2026年9月23日午前8時半時点の死者9人・行方不明4人はNHKニュースによる。県別内訳は複数報道の集計であり、確定情報ではなく今後変わりうる)

2. 災害別の状況

台風25号による被害の拡大(千葉県)

千葉県印西市では22日午後、水没した車両近くで60代男性が発見され死亡が確認された。佐倉市では市内を流れる高崎川が21日夜に氾濫し、大規模な冠水が発生、住宅被害は約500棟に達し、県管理道路だけで約120台が水没した。佐倉市の24時間雨量322ミリは観測史上1位を記録している(朝日新聞)。

さらに成田市では、高崎川などが最終的に流れ込む印旛沼(北印旛沼)で水位が観測開始(1969年)以来最高の4.84メートルに達し、船形地区・角川地区の堤防2か所が決壊した。周辺の水田や住宅地に浸水が広がり、大竹地区などでは22日午後も水が引かず、県警のボートによる住民救助が行われた。千葉県・国は排水機場のフル稼働とポンプ車による緊急排水に全力を挙げている(千葉県、千葉日報オンライン)。

神奈川県・三浦市の行方不明者の死亡確認

22日夜から行方不明となっていた神奈川県三浦市の30代女性が23日、自宅から発見され、その場で死亡が確認された。これにより神奈川県内の死者は4人、行方不明者は3人から2人に減少した。三浦市・横須賀市では引き続き自衛隊・警察による捜索が続いている(読売新聞、毎日新聞)。

3. 生活・交通・インフラへの影響

  • 鉄道: 23日始発から内房線千葉〜姉ケ崎間、総武本線成東〜銚子間、成田線の一部区間、鹿島線、東金線が運転再開した一方、内房線姉ケ崎〜安房鴨川間、外房線千葉〜安房鴨川間、総武本線佐倉〜成東間、久留里線などは23日終日運転見合わせが続いた。土砂流入や線路冠水、倒木の被害箇所が広範囲に及び、一部区間は復旧まで1週間以上かかる見通しである(NHKニュース)。
  • 道路: 印旛沼の堤防決壊に伴い、成田市・印西市周辺で通行止めが継続している。県管理道路では佐倉市周辺を中心に約120台の水没被害が確認された(朝日新聞)。
  • 住宅: 佐倉市を中心に多数の床上・床下浸水が報告されているほか、印旛沼周辺でも新たな浸水被害が確認されている(朝日新聞)。

4. 産業・経済への影響

印旛沼周辺の水田が広範囲に冠水しており、農業被害の拡大が懸念される。工場の操業停止など製造業への具体的な被害情報は、本レポート作成時点では確認できていない。

5. 行政の対応と支援

千葉県・国は印旛沼の水位を下げるため、排水機場のフル稼働と緊急排水ポンプ車の投入に全力を挙げている。千葉県警はボートによる住民救助を継続して実施した(千葉日報オンライン)。神奈川県・千葉県では自衛隊による行方不明者の捜索・救助活動が引き続き行われている。

被災者向けの罹災証明書の交付窓口は各市町村で継続して開設されている(被害箇所の写真撮影〔洗浄前〕が必要)。

6. 今日の警戒情報

台風25号本体の直接的な影響は後退したが、記録的な大雨で地盤が緩んでいることに加え、印旛沼周辺では堤防決壊による浸水が続いており、成田市・印西市・佐倉市周辺では今後数日、追加の浸水・土砂災害への警戒が必要である。

また、フィリピン東で23日午後9時に台風26号「スリゲ」が発生した。発達しながら西よりに進み、26日ごろには沖縄の南に達し、28日には「強い」勢力に発達する見込みである。現時点で本州への影響を含む進路には幅があり、今後の情報に注意が必要である(ウェザーニュース)。

(用語解説: 「氾濫発生情報」は河川の水があふれ、実際に氾濫が始まったことを示す情報。「排水機場」は増水した内水を河川や海へ強制的に排出するポンプ施設で、堤防決壊時の浸水拡大を防ぐ役割を持つ。)