前回からの変化
前回(2026-10-04)との比較である。本カテゴリは週報のため、比較対象は1週間前になる。
変わったこと(変化・新規)
- 東証REIT指数は、前回の10月2日終値1,673.90から、10月9日終値1,659.87へ14.03ポイント(0.8%)下がった。前回は3.6%の急落だったが、今週は下落幅が小さくなった。途中の10月8日には1,649.05と年初来安値を付け、9日に10.82ポイント(0.66%)戻した(日本経済新聞、松井証券)
- 米30年固定住宅ローン金利は、前回の7.28%から7.40%(0.12ポイント上昇)へ、15年固定は6.60%から6.73%(0.13ポイント上昇)へ上がった。前回「来週の注目」とした「7.28%の水準が続くか」は、続くどころか一段高になった(Freddie Mac、Mortgage News Daily)
- 一棟マンション(収益物件)の9月の首都圏価格が前月比3.35%下落に転じた一方、北海道・東海・関西は前年同月比で約18〜19%上昇した。前回レポートに無かった新規の指標である(PR TIMES(LIFULL))
昨日と同じこと(継続)
- 日米で住宅ローン金利が上昇する流れは前回に続いて継続している。今週は国内の金利改定の発表が無く、米国の週次データが追加で上昇を示した
- 東証REIT指数が下落基調にある点は継続している。前回に続き、直接の理由を示した報道は今週分では確認できなかった
- 中国の不動産市場、政策・制度、大型取引については、前回に続き今週分の確度の高い新規情報は確認できなかった
要因の連続性
- 継続要因: 国内外の金利の先高観が、前回に続きREITと住宅購入者の逆風として働いている。9月28日にも、金利の先高観から有利子負債の多いREITが売られ、高い分配金利回りでも買いが入りにくいと報じられていた(日本経済新聞)
- 新規要因: 今週新たに加わった材料は、米住宅ローン金利が過去52週の最高水準の7.40%まで上がった点である。ただし、これが国内REITの下落に直接効いたかは確認できていない
- 解消した要因: なし
1. 今週のサマリー
| 項目 | 値 | 前回比・前年比 |
|---|---|---|
| 東証REIT指数(10/9終値) | 1,659.87 | 前回(10/2)1,673.90から14.03ポイント安(0.8%安) |
| 同指数の年初来安値(10/8) | 1,649.05 | 10/2比で24.85ポイント安(1.5%安) |
| 米住宅ローン金利(Freddie Mac、10/8発表) | 30年固定7.40%、15年固定6.73% | 前週は7.28%、6.60% |
| 一棟マンション全国平均価格(LIFULL、9月) | 2億638万円 | 前月比0.81%高、前年同月比7.11%高 |
国内の主要行の住宅ローン金利(変動・固定)とフラット35は毎月初の改定で、今週は新しい発表が無い。最新は前回扱った10月分(フラット35の最頻金利3.83%)である。
2. 国内の住宅・不動産市場
今週は国の住宅着工や新築マンション価格などの主要統計の公表が無かった。最新値は前回扱った8月の新設住宅着工(前年同月比6.1%増)と、8月の首都圏新築マンション平均価格(9,770万円、前年比5.4%下落)である。不動産経済研究所の9月分は、前回は10月20日の見込みとされていた。
収益物件では、LIFULLが10月8日に発表した2026年9月期の「収益物件 市場動向マンスリーレポート」によると、一棟マンションの全国平均価格は2億638万円だった。前月比は0.81%上昇、前年同月比は7.11%上昇で、調査を始めた2008年4月以降では2番目に高い水準とされる。エリア別では、北海道が前年同月比19.35%上昇、東海が19.46%上昇、関西が18.08%上昇で、3エリアとも直近1年間の最高値を更新した。一方、首都圏は前年同月比4.47%上昇にとどまり、前月比では3.35%下落に転じた(PR TIMES(LIFULL))。
価格の上昇は、すでに物件を持つ売り手・投資家には含み益になるが、これから買う投資家にとっては利回りの低下を意味する。LIFULLは、利回りは北海道で0.48ポイント低下したと伝えており、価格が上がった分だけ買い手の期待利回りは薄くなっている。
3. J-REIT・不動産株
東証REIT指数は10月9日の終値が1,659.87で、前日比10.82ポイント(0.66%)高だった。前日の10月8日は1,649.05で、年初来安値を更新していた。前回(10月2日)の1,673.90と比べると、1週間で14.03ポイント(0.8%)の下落になる。年初来高値は1月16日の2,067.93で、そこからは19.7%低い水準である(日本経済新聞、松井証券)。
今週の下落の理由を直接示した報道は確認できなかった。9月28日の日本経済新聞は、国内金利の先高観から有利子負債の多いREITが売られ、分配金利回り(1口あたりの年間分配金を投資口価格で割った値。債券でいう利回りに当たる)が5%以上と高くても買いが入りにくい状況だと伝えている。国債利回りとの差が縮み、REITの魅力が相対的に薄れているためとされる(日本経済新聞)。今週も同様の需給が続いたとの見方もあるが、推測を含む。
REITが下がると、保有者の含み損は増える一方、新規に買う投資家にとっては分配金利回りが上がって入りやすくなる側面がある。ただし、金利上昇が続けば借入コストが増え、分配金そのものが減るおそれもある。今週は公募増資や物件取得など、確度の高い個別の発表は確認できなかった。
4. 海外の不動産市場
米国
フレディマックが10月8日に発表した週平均の30年固定住宅ローン金利は7.40%で、前週の7.28%から0.12ポイント上昇した。15年固定も6.73%(前週6.60%)に上がった。1年前の30年固定は6.30%で、1.10ポイント高い。Mortgage News Dailyによると、30年固定は過去52週の最高値で、1か月前からは0.69ポイント上がっている。同社の集計は、月曜から水曜に集めた貸し手の金利の平均である(Freddie Mac、Mortgage News Daily)。
金利が上がれば、新しく借りる買い手の月々の返済は増える。一方、すでに低い固定金利で借りている所有者は、金利が高いために住み替えを控えがちになり、売り物件が出にくくなる面がある(一般的な見方)。
中国
今週、70都市の新築住宅価格など、中国の不動産市場の新たな公表は確認できなかった。9月分の統計は、例年どおりなら10月中旬以降の公表になる。
その他
欧州・アジアで、確度の高い大きな動きは確認できなかった。
5. 政策・制度
今週分について、住宅ローン減税・不動産関連の税制、建築規制での新たな確度の高い進展は確認できなかった。
6. 大型取引・話題の案件
今週分について、大型の売買・開発案件に関する確度の高い新規情報は確認できなかった。話題の案件としては、LIFULLの調査で一棟マンション価格のエリア間の格差(首都圏の伸び悩みと、北海道・東海・関西の約20%近い上昇)が出た点が目立つ。
7. 来週の注目
- 米国: フレディマックの週次の住宅ローン金利(10月15日の発表の見込み)。7.40%という52週の最高水準がさらに上がるかが焦点になる
- 国内: 東証REIT指数が年初来安値のあと、9日の反発を続けられるかどうか。主要REIT・不動産会社の決算スケジュールは、来週分の確度の高い情報は確認できなかった
- 国内: 不動産経済研究所の9月の首都圏新築マンション動向は、10月20日の発表見込みで来週ではない

