前回からの変化
前回(2026-10-10)との比較。前回は10月9日付で、本日は10月10日付だが、10日は土曜で市場は休場のため、確認できた最新の動きは9日(金)分である。
変わったこと(変化・新規)
- ブレント原油の9日終値は104.72ドルと確定した。前回は取引中の104.47ドルを記載しており、そこから0.25ドル上がった。週間では2.41パーセントの上昇、WTI原油は91.85ドルで週間0.81パーセントの上昇である(Yahoo Finance、The National)
- ハリケーン「イサイアス」の被害想定が具体化した。石油各社は米メキシコ湾の原油生産の70パーセント超を止め、報道では日量約130万バレル、同海域の生産の62.9パーセントが停止した(Yahoo Finance)
- 米財務省がイラン産原油などを運ぶ17隻を新たに制裁した。アジア向けの輸送が対象である(ROIC)
- イランのアラグチ外相が、ホルムズ海峡再開の「7日間計画」への米国の回答を検討中で、数日内に返答すると述べた(Anadolu Agency)
昨日と同じこと(継続)
- トランプ大統領は11月3日の中間選挙前にイランを攻撃しないとの立場を保ち、イランとの協議は「生産的」だと述べている(CNBC)
- 欧中の北京協議は初期合意の段階のままで、10月15〜16日の欧州理事会が最終判断する予定は変わらない。10日分で新たな動きは確認できなかった(eunews)
- 10月25日のブラジル大統領選決選投票、11月3日の米中間選挙という日程は変わっていない
要因の連続性
- 継続要因: ホルムズ海峡の混乱が、前回に続き原油の高止まりを支えている。ハリケーンによる米湾岸の供給懸念も前回から続いている
- 新規要因: 米湾岸の生産停止が実際の規模(6割超)で確認されたこと、中国が精製燃料の輸出を再開する計画が価格の重しとして報じられたこと、米国の対イラン制裁(17隻)が加わったこと
- 解消した要因: 「トランプ発言で供給不安が和らぐ」という前回の下げ材料は、ハリケーンの影響で相殺され、終値は上昇に転じた
今日の要点
| 地域 | 出来事 | 日本への影響 | 段階 |
|---|---|---|---|
| 米国 | ブレント104.72ドル、湾岸生産6割停止 | ガソリン・電気料金の高止まり | 市場の確定値 |
| 米国・中東 | 米がイラン産原油の17隻を制裁 | 中東産原油の調達環境に影響 | 実施済み |
| イラン | 7日間計画への米回答を検討中 | 海峡再開なら原油の下押し要因 | 協議中(未決着) |
| 欧州・中国 | 欧中の初期合意、15日に最終判断 | 他市場への中国車流入と調達に波及 | 初期合意(確定ではない) |
米国
9日のニューヨーク原油市場では、ブレント先物が104.72ドル、WTI先物が91.85ドルで引けた。トランプ大統領の「生産的な協議」「選挙前の攻撃なし」という発言で一時下げたが、ハリケーン「イサイアス」が米メキシコ湾北部へ向かい、石油各社が生産を止めたことで上昇に転じた(Yahoo Finance)。米財務省は同じ時期に、イラン産原油や石油製品をアジアへ運ぶ17隻を制裁対象に加えた。財務省当局者は、米海軍の封鎖と金融制裁の結果、イランが原油タンカーの積み降ろしを止めていると述べている(ROIC)。
日本への影響: 日本は原油の大半を中東に頼る。ホルムズ海峡の混乱が続けば調達コストが上がり、円建てのガソリン・電気料金・運賃を押し上げる。制裁対象はアジア向けの輸送であり、日本の商社や海運が取引先を確認する必要が出る可能性がある。
欧州
欧中の北京協議について、10日に新たな動きは確認できなかった。9日にシェフチョビッチ通商担当委員と王文濤商務部長が協議を終え、ハイブリッド車の輸出抑制とレアアース許可の円滑化で一致した。これは初期合意で、10月15〜16日の欧州理事会(EU首脳会議)が実施手順を最終判断する(eunews)。
日本への影響: 中国車の欧州向けが減れば、他の市場への流入が日本の自動車メーカーの競争環境に響く可能性がある。レアアースの供給が安定すれば、日本のモーターや半導体関連の調達にはプラスに働く。
アジア・オセアニア
中国が精製燃料の輸出を再開する計画が報じられ、原油市場の重しになった(Yahoo Finance)。それ以外の新たな政策決定は、今回の確認範囲では確認できなかった。
中東・アフリカ・中南米
イランのアラグチ外相は8日、ホルムズ海峡を再開する「7日間計画」への米国の回答を検討中で、数日内に返答すると述べた。計画は、米国が最初の4〜5日に合意した措置をとり、6日目に通常の航行を再開、7日目に最終合意の交渉を始める内容である。イランは敵対行為の終結、凍結資産の解除、原油輸出の制限解除、米海軍による港湾封鎖の終了を求めている(Anadolu Agency)。また、イエメンの反政府勢力フーシ派によるサウジアラビアの空港への攻撃が続いており、地政学リスクを高めている(The National)。当事者の主張は分かれており、各国の発表の真偽は確認できていない。
日本への影響: 海峡が再開に向かえば原油の下押し要因になるが、協議は未決着で、見通しは立っていない。日本の船舶や邦人の被害は、今回の確認範囲では確認できていない。
国際機関・多国間の動きと、日本を名指しした動き
国連・IMFなどの新たな決定や、日本を名指しした新たな決定は、今回の確認範囲では確認できなかった。
今後数日の注目日程
- 数日内: イランが「7日間計画」への米回答に返答する見通し
- 10月15〜16日: 欧州理事会(EU首脳会議)。中国との初期合意の実施手順を最終判断する予定
- 10月25日: ブラジル大統領選の決選投票
- 11月3日: 米中間選挙

