前回からの変化
変わったこと(変化・新規)
- 日本銀行は28日午前8時50分、7月30・31日開催分の金融政策決定会合「議事要旨」を公表する予定であることが日銀自身の公表予定表で確認できた。同時刻には8月分の企業向けサービス価格指数も公表予定だが、本レポート作成時点では結果値そのものは確認できていない(日本銀行: 公表予定)。議事要旨の全文は本レポート作成時点で確認できていないため、同じ7月30・31日会合について8月10日にすでに公表されていた「主な意見」の内容から会合当日の論点を補うと、経済情勢については中東情勢が下押し方向・AI関連需要の拡大が上押し方向・円安が両方向に働くと整理され、物価面では「賃金と物価が相互に参照しながら上昇するメカニズムが維持され、基調的な物価上昇率が徐々に高まる」との見方が共有される一方、政策金利については「前回利上げの影響を慎重に見極めるべきだ」とする据え置き派と、「物価上振れリスクを踏まえ利上げや金融緩和度合いの調整を進めるべきだ」とする利上げ派の意見対立があったことが分かっている(新規、日本経済レポート)。なお同会合では政策金利を1.0%で据え置くことが決定されており、その後9月17・18日会合で0.25%の利上げを経て現行の1.25%程度に至っている(時事エクイティ)。
- CME先物に基づく政策金利モニターでは、10月28日のFOMCで政策金利が現行の3.75〜4.00%から4.00〜4.25%へ引き上げられる確率が、26日13時35分(日本時間)時点で66.6%、据え置き確率が33.4%となっていることを確認した。前回までに確認していた24日時点の77.5%からは低下しており、直近の高官発言ラッシュ後にやや利上げ観測が後退した形である(新規、Investing.com)。
- JGB(新発10年物国債)利回りは24日、前日比8bp上昇の3.055%となり、1996年8月以来およそ30年ぶりの高水準を付けたことを複数の情報源で確認した。同時に30年債は7bp上昇の4.134%、5年債は7bp上昇の2.345%(過去最高)となっており、年限を問わず利回り上昇が広がっている。米長期金利の上昇(米10年債が19年ぶり高水準)への連れ高に加え、原油価格の反発、米国の強い経済指標、米5年債入札の低調な結果が背景である(新規、CNBC、TechFlowPost)。前回レポートでは25日時点の値として3.115%という数字を既報としていたが、本レポート作成時点で確度高く確認できたのは24日時点の3.055%(1996年8月以来の高水準)であり、25日以降の更新値は確認できていない。
- イランのアラグチ外相は、米国がイラン側の条件を受け入れればホルムズ海峡を7日以内に開放すると仲介国を通じて提案したことが分かった。ホワイトハウス当局者は「有利な立場にあり急ぐ必要はない」とコメントしており、米・イラン間の交渉再開に含みを持たせている。この報道を受けてWTI原油(11月限)は26日、前日比2.20ドル(2.33%)安の92.41ドルで引けた(新規、みんかぶ)。
昨日と同じこと(継続)
- 米国債利回りは週末を挟んだため新規の取引材料はなく、25日NY引けの水準(2年債4.856%・10年債5.160%・30年債5.487%)から更新はない(みんかぶ)。
- 独10年債(Bund)についても、前回既報の3.6%台(2009年6月以来の高さ、25日時点)から確度の高い更新値は確認できなかった(日本経済新聞)。
- FRB高官による年内追加利上げ支持のタカ派的な発言姿勢は前回から継続しており、10月28日のFOMCでの利上げが市場の中心シナリオであり続けている点に変わりはない。
- 日銀の連続利上げ観測(次回は10月展望レポートが焦点)、ECB(9月10日利上げ済み)・BOE(9月17日据え置き)の直近決定に変更はない。
要因の連続性
- 継続要因: FRB高官の相次ぐタカ派発言と年内あと1回の利上げ観測が、引き続き米長期金利の高止まり要因として働いている。
- 新規要因: 日銀の7月会合「議事要旨」公表により、据え置き派・利上げ派の対立という政策委員会内の温度差が改めて可視化されたこと、および10月FOMCの利上げ織り込みが66.6%へやや後退したことが新たな材料として加わった。
- 解消した要因: 特になし。前回に続き、中東情勢(ホルムズ海峡をめぐる駆け引き)は解消しておらず、アラグチ外相の開放提案という新たな展開を伴いながら継続している。
1. 指標・金利サマリー
本レポートが対象とする期間(前日〜実行時点)には、生成条件が定める米欧中の主要な経済指標の発表は確認できなかった。日銀は28日朝に7月分の企業向けサービス価格指数を公表予定だが、本レポート作成時点で結果値は確認できていない。
| 年限 | 水準(取得時点) | 前日比 |
|---|---|---|
| 米2年債 | 4.856%(9/25 NY引け) | -6.9bp |
| 米10年債 | 5.160%(9/25 NY引け) | -3.7bp |
| 米30年債 | 5.487%(9/25 NY引け) | +1.1bp |
| JGB10年 | 3.055%(9/24、1996年8月以来の高水準) | +8bp |
| 独10年債(Bund) | 3.6%台(9/25時点、2009年6月以来の高さ) | 更新値確認できず |
2. 経済指標の結果
前日〜実行時点にかけて、生成条件が対象とする米国・日本・欧州・中国の主要指標(CPI・雇用統計・ISM・GDP・日銀短観など)の発表は確認できなかった。日銀が28日朝に公表予定の企業向けサービス価格指数(8月分、前回7月分は前年比+3.6%)は、本レポート作成時点でまだ結果が判明していないため、次回以降のレポートで結果を追う。
3. 金利の動き
米国債利回りは25日のNY引けで、2年債が前日比6.9bp低下の4.856%、10年債が3.7bp低下の5.160%、30年債が1.1bp上昇の5.487%となった。2年-10年スプレッドは約30.4bpのプラス(順イールド、逆イールドではない)で、週末を挟んで新規の取引材料はないため、この水準が現時点の最新値である(みんかぶ)。
JGB(新発10年物国債)利回りは24日、前日比8bp上昇の3.055%と1996年8月以来およそ30年ぶりの高水準を付けた。同日は30年債も7bp上昇の4.134%、5年債は7bp上昇の2.345%(過去最高)となり、年限を問わず利回り上昇が広がった。背景には米長期金利の上昇への連れ高に加え、原油価格の反発や米国の底堅い経済指標があるとみられる(CNBC、TechFlowPost)。25日以降の更新値は確度の高い情報源から確認できていない。
独10年債(Bund)は25日時点で3.6%台(2009年6月以来の高さ)との既報から、26日以降の確度の高い更新値を確認できなかった(日本経済新聞)。米10年TIPS利回りと期待インフレ率(ブレークイーブン)についても、本レポート作成時点で確度の高い最新値を確認できなかった。
4. 中央銀行の動き
FRB
FRBは9月16日のFOMCで政策金利を0.25%引き上げ3.75〜4.00%とし、ドットプロットでは18人中16人が年内あと1回の追加利上げを見込んでいる。バー理事・グールズビー・シカゴ連銀総裁らが23日前後にタカ派的な発言を続けたことは既報のとおりで、28日午前(日本時間)までに新たな公式発言は確度の高い情報源から確認できなかった。今週(28日以降)はバーキン・リッチモンド連銀総裁の講演が予定されている(Newsquawk)。
日銀
日銀は28日午前8時50分、7月30・31日会合の「議事要旨」を公表する予定である(日本銀行: 公表予定)。同会合ではすでに8月10日付で「主な意見」が公表済みで、政策委員会内では「前回利上げの影響を見極めるべきだ」とする据え置き派と、「物価上振れリスクを踏まえ利上げを進めるべきだ」とする利上げ派の対立があったことが分かっている。会合そのものでは政策金利を1.0%で据え置くことを決定しており、その後9月17・18日会合での0.25%利上げを経て、現在の政策金利は1.25%程度である(日本経済レポート、時事エクイティ)。議事要旨の全文(発言者ごとの詳細な記録)は本レポート作成時点でまだ確認できておらず、次回以降のレポートで内容を補う。
ECB・BOE
ECB(9月10日、0.25%利上げ・中銀預金金利2.5%)、BOE(9月17日、バンクレート3.75%で6会合連続据え置き)の決定・姿勢に新たな変更はない。28日はECBのエルダーソン専務理事とラガルド総裁、BOEのラムスデン副総裁の講演が予定されているが、本レポート作成時点ではまだ発言内容が確認できないため、次回以降のレポートで内容を追う(Newsquawk)。
市場の織り込み
CME先物に基づく政策金利モニターでは、10月28日のFOMCで25bp利上げ(3.75〜4.00%→4.00〜4.25%)となる確率が26日13時35分(日本時間)時点で66.6%、据え置き確率が33.4%となっている。前回までに確認していた24日時点の77.5%からは低下しており、直近1週間で利上げ観測がやや後退したことになる(Investing.com)。
5. 債券需給
前日〜実行時点にかけて、米国債・JGBの新規入札結果は確度の高い情報源から確認できなかった。IG・HYのクレジットスプレッドについても最新値を確認できておらず、次回以降で補う。
6. 他資産への波及
イランのアラグチ外相がホルムズ海峡を条件付きで7日以内に開放すると提案したことを受け、WTI原油(11月限)は26日、前日比2.20ドル(2.33%)安の92.41ドルで引けた。ホワイトハウス当局者は「有利な立場にあり急ぐ必要はない」としており、米・イラン間の緊張緩和が急速に進むかは不透明である(みんかぶ)。株式・為替は週末を挟んで新規材料に乏しく、米独JGBの記録的な高金利環境が続いていることが引き続き株式のバリュエーションや円金利の重荷になり得る点に変化はない。金・暗号資産への確度の高い波及情報は本レポート作成時点で確認できていない。
7. 今夜の注目イベント
28日(日本時間今夜、米欧市場では月曜)は、ECBのエルダーソン専務理事・ラガルド総裁、BOEのラムスデン副総裁、FRBのバーキン・リッチモンド連銀総裁の講演が予定されている。翌29日には米JOLTS求人件数(8月分)とオーストラリア準備銀行(RBA)の政策金利発表も控えており、あわせて注目したい(Newsquawk)。

