前回からの変化
変わったこと(変化・新規)
- 9月23日夜、米S&P Global製造業・サービス業PMI速報値が発表され、製造業53.9(前回23日発表前の市場予想53.4・8月分53.9)、サービス業56.5(市場予想56.0・8月分56.5)と、いずれも市場予想を上回り前月からほぼ横ばいの水準となった。
- 複数のFOMC高官から、インフレが2%目標に戻るまでなお時間がかかるとの警戒発言が相次いで伝わった(発言者個別の特定情報は本レポート作成時点で確認できていない)。
- 米10年債利回りは、米国とイランの外交交渉への期待から原油安が進んだことでいったん低下して始まったが、NY時間に入り上記のFOMC高官発言を受けて上昇に転じ、前日比+0.6bpの4.957%で取引された。
昨日と同じこと(継続)
- 9月16日のFOMC利上げ(政策金利3.75〜4.00%)、9月18日の日銀利上げ(政策金利1.00〜1.25%)という「日米そろっての利上げ」の地合いが引き続き市場の基調にある。
- 米2年債利回りは4.743%前後、30年債は5.297%前後と、前日から大きな変化はなく高止まりが続いている。
- 2年10年スプレッドはプラス21bp前後で、逆イールド解消の状態が続いている。
要因の連続性
- 継続要因: FOMCの年内追加利上げ観測(ドットプロットが示唆)と、日銀の連続利上げの可能性が、引き続き米国債・JGB双方の金利の高止まり要因として働いている。
- 新規要因: 米国とイランの外交交渉期待による原油安が、本日新たに金利への下押し材料として加わった(ただしFOMC高官のインフレ警戒発言により相殺された)。
- 解消した要因: 前回時点で不透明だった9月23日のPMI速報値は、市場予想を上回る結果で発表され、「PMI下振れへの警戒」という不確実要因は解消した。
1. 指標・金利サマリー
| 指標・金利 | 結果/水準 | 市場予想 | 前回値 |
|---|---|---|---|
| 米・9月S&P Global製造業PMI速報値(9/23発表) | 53.9 | 53.4 | 53.9 |
| 米・9月S&P Globalサービス業PMI速報値(9/23発表) | 56.5 | 56.0 | 56.5 |
| 年限 | 水準(9/23 NY時間16:29時点) | 前日比 |
|---|---|---|
| 米2年債 | 4.743% | -0.4bp |
| 米10年債 | 4.957% | +0.6bp |
| 米30年債 | 5.297% | +1.4bp |
| JGB10年 | 2.985%(9/18終値のまま) | 休場明け・24日取引再開予定 |
(取得時点: 日本時間2026年9月24日早朝。米国債利回りはNY時間9月23日16:29時点。出典: みんかぶ)
2. 経済指標の結果
米・9月S&P Global PMI速報値
9月23日(日本時間夜)に発表された米S&P Global製造業PMI速報値は53.9となり、市場予想の53.4を上回り、8月確報の53.9からほぼ横ばいだった。サービス業PMI速報値も56.5で、市場予想の56.0を上回り、8月確報の56.5から横ばいとなった。製造業・サービス業とも節目の50を大きく上回る拡大領域を維持しており、民間部門の景気が底堅く推移していることを示した(財経新聞、S&P Global)。
底堅い結果は、9月16日のFOMC利上げ決定の理由の一つだった「生産性の高い伸びと堅調な設備投資を伴う着実な経済拡大」という判断を裏付ける内容であり、年内追加利上げの是非を巡る当局者間の議論にも材料を提供する形となった。
3. 金利の動き
米国債利回りは9月23日、米国とイランの外交交渉への期待を背景とした原油安を受けて低下して始まったが、NY時間に入るとFOMC複数委員のインフレ警戒発言が伝わり、上昇に転じた。2年債は前日比-0.4bpの4.743%、10年債は+0.6bpの4.957%、30年債は+1.4bpの5.297%で取引を終えた。2年10年スプレッドはプラス約21bpで、逆イールド解消の状態を保っている(みんかぶ)。
日本国債(JGB)10年物は、9月18日の日銀利上げ後の終値2.985%のまま、9月19日〜23日のシルバーウィーク休場により取引が行われていなかった。取引再開は9月24日で、休場中に固まった米金利の動き・日銀の利上げ観測を受けてどう反応するかが注目される。
ドイツ10年債(Bund)や欧州金利について、本レポート作成時点で確度の高い9月23日時点の最新水準は確認できなかった(次回以降で補う)。
4. 中央銀行の動き
FRB
9月16日のFOMCで0.25%の利上げ(政策金利3.75〜4.00%)を決定して以降、ウォーシュ議長を含む複数の高官からインフレ警戒に関する発言が続いている。23日には複数のFOMC委員の発言が伝わり、「インフレの2%目標達成にはなお時間がかかる」との見方が示された(個別の発言者・発言内容の詳細は本レポート作成時点で確度の高い一次情報を確認できておらず、次回以降で補う)(みんかぶ)。
ドットプロットが示唆する年内あと1回の追加利上げについて、10月・12月のどちらで実施するかを巡る当局者間の意見の隔たりは、前回に続き解消していない。
日銀
9月18日の利上げ決定・植田総裁会見以降、シルバーウィーク休場もあり新たな公式発言は確認できていない。植田総裁が示した「物価の上振れリスク次第では連続利上げ・利上げ幅の拡大も排除しない」という姿勢が、引き続き市場の金利観の前提となっている(日本経済新聞)。
ECB・BOE・その他
本レポート作成時点で、23日までの一次情報において、ECB・BOEの新たな政策決定・高官発言は確認できなかった。
市場の織り込み
年内あと1回の追加利上げの実施時期(10月か12月か)を巡る市場の見方の割れは前回から継続している。CME FedWatch等の具体的な織り込み確率について、本レポート作成時点で確度の高い最新値は確認できなかった(次回以降で補う)。
5. 債券需給
22日実施の米2年債入札(応札倍率2.63倍、堅調)以降、23日時点で新たな国債入札は確認できていない。JGB入札・QT・クレジットスプレッドについても、本レポート作成時点で確度の高い9月23日時点の情報を確認できなかった(次回以降で補う)。
6. 他資産への波及
原油安とFOMC高官のインフレ警戒発言がせめぎ合う中、米金利は総じて高止まりを維持しており、株式市場ではAI関連銘柄への物色が金利動向より優勢な構図が続いている(詳細はus_stockカテゴリ参照)。ドル円は日米金利差の高止まりを背景に円安方向で推移が続いている(詳細はfxカテゴリ参照)。原油はイラン外交交渉期待で下落しており、金相場には実質金利の高止まりが引き続き重しとなっている(詳細はcommodityカテゴリ参照)。
7. 今夜の注目イベント
- 9月24日(木、日本時間夜): 経常収支、新規失業保険申請件数、新築住宅販売件数(米国)
- 9月24日: 日本国債市場がシルバーウィーク明けで取引再開
- 9月25日(金): 耐久財受注速報値、ミシガン大学消費者信頼感指数確報(米国)
- 今週はFRB高官の発言機会が引き続き多く、追加利上げのペース・時期を巡る発言に注目が集まる

