前回からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • 前回(22日)は原油安とショート強制決済を追い風に8万6000ドル台へ上昇し8カ月ぶり高値を付けていたが、23日は米国株式市場の引け前後に潮目が変わり、日中高値8万7300ドルから米国株引け時点で8万4400ドルまで反落した(24時間で2.2%安)。要因は米10年債利回りが18.5ベーシスポイント上昇し2007年以来の高水準となる5.127%に達したことで、ナスダック(-1.3%)・S&P500(-0.8%)の下落と同時進行した(新規、CoinDesk)。
  • 暗号資産関連株も下落し、MicroStrategyが3.1%安、Coinbaseが1.5%安、Circleが3%安となった(新規、CoinDesk)。
  • 一方でビットコインキャッシュ(BCH)は、CMEグループが10月19日からBCH先物を上場すると発表したことを受け28%急騰した。規制された米国取引所での先物上場は機関投資家の参入にとって重要な一歩との指摘がある。ジーキャッシュ(ZEC)も9%上昇し、投機資金がビットコインから利益確定を経てアルトコインへ回転する動きが観測された(新規、CoinDesk)。
  • Bitwise Altseason Index(アルトコイン優位を測る指数)が90%に達し「アルトシーズン」入りを示唆したこと、上位アルトコイン関連ETFへの週間資金流入が1億6600万ドルと年内最大となったことが新たに判明した(新規、CoinDesk)。
  • Fundstratのデジタル資産責任者ショーン・ファレル氏は「ビットコインのブレイクアウトは信頼できる」「暗号資産の冬は終わった、ただし上昇が一直線とは限らない」と発言し、コンパスポイントのエド・エンゲル氏も「新たな強気相場の初期段階にあり、過熱の兆候はほとんど見られない」と述べたことが新たに判明した(新規、Benzinga)。

昨日と同じこと(継続)

  • 米金利上昇局面ではビットコインが売られやすいという構図自体は、9月1日の「Rektember」局面などこれまでも繰り返し見られてきたパターンであり、今回もその延長線上にある。
  • SECが9月17日に発表したトークン化株式の「イノベーション免除」を巡る議論について、23日時点で確度の高い新規進展の確認情報はなかった(継続)。

要因の連続性

  • 継続要因: 米金利動向への感応度の高さは前回から一貫している(前回は原油安・金利頭打ちが追い風だったが、今回は金利急伸が逆風に転じた形)。
  • 新規要因: CMEのBCH先物上場発表、Bitwise Altseason Indexの90%到達、Fundstratの「暗号資産の冬は終わった」という強気コメントが新たに加わった。
  • 解消した要因: 前回の上昇を支えた「原油安によるリスク選好」は、23日はトランプ大統領の対イラン強硬発言による原油高(詳細はcommodity・world_affairsカテゴリ参照)に転じ、押し上げ要因として後退した。

1. 価格サマリー

取得時点: 日本時間2026年9月24日早朝(米国市場9月23日の取引を反映)。

銘柄 価格(ドル建て) 24時間騰落率
ビットコイン(BTC) 8万4,400ドル(米国株引け時点) -2.2%(日中高値8万7,300ドルから反落)
イーサリアム(ETH) およそ2,725〜2,753ドル 米国市場序盤時点で軟調
ソラナ(SOL) およそ113〜119ドル ほぼ横ばい
リップル(XRP) およそ1.59ドル +3%
ビットコインキャッシュ(BCH) ― +28%(CME先物上場発表を受け急騰)

出典: CoinDesk、Yahoo Finance

2. 銘柄別動向

ビットコイン(BTC)

23日は8万6,195ドル近辺で寄り付き、日中は一時8万7,300ドルまで上値を伸ばしたが、米長期金利の急伸を受けて売りに転じ、米国株式市場の引け時点で8万4,400ドルまで反落した(24時間で2.2%安)。週間ベースでは+14%、月間では+11.8%を維持しているが、1年前との比較ではなお23.6%低い水準にある(CoinDesk、Yahoo Finance)。

イーサリアム(ETH)

2,753.25ドル近辺で寄り付いたのち、朝方には2,725.32ドルまで軟化した。週間では+14.8%、月間では+13.6%を維持しているが、1年前との比較ではなお34.5%低い水準にある(Yahoo Finance)。

その他アルトコイン

  • リップル(XRP): およそ1.59ドルで24時間+3%程度の上昇となった(CoinDesk)。
  • ビットコインキャッシュ(BCH): CMEグループが10月19日からBCH先物を上場すると発表したことを好感し28%急騰した(CoinDesk)。
  • ジーキャッシュ(ZEC): 9%上昇。ビットコインからの利益確定売りがアルトコインへ向かう「資金ローテーション」の一環と分析されている(CoinDesk)。

3. 強気派 vs 弱気派

強気派

  • Fundstrat(ショーン・ファレル氏、デジタル資産責任者): 「ビットコインのブレイクアウトは信頼できる」「暗号資産の冬は終わった、ただし上昇が一直線になるとは限らない」と述べ、強気相場入りを宣言した(新規、Benzinga)。
  • コンパスポイント(エド・エンゲル氏): 「暗号資産は新たな強気相場の初期段階にあり、過熱の兆候はほとんど見られない」との見方を示した(新規、Benzinga)。

弱気派

  • 市場観察者からは、米長期金利の上昇が国債の借り換え負担を増やし、金利上昇と財政悪化が相互に強め合う「自己強化的なループ」を生みかねないとの警告が示された。この構図はリスク資産全般、とりわけビットコインへの逆風として意識されている(新規、CoinDesk)。
  • 米金利急伸により暗号資産関連株(MicroStrategy・Coinbase・Circle)がそろって下落したことも、投資家心理の慎重化を示すシグナルとして指摘される(新規)。

4. 社会実装ニュース

CMEグループが10月19日からビットコインキャッシュ(BCH)先物を上場すると発表した。規制された米国の主要デリバティブ取引所での先物上場は、機関投資家がBCHにアクセスする正式な経路を提供するものであり、機関参加の広がりという観点で重要な一歩と位置づけられている(CoinDesk)。

Visa社の調査によれば、銀行水準の不正防止・預金保険相当の保護が付与されるという仮定のもとでは、米国消費者のステーブルコイン利用意向が36%から56%へ上昇した。一方で米国民の56%はステーブルコインという資産クラス自体になお馴染みがないとされ、実際の普及には利用者への理解促進が課題として残る(The Block)。

5. 法改正・規制ニュース

米国

SECは9月1日、証券の保有記録を管理する登録トランスファーエージェント(名義書換代理人)に関する登録・記録保持規則を近代化し、分散型台帳技術(DLT、ブロックチェーン)を証券保有の追跡に利用できるようにする提案を行っていたことが判明した。8月18日に提案された「Regulation Crypto Assets」(暗号資産の募集に関する適合的な適用除外や原則主義の開示規制、「投資契約」該当性からの条件付きセーフハーバーを設ける枠組み)も引き続き審議中である(新規・継続、本レポート作成時点で9月23日時点の進捗更新は確認できず)。

Agora・Catena・Bastionの信託銀行免許取得(前回既報)以降、OCCからの新たな承認の発表は23日時点で確認できなかった(継続)。

日本

金融庁が所管する暗号資産取引の金商法移行に関する改正法(7月23日公布)について、23日時点で新たな進捗の発表は確認できなかった(継続)。

6. テクニカル分析

ビットコイン(BTC)

日中高値8万7,300ドルから米国株引け時点で8万4,400ドルまで反落しており、前回確認した5日移動平均線(8万5,931ドル)を下回る水準まで調整した形となる。9月20日に付けた45週ぶりの50週移動平均線上抜けという中期トレンド転換シグナル自体は維持されているとみられるが、詳細な最新のテクニカル指標値は本レポート作成時点で確度の高い情報を確認できなかった(次回以降で補う)。

イーサリアム(ETH)

ビットコインと同様に上値の重い動きとなったとみられるが、詳細なテクニカル指標(移動平均線・RSI等)の確度の高い最新値は本日時点で確認できなかった。

7. 業界トピック

  • CMEのBCH先物上場発表: 10月19日から上場予定で、機関投資家のアクセス拡大という観点から重要な一歩とされる(CoinDesk)。
  • アルトシーズン指標: Bitwise Altseason Indexが90%に達し、アルトコイン優位の相場局面入りを示唆した。上位アルトコイン関連ETFへの週間資金流入は1億6600万ドルと年内最大を記録した(CoinDesk)。
  • 暗号資産関連株の下落: 米金利急伸を受け、MicroStrategy(-3.1%)・Coinbase(-1.5%)・Circle(-3%)がそろって下落した(CoinDesk)。